ナナとワタシ
ナナとワタシ
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2011年07月29日(金) 円形ベッドという建前

先日、またナナが「パソコン作業手伝ってー」と我が家にやってまいりまして。

たいした作業ではなかったので、割とすぐに終わりましてね。
作業が終わるまでは、お互い「何か不機嫌?」と思うような態度でおったんですが(なぜなのかしら)、終わってからはだんだん普通に話すようになりまして。
ナナが
「そうだ。こないだ話してたアパート、一緒にネットで見てみない?」と。

そりゃ楽しそうだね、ってことで一緒にヤンヤンと物件検索いたしまして。
なんだか、世の中不景気なせいなんでしょうかね、安い物件がたっくさん。
一年くらい前は、3万円の物件を見つけるのも大変だったんですが、このとき見てみたら2万円台とかザラなんですよ奥様!
不動産業界の人に聞いたところでは、今ってアパートの部屋が空いちゃってしかたないらしいので、空けとくくらいならたとえ破格値でも埋めちゃった方がいいや、って感じなんでしょうかねえ。

まあとにかく。
ナナはけっこうノリノリで見てましてね。
ホントに借りたいらしい。
ワタシも一緒で良いらしい。
てか、「一緒」を前提に見ているらしい。
ワタシも「一緒にアジトを借りられたら楽しいだろうなー」なんてことは思うんですが、現実的ないろんなことを考えると、どうも
「じゃあ借りちゃうことにしようか!」
と言い切れない、煮え切らない自分がいるのは、前回のナナワタに書いたとおりでございまして。

それに、やっぱり安すぎないかぁ?と。
だって1万5千円とか、普通貸します?
ネットで見てみたら、オンボロボンボンボン、てわけでは全然ないんですよ。
築年数はそれなりに経ってますが、フツーに小綺麗なアパート。中もきれい。
キッチンのシンクが少々古くさい雰囲気なのは否めませんでしたが、部屋は7.5畳とかあって、アパートの場所もいいんです。
日当たりも問題なさそう。
しかも、3階の良い位置。
リフォーム済み。

こうなってくると、「安いのには何か特別な理由があるのではないか」とね。
2ちゃんのオカルト板で怖い話を読むのが大好きなじょりぃとしては思わずにいられないわけですよ。
リフォーム済み、ってのが、かえって引っかかるわけですよ。
てことで、ついナナに言ってしまったわけですよ。

「リフォームしたのには理由があるのかもしれない。そしてそれがそのまま、この安さの理由なのではなかろうか」とな。

「えー! なにそれ。どういう理由?」
「殺人事件があったとかさ」
「根拠は?」
「こに現れているデータだ。それに、このアパートがある方で、痴情のもつれによる男女の殺傷事件が最近あったって、信用金庫の人が言っていた記憶があるぞ」
「そんなニュースあったかぁ?」
「ガセかしら(°▽°)」
「・・・事件はなくても、もしかしてオバケは出たりするんだろうか・・・」
「へ? 何、オバケ怖いの?」
「怖いよー」
「m9( ^ ∀ ^ )げらげらげらげら」
「なんだよー。怖くないの?」
「いないだろそんなもん(笑)」

まあ、ワタシもたまに「怖いー」って思うことはありますが。
イヤな感じですとかね。
そういうものに遭遇すると「怖いー」って感じますけど、オバケとか幽霊とかですね、いないだろっていうか

いないでほしい・・・(・_・)


「ワタシが怖いのはさ、オバケとか幽霊よりも、オカシナ人間の方だなあ」とワタシ。
「それも怖いよね」
「ほら、このアパートの外観の、ここんとこ、よく見てみなよ。この木の陰とかにさ」
「うん」
白いワンピースを着た髪の長い、目を大きく見開いて笑ってる女、とか立ってたら、すげえ怖い」
「ちょっとやめてよーーー」
「あるいは、屈強なラガーマンのような体格の、性欲に満ちあふれた男が立っていても怖い」
「それも怖いね」
「このアパートはだからダメだ」
「なんで」
「なんか、そういう人が隠れやすそうな死角が、暗闇が、たくさんありそうじゃないか」
「・・・そお?」
「ワタシにはわかる」
「あなた隠れて立ってる側の人だもんね」

実際そういうことをしたことはないんですが、もうすっかりナナの中ではそういうキャラになっているじょりぃ。

それからしばらく、「怖いもの」の話をたんまりとしまして。ワタシが。一方的に。

「でもやっぱ、あたしとしてはオバケがいちばん怖いかも」とナナ。
「だから、あなたを怖がらせるようなオバケなんてこの世にいないって(笑)」
「だって怖いんだもーん」

そういえばホラー映画も嫌いって言ってたねあなた。

「でもさー、そんなでさー。
 今さっきだって、ちょっと『みしっ』とか音がしただけでビビってたようなあなたでさー」とワタシ。
「うん」
「ひとりでこの部屋にいられるの?」

まーたですね、「あたしがいるときはじょりぃは来なくていいよ」とか、かわいげのないことを言いやがったもんですからね、ナナ。
安すぎて曰くのありそうなこの部屋に、おまえひとりでいられるのかよベイビー、とまあ、このようにおたずね申し上げてみたわけですよ。

「いられないかも。てか、もう無理」

脅しすぎたかしらワタシ。

「だろー? なんか『カタ』とか音がするたびに、『今なんか音がした!』とかさ、電話してくるんだろきっと」 ワタシも意地が悪い。
「するね(笑) すぐ来て!って言うと思う(笑)」
「『あたし今からあの部屋行くから、じょりぃ先に部屋に来ててよ』とかね」
「なら最初から部屋借りずにじょりぃんちに来いよ、って話だよね(笑)」
「デスネ」
「やっぱあたし無理だわ、ひとり暮らし」
「なんだよー。このアパートあきらめちゃうのぉ?」 <さんざん怖がらせる方向に煽っておいて、これ
「だって無理だもん。怖くなっちゃったから。それに勉強も今までより大変じゃなくなるしな、考えてみたら」
「つまんないの。 じゃあでも、また気が向くかもだから、そしたら一緒に考えよ? 楽しいしこういうの」
「そだね」

残念な気持ち半分。 ホッとした気持ち半分。
矛盾と書いてじょりぃと読む、としても良いような気持ちであります。


「あ、じゃあさ。アパートはもういいや」とナナ。
「うん?」
「ラブホ探そう。検索して」
「え?」
「ラブホ。行きたいんでしょ? 行かないの?」 とナナ。
「あ。 行きます。行きたいです」

イキたいんでしょ? イキたいです だと一気に淫靡な感じに。
とかアホなことを考えながら、ラブホ検索を始める素直なじょりぃ。

てか、「勉強手伝ったお礼なら、一緒にラブホに行ってほしい」ってワタシが言ったの、覚えていてくれてたのかー。
うれしいな。うれしいな。
覚えててくれて、ホントに行こうとしてくれてるだけでうれしいな。

今って、ホテルに行かなくても、ネットでどんな部屋があるのか見られて良いですね。

で、お部屋を見ながら、あーじゃないこーじゃない盛り上がりましてね。
ワタシの希望としては「すっごくラブホラブホしたところ。いっそ下品でも良い」てな感じだったんですが(せっかく行くんですからコッテコテにラブホテルっぽいところに行ってみたかったんです)、ナナの検索基準は

「勉強できるような机と椅子があるところ」 なにそれ。

「なによそれー(´д`) ラブホに勉強持ち込むなよ」
「だってさー、夢のアパート勉強部屋計画が頓挫したからさー、
 なら、どうしても泊まり込みで勉強したいようなときに行けるラブホを、この際開拓しておくといいかなって」
「( ´_ゝ`)べんきょうすきだね。てか、ラブホってひとりじゃ泊まれないんじゃない?」
「大丈夫じゃない?」
「入室クリアしてもさ、ラブホもオバケ出るよ?」
「げ。 無理だ」   なんなのこの弱虫。


で、人気のあるホテルって、お部屋がこう、普通のホテルっぽいというか、あまりラブホラブホしてないところが多いんですよね。
なにしろ今って、ラブホとか言わずにファッションホテルとかレジャーホテルとか言うらしいじゃないですか。気取りやがってよう。
まあわかる気もしますけど。
ワタシも今までラブホに行きたくなかった理由のひとつとして、「セックスを目的として、いかにもなところで、もにょもにょいたす」というのが恥ずかしい、ということがありましたし。
ワタシ以外のみなさまも、こう、さりげなくなにげなく日常の中でもにょもにょしたいんでありましょう。知らんけど。

中にはほとんど「自分ち」みたいなのもありましてね。
わざわざ「彼の部屋」とか「彼女の部屋」みたいなカジュアルでナチュラルな雰囲気をつくっているらしいです。

「ワタシ、こーゆーのは今回パスね。せっかく行くんだしさー」
「あたしもこれじゃつまんないなー。・・・あ、ここすごそうじゃん。○○の部屋ってホテル」
「メルヘンぽいね! 見てみるか」

超メルヘンでした。
白とピンクとレースとフリルと天蓋の、お姫様仕様のお部屋ばかり、ずらーっと。
フリル酔いするかと思いました。

「すげーーー(笑)」とナナ。
「やはりこういうところでいたしたい女子もいるのだろうねえ」
「そりゃいるでしょうね」
「でもさー、ワタシが男だったら、ここでするの、いやあよ?」
「なんで?」
「なんか、我に返るとバカみたいじゃん。たぶん、勃たない」
「まあでも普通の男子は、ヤれればレースとフリルの中であろうと勃つと思うよ」
「それにさー、こんなフリフリの清純お姫様ーみたいなところで、行われることは生々しい体液交換なわけだ」
「・・・」
「あ、でもそれはそれでそそられるかも。ミスマッチ加減が逆にいいかもナ」
「・・・」

ナナ、この件に関してはだんだんどうでもよくなってきたようです。

そんなこんなで、いろいろ見てみたものの、なかなか「ここ!」というところが見つからなくてですね。
一カ所、クチコミ評価が高かったものの「ナナんちから近い」という理由でスルーしていた物件があったので、そこも見てみることにいたしましたら。

ここがよかった。

「ワタシここ気に入った!なんかワクワクする!」

決してエロエロしくてワクワクしたわけではないんですけども。
具体的にどんなところが気に入ったかを話したくてしょーがないんですが、それを書くと地元の人には「あ、あそこか」ってわかっちゃいそうなので書けなくてくやちい。
地元云々を抜きにしても、たぶん、ワタシがワクワクした要因やらナナが気に入った要因やらを検索ワードにぶちこめば、このホテルがきっちり出てきちゃうと思います。
と思って今やってみたら、いちばん上に挙がってきました。こりゃやっぱ詳しく書けない。ああ残念。
こんなにワクワクしてるのになワタシ!(ひとりでやってろと)


「あー、ここってあそこなのか。あたし、このホテルの前を通るたびに気になってたんだ。あたしもここがいいな」とナナ。

まずは外観が気に入って、ふたりして「ここがいいね」となって、お部屋やサービスをチェックすることにしたんですけど。
部屋が残念なことに、ワタシが期待しているようなエロエロラブラブした感じではなく、シックでオシャレな感じ。
ナナは「いいじゃん」と。
まあ確かに、ホントにこう、好きな人と始めてエッチしに行くならすごく良い雰囲気だと思うんですよ。
ちょっと良い感じのシティホテル、って感じですし。品良くオシャレだし。生々しくないし。
でもほらー。ワタシたち、たぶん、おそらく、てか絶対エッチしないし。
だからワタシとしては、人生における貴重な資料のひとつとして、「すっげえラブホっぽい!」と叫べるようなお部屋がいいんですがー。

しかし、ホント、その他の条件もここ、良くてですね。
エステとかもあるんですよ。そのほか、女子が喜びそうな、エロとは関係ないサービスがてんこ盛り。
てことで

「ここなら女ふたりで入っても、あんま不自然じゃないね」とワタシ。
「うん。女友だち同士とかでも普通に来そう」とナナ。

ということはまったくエロエロしくない、ということになってしまうわけですが、それだけに女ふたりでも入りやすそうで、ワタシたちには都合が良い、と。
とりあえず、ナナはすごく乗り気。

「部屋はどれがいい?」とワタシ。
「んー・・・正直どれも似たような感じだから、どこでもいいかなぁ」
「ならさ、ワタシはこの部屋がいい」
「なんでこれ?」
「この部屋だけ、ベッドが円形なんだ(・∀・)」

唯一、なんか、ラブホっぽい。回転してくれればもっと良いんですが、回っちゃーくれないみたいで残念。

「なに? 丸いベッドがいいの?(笑)」
「うん。丸いベッドで寝たことないから」

そう。ワタシは丸いベッドで寝たことがない。だから寝てみたい。
しかし。

その部屋を選んだ真の目的は、実はベッドの形ではなかったんです。

だって。

そのホテル、どーゆーわけか、ツインベッドの部屋が多いんですよ!
やっぱりプラスαのサービス目的で来る女×女客が多いのかしら。
ナナが言うには「誰かさんみたいに、エッチするときは一緒のベッドでも、寝るときは別のベッドでぐっすり寝たい、って人が多いんじゃないの?」てことでしたが。
誰かさんとはワタシのことなんですけどね。

まあ、そりゃわかるんだけれども。いつものワタシならば。
しかし

たとえ数時間とはいえ。
たとえエッチの可能性がゼロとはいえ。
せっかくラブホに、ナナと行くんだから。

形だけでも、こう、一緒のベッドに寝たいんですよおおぉぉぉぉぉぉぉぉ(魂の叫び)


ということを強く思いつつも、その強い思いはナナには悟られたくないワタシなんですよ。
もうね、このラブホ検索中もですね、
「別に相手があなたでなくても、誰が一緒でもいいんだけどね、ただ一回行ってみたいだけ」的発言を頻発している、まったくもってかわいげのないじょりぃなんですよ。
なまじそんな、「特にキミと行きたいわけじゃないもんね」的態度を取ってしまったがために、
おまけに本当は「一緒に寝たい一緒に寝たい一緒に寝たい」という欲望が、リピートしちゃうくらい強いだけに、
今さら「どうせ行くならツインじゃヤだ。DVD見るにしても一緒のベッドで見たい」って言えなくなってしまったんですな!ワタシはアホか!

なもんで、円形ベッド作戦。
このベッドはですね、お部屋にひとつしかなかったんです。ツインじゃなかったんです。
他にも、普通の四角いベッドがひとつ、って部屋もあったんですが、それだと「じょりぃ、あたしと一緒に寝たいってことか?」って勘ぐられちゃうかもで、ワタシあわあわしなきゃならないじゃないですか。
そこで円形ベッド。
丸いベッドで寝たいだけ。それだけ。一緒に寝たいわけじゃないもんね。せっかくだから、丸ってだけ。という主張。

「寝ちゃえば丸でも四角でも同じだと思うけどー?」とナナ。
「寝てみなきゃわかんないしさ。すごいワクワクしちゃうかもじゃん」
「まあじゃあいいよ、その部屋で。あ、マッサージチェアもあるし!うん、この部屋にしよう!」

ありがとう、マッサージチェア(*´∀`*)

・・・ナナ、ずっとマッサージチェアから降りてこなかったりして・・・。
そしたらいいや。ワタシひとりで、円形ベッドの上で相撲でもとってます。まさにひとり相撲。


さて、仕上げのお願いをしなければ。


「キスくらいはしてもいいんでしょ?」 とワタシ。


が言えるはずはなく。

「ここって、フロントを通らなければならないシステムだよね?」とワタシ。
「そうだね」
「フロントでのやりとり、あなたに担当してほしいんだけど」<ふがいない
「えーーー(´д`)」
「ワタシ無理」
「あたしだって、地元だよ? フロントのおばさんが知り合いとかだったらどうしてくれる」
「ワタシ、たぶん、緊張していつも以上に挙動不審な行動をとると思うよ。それでもいいの?」

自分の挙動不審さをタテにナナを強迫するのもいかがなものかとは思いますが。

「それはとても困る」とナナ。 

素直に困るほど、ワタシ挙動不審なのかよ。


結局、フロントをどうするかで、話し合いはフェードアウトいたしました。
フロントに知り合いがいなくても、来てるお客さんの中に知り合いがいたらどうしよう、とかな話になりましてね。
これ、ホントに行けるのかしら、ワタシたち。

意気地なしじょりぃは、いざナナとラブホに行くことが実現しそうになってきた途端、実は及び腰になっておりましてね。
ナナは一緒に行く姿勢を見せてくれたことだし、ラブホ検索のおしゃべりが楽しくて満足したこともあって、別にもう行かなくてもいいかな、って気持ちになってきてたりして。

行ったところで、DVD見て帰ってくるだけですしね( ´_ゝ`)ふ


でも、あそこ、楽しそうなんですよねー。
やっぱり行けたら行きたいかなぁ。
どうなのかなぁ。
ワタシに『木陰に隠れて立っているラガーマンのような性欲』があれば、余計なことを考えずに押し倒す勢いで行けるのになぁ。
性欲が薄い上に品行方正なじょりぃで、残念でたまりません、いやもうホント。








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