P-diary
Piccolo,Play,Practice,Pleasure,Process,Pray,…Precious!

2001年07月07日(土) 特別講義「語りと騙り」

 特別講義(講師:石澤秀二先生)

◎演じるとは、どれだけ上手に嘘をつくか、ということ。

◎呼吸…二人で向かい合って大きく息を吸い、大きく吐く。
その時、身体は自然にまかせる。どうなるか。

息を吸えば吸うほど反り返っていく。吐けば吐くほど縮こまっていく。
呼吸の仕方で「王様と乞食」を表現できる。
息を吸い、身体が反り返る=王様
息を吐き、身体が縮こまる=乞食
吸うのと吐くのと、どちらを中心にするかを意識すると、表現の幅が広がる。

笑い声も同じ事。吐く息、吸う息、どちらが多い笑い方か。
おかしくておかしくて大笑いするときは…吐く息が多い。
吸う息で笑うのは難しい=笑えない、けど無理に笑うとき、例えば、恐怖の中での笑いとか。

ハ、ヒ、フ、ヘ、ホ、で笑ってみる。それぞれに違う表現が自然と出来る。
それぞれの呼吸や声に、意味がある。
それに、細かいニュアンスを付け加えていく。

◎歩き方
自分のクセを知るには、自分と同じくらいの重さの人を背負って、足を上げるようにして歩いてみる。
両手は左右に大きく水平に伸ばし、上体は少しだけ倒し気味に、顔はまっすぐ前を向いて。
クセのある人は、それがはっきりする。
・重心は出来るだけ下に。…上の方にあると、ふらふらする。定まらない。
・足は、まっすぐ前へ出す。…内股、がに股にならない。
・ゆっくり歩かないと、クセに気付くことが出来ない。

特に、大勢で揃って歩くときなど、これをすると段々揃うようになる。

◎信頼。
真ん中に一人立ち、それを数人で取り囲む。
真ん中の人は、マッチ棒のように、まっすぐ。どこへ倒れるか分からない。
周りの人は、中腰で構えていて、真ん中の人が倒れたら、その倒れる力を吸収しつつ、支え、建て直し、別の方向へ倒す。
信頼する、それに応える。
例えば、舞台で倒れる、遠くからでも、さっと間に合うように支える。
そんなこともサッ、パッとこなすことが出来たら、かっこいい。

◎別役実「あーぶくたった、にいたった」より
第七場、女1の電話を受けている台詞を読む。
・スピード、トーンなどに変化が無い
→興奮すれば、言葉は早くなり、大きさも変化する。リズム、パッションの変化。
・ニュアンスによって、第三者の存在を匂わすことも可能→そばに、誰がいるのか、どんな場所で電話を受けているのか、どんな状態で…

状況設定が、理屈抜きで観客に伝わる。=リアリティ。

◎様々な(自由な)設定で電話のやりとり(即興)
二人で…一人で…
特に一人でやる場合は、相手の言葉をどう受けとめるか、その「間」をどう表現するかが大事。
・自分の状況、相手の状況を、やりとりの中で匂わすにはどうすればいいか。
・相手の反応を観客に伝えるためには?…たとえば、相手の言葉を繰り返す、というのも手。

◎状況によって変化する声。
例えば、寝起き、酒を飲んでいるとき、…それによって、状況を伝えることも出来る。

実践:外郎売りを色んな状態で
立ったまま/逆立ち/馬乗り(の下)/腕立て伏せ
刺激を与えられていると、それに抵抗するため、声がしまる。

*ジャン・コクトー「声」杉村春子
戦後最初の一人芝居。当時はモノロオーグドラマと呼ばれた。


☆観客を上手に騙すため、リアリティーを出すためには、それ相応の技術を身につけておかなければならない。
身体、声、呼吸を工夫することでリアリティが増す、ということでしょうか。

※二日連続の講座でしたが、二日目は体調不良でダウン…残念ながら一日のみの参加となってしまいました。


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