「静かな大地」を遠く離れて
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題:190話 戸長の婚礼10 画:かんざし 話:世のものごとは偶然に、はずみで、とんとんと決まってしまうことがある
「散歩です。これはわたしの馬」という涼やかなエカリアンの声が耳に浮かぶ。 #もちろんキャストは島本須美さん@ナウシカ・ヴォイス(^^) 恋と戦争は、ひとたび起こってしまうと不可逆的な過程だということでは同じ。 だったら恋のほうがいい。“世のものごとは偶然に、はずみで、とんとんと” 決まってしまうことは確かにままある。よしんば、それが戦争であっても。
今夜は聖夜。それも報復テロに脅えるクリスマス・イブをアメリカは迎えている。 帰り道で世代的ネタとして佐野元春「Cristmas time in blue」を口ずさみ、 坂本龍一「戦場のメリークリスマス」に、そもままやんけっ!と突っ込む夜(?笑)
日本国の最大の仮想敵国たる某国をめぐる情勢は、いつ硬化してもおかしくない。 http://soejima.to/ 副島隆彦氏↑の12月24日づけ「今日のぼやき」を読むと、俄に肝が冷える。 こうなってくると世界のサカモト@『非戦』(幻冬舎)を支持したくなってくる。 http://www.sustainabilityforpeace.org/ …って、まだ読んでないけど(^^; 戦争をめぐって読んでおくべき必須科目としては、いまなら断然↓この本を薦める。
■ジョン・W・ダワー『容赦なき戦争 太平洋戦争における人種差別』(平凡社ライブラリー) (帯惹句より) 戦火はなぜ拡大するのか 『敗北を抱きしめて』の前著として読まれるべき戦慄の探究 同時多発テロとそれ以後についての特別寄稿を付す (平凡社ライブラリー版への序文より) この『容赦なき戦争』の新しい平凡社ライブラリー版の刊行は、アメリカと中東−そして 奇妙なことに間接的には日本も含めた暴力の再発の周期と時を同じくしている。 2001年9月11日、テロリストたちがアメリカの世界貿易センタービルと国防総省を 攻撃したとき、人種、文化、プロパガンダ、そして戦争の諸問題が再び注目の的となった。 またしてもテレビ、ラジオは、「文化の衝突」、「文明の衝突」についてのレトリックに 満ち満ちている。
難儀な世界ではある。Love&Peaceを強靱に鍛え上げるのは、ひとしなみの業ではない。 天下国家の好きなオトナも「空想的平和主義者」を排撃していれば格好が着くような、 単純で平和な世の中ではなくなったということか。軍備や参戦の「費用対効果」が真剣に 問われる状況になってしまった。ずっとそれが世界の実相だった、と認めるしかない。
それでもあれこれとくだらないことを考えながら明け暮れをやり過ごしていくのは自分だ。 『Switch』誌の対談インタビューもザッと読んだけど、「新世紀へようこそ」よりも 『静かな大地』を読み続けていることによって“風”をもらえている状態を好ましく思う。
さて今夜はキャラメルボックスの去年のクリスマス公演『クローズ・ユア・アイズ』の DVDを見て眠ろう。喪うイタミがあっても、生きることの意味は消えない。そんな物語。
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