「静かな大地」を遠く離れて
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題:119話 札幌官園農業現術生徒29 画:注射器 話:現術生徒としてこの官園で学ぶ日々もまもなく終わる
明治十年も十二月十五日まで来ました。
三郎君はもう少し札幌に留まって、開拓使で仕事をすることを 企てているようです。「文明」が面白くて仕方がないようです。 明治国家、薩摩帝国の異常とも言える肩入れによる北海道特需も そう長くは続かない、という歴史を知っていると切ないですな。 #再三ご紹介している『日本競馬を創った男』を副読本に是非♪
いま三郎君の眼に映っている“未来”は、きっと訪れない。 でも彼ならきっと知恵を使って、周囲を魅了して、よく働いて、 魅力的な“未来”を垣間見せてくれることだろう。 もしかしたらエドウィン・ダンその人とも出会うかもしれない、 このあとの展開で。ダンにとっての北海道もまた夢のキャンバス と言うにふさわしい魅力的な土地だった。
未来はいま、私たちの視線の彼方にある。 近代の立ち上がりの頃の若者たちような“野心”は持ちにくい かもしれないけれど、生きていくのは他の誰でもない、自分だ。 心地よくて具体的なヴィジョン、それを持つことが大事。 そのために今日なにができるか?
人生の持ち時間は少ない。
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