★森絵都。『アーモンド入りチョコレートのワルツ』

森絵都さんの短編集。
「子どもは眠る」「彼女のアリア」「アーモンド入りチョコレートのワルツ」の3編が、それぞれシューマンの「子どもの情景」、バッハの「ゴルドベルグ変奏曲」、エリック・サティの「童話音楽の献立表」にのせて送られる。
主人公は、みな中学生。

誰もが経験した、「あの頃」を淡々と綴っている。
ただ懐かしいだけでは切り取ることのできない、不可解さを含んだ、「あの頃」。
シチュエーションは違えど、きっとオトナはみんな、あの切なさを知っている。
知っているのに、あまりにも遠いその記憶をたぐり寄せられない、もどかしさ。
この本を読んで、自分はいったい中学生のときどうだったのか?と目を閉じてじっくりと思い出したくなった。
私もきっと、知っているはずだ!
あの年代の記憶はどこに? もどかしい。

個人的に好きなのは、「子どもは眠る」。
子どもたちの力関係は、こんな些細な、しかも訳のわからないことの連続で、しかもそれはある日さっくりと裏返る。

どれもピアノ曲だ。ピアノをやっていたというのに、知っているのは「子どもの情景」のトロイメライだけだなんて、ちょっと情けないかも;^^
2006年01月02日(月)
By ちゃいむ

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