「静かな大地」を遠く離れて
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2001年10月11日(木) 人生の持ち時間

題:119話 札幌官園農業現術生徒29 
画:注射器
話:現術生徒としてこの官園で学ぶ日々もまもなく終わる

明治十年も十二月十五日まで来ました。

三郎君はもう少し札幌に留まって、開拓使で仕事をすることを
企てているようです。「文明」が面白くて仕方がないようです。
明治国家、薩摩帝国の異常とも言える肩入れによる北海道特需も
そう長くは続かない、という歴史を知っていると切ないですな。
#再三ご紹介している『日本競馬を創った男』を副読本に是非♪

いま三郎君の眼に映っている“未来”は、きっと訪れない。
でも彼ならきっと知恵を使って、周囲を魅了して、よく働いて、
魅力的な“未来”を垣間見せてくれることだろう。
もしかしたらエドウィン・ダンその人とも出会うかもしれない、
このあとの展開で。ダンにとっての北海道もまた夢のキャンバス
と言うにふさわしい魅力的な土地だった。

未来はいま、私たちの視線の彼方にある。
近代の立ち上がりの頃の若者たちような“野心”は持ちにくい
かもしれないけれど、生きていくのは他の誰でもない、自分だ。
心地よくて具体的なヴィジョン、それを持つことが大事。
そのために今日なにができるか?

人生の持ち時間は少ない。


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