ナナとワタシ
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前回のナナワタに引き続き、久々のお出かけデエトのときの話です。
映画の後に食事に行きまして。 お腹の具合が戻っていなかったワタシは
「ええと、 パンとコーンスープ。 お願いします」
という、貧乏な人のような恥ずかしい注文ぶりだったんですけれども。 それでもこれだけの食事をするのは久しぶりです。緊張しました、食べるの。痛みがひどくなったらどうしようと。
ナナは普通に食べまして。 食べるときは、髪をシニヨンめいて軽くまとめて食べていたんですけど。 食べ終わる頃になって、髪をおろしたんですね、ナナ。 おろした髪を、こう、背中にもっていかないで、デコルテにむかって垂らしてましてね。 腕の付け根のラインくらいまでは髪があるくらいの、ちょっと長めの、今のナナの髪。
そしたらまあ、
こんなこと書いても、読んでくださってるかたはちぃっともおもしろくないでしょうけれども。
髪をおろしたナナのかわいいことったら。 一緒に勉強してたときはいつもひとっ縛りで気づかなかったけど、 キミ、今そんなにワタシ好みな髪型だったのかね。 そのナチュラルにゆるくカーブするクセっ毛、ワタシ大好きさ!
って思っちゃったら、ナナが話してる途中だってーのにワタシったら
「むふっ」
って笑っちゃいましてね。 だって、ナナ見て「か、かわいいーーーー(*´∀`*)」なんて思うの、ホントに久しぶりだったもんで(失礼千万なワタシ)、ホントにうれしかったんです。
当然ナナは「は?」みたいな顔をしまして。 話の途中で、何の脈絡もなく「むふっ」ですからね。 なので、話をさえぎってむふってしまった者の筋として、ナナの話が一段落したあと、お伝えいたしました。
「髪おろすと、すごいかわいいね。 (*´∀`*)ふへ」 とな。 気持ち悪く。
そしたらナナたん、
口元を軽くキュッと結んで視線をワタシから外し、
ワタシの言葉を不機嫌そうに無視しました。
まーた、そーゆーツンデレ風味なことすると、ワタシにさらにしつこくされちゃうんだってばよ。 なにしろ今日のワタシはとってもゴキゲンなんだってばよ。 だってだって・・・
ぽわわわわわわん--------(数時間さかのぼって回想シーン)--------
ナナを迎えに行って、ふたりして車に乗り込み、行き先をどうしようかと相談しているさなか。 ナナは話しながらも、プリント見ながら何か書き込んでおります。
あー・・・今日も勉強やら仕事やら持ってきたのか・・・。 今日もあんまり余裕ないのかな。 ワタシもしかして、無理につきあわせちゃってるのかな・・・。
なんて思いながら運転し始めまして。 車が進みだしても、相変わらずナナは何か書き込んでおります。
「酔わないでね?」とワタシ。 「だいじょぶ」とナナ。 「・・・仕事や勉強、大変なようなら、今日出かけるのやめて一緒にそっちやる?」 「ん? ああ、これはそういうんじゃないよ(笑) スケジュールの調整してるだけ。外回り実習始まるから、希望を書き出して申請しなきゃならないんで」 「そうなのか(・∀・)」 って、それも仕事だか勉強だかだけど。
しばらくしてナナが
「次女ちゃんの高校の文化祭があるんだけどさ」と。 「うん」 「次女ちゃんとこの出し物が、これこれこういう感じなの。おもしろそうじゃない?」 「おもしろそうだね」
間。
「行きたい?」とナナ。 「行きたい!」とワタシ。「あなたも行くんでしょ?」 「あたしはその日、模試があるの」
(°▽°)ワタシひとりで行ってこいという話なんですかこれ。
「え。 ワタシひとりで行くのー?」 「あはははははは」 「や、ひとりでも行くけどさー・・・小学校ならアレだけど、高校だと行きづらいなー」 「大丈夫。その模試は休んでも平気らしいという情報はつかんでいるから。サボるよ」 「平気なの?」 「うん。一緒に行こ?」 「うん(*´∀`*) 」
いつも思うんですが。 ナナの誘い方って、こっちの様子見てからって感じで、ちょっとズルイ。
「で、文化祭っていつ?」とワタシ。 「10月●日」
今月とかの話かと思ってたよ!
「こりゃまたずいぶん先の話だな!」 「(笑) だって、今、スケジュール帳がちょうど10月だったんだもん」 「なんだそりゃ(笑)」
なんつって、今からそんな先の話するなよーばーか、めいた空気を醸し出したじょりぃだったんですが。
実際は。
そんな先の予定にワタシを組み込んでくれたことが、もう、うれしくてうれしくてですね!(たまたまスケジュール帳が10月を開いてただけですけど) ワタシ最近、「ワタシがお役に立てるような用事がなければ、ナナは別にワタシに会わなくても平気なんだろな(´・ω・`)」なんて気分になっていたもんですからね。 ワタシが役立たずであろう状況において、しかも何ヶ月も先のイベントに、ナナがワタシを誘ってくれたことがうれしかったんです。
さらに。
「二学期になると、今よりいくらか余裕できるんだ」とナナ。 「そうか。よかったね」 「うん。プライベートな時間も少し持てるようになると思うんだよね」 「そうか」 「だから 出かけようね。もっと」
それって、ワタシと一緒にってことだよね!?
「うん(*´∀`*)」 「泊まりもできるかも。絶対とはまだ言えないんだけど、でもできるようなら、ちょっと遠出してさ、どっか行こ?」 「うん(*´∀`*)」
今まで「遊ぼー」という一言すらはばかって、ぢいいいいっとガマンだった日々は無駄じゃなかった・・・のかもしれない。 たとえ実際にお泊まりできなくてもいいんです。 そんな風に思って、誘ってくれるなんて、ホント、ここ数年のことを思うと夢みたいです。 しかも、ナナに対して下心とか欲望の桃色ホルモンとか放出しているワタシを誘ってくれるなんて、 こりゃ今度のお泊まりは手を出さないと申し訳ないかもしれません。 なんてことはホントはまったく思ってません。
んわわわわわわぽ--------(回想シーン終了)--------
食事も終わって、あれこれとおしゃべりしてましたら、もうナナが帰らねばらなない時間に。
「あ、ここはあたしが払うから」とナナ。「映画代出してもらったから」と。
「映画はさ、ワタシが観たいやつにつきあってもらったからいいのだ。ここも払う」とワタシ。えーかっこしー。 「なんでそんなにじょりぃが(笑) 映画代もちゃんと払うよ。で、ここは払わせて。勉強手伝ってもらってるお礼もしたいし」 「や、そのお礼はさ、もう頼んであるじゃん」 「なんだっけ?」 「プリクラ(・∀・*) 一緒に撮ってね、って、頼んだ」
なにしろ、ナナとワタシ、ふたりで写ってる写真というものがですね、 再会後、ただの一枚もないんですよ! 再会してもう10年くらいなのに、これってすごくないですか。 ふたり一緒に写ってるのって、中学のときの写真だけです。 でもそれって、邪魔なその他大勢もいますしね。もう他の子全部塗りつぶしたい気分。
携帯でカジュアルに撮るとかいう手もありますが、ふたりともダメですそれ。 恥ずかしくて、とりあえずワタシはゾンビがふざけたような表情になるのは必至ですし、それになにより、ナナは絶対「わざわざ」なんて一緒に撮ってくれません。 ならばいっそ、もっと恥ずかしいプリクラで。 しかもほら、今のプリクラって美しく撮れるじゃないですか。実物より、全然。 せっかくのツーショットです。 しかも、最初で最後かもしれないツーショットなら、美しく残したいではないですか!
てわけで、課題を手伝っているときに、ナナが「お礼したい」ともなんとも言っていないうちに、 「こんだけやってるんだから、お礼しろ」と催促し、「お礼はプリクラツーショットで」と、顔真っ赤にしてお頼み申しておいたのです。 で、そのときは「やだよ」「絶対撮らない」とか言ってたナナだったんですけど、 「ならもう手伝わない」という、卑怯この上ない強迫をしましたら、「じゃあ、気が乗ったらね・・・」と、一生気が乗らなそうな顔でイヤイヤ承諾(?)していたのでした。
「プリクラかぁ(笑)」とナナ。 「そうだ。プリクラだ」 「それは撮るよ。撮るつもりでいたよ? だからそれはそれでさ、ここは払う」
え!
「え! 撮るつもりでいてくれたの?」 「うん。まあ(笑) だってしょうがないじゃん」
言ってみるもんですね。
「やった! てか、なんか恥ずかしいんだけど!」 「撮るのやめてもいいけど?」 「やめない(・_・)」 「今日、シネコン行ったとき撮ってきちゃえばよかったね。あのとき思い出してればなー」 「うわ。ホントに撮る気あるんだ」
ワタシは撮りたいのか撮りたくないのか。
「今から撮りに行く? このへんだとどこにあるかなぁ」とナナ。 「何その積極性」 ワタシは撮りたいのか撮りたくないのか。 「(笑)だって撮るまでうるさいんでしょ」 「あなた今日もう時間ないけど平気なの?」 「あ、ダメだ」 「後で絶対撮ってよ」 「わかったよ」 「じゃあここは割り勘にしよう(*´∀`*)にこにこにこ」
で、店を出て、ナナを家まで送り、じゃあねーと別れてきたんですが。 車から降りながら、ナナ、 「また遊ぼうね」と。にっこりと。
ワタシ、この日のデエト、本当に何年ぶりかで「ああ、楽しいな。しあわせだな」って、ナナと一緒にいて心から感じまして。 ナナはきれいにオシャレしてて、よく話して、よく笑って。 って、普通は友としてもあたりまえの時間の過ごし方なんでしょうけど、そのあたりまえが、長いことできずにいたワタシたちだったんです。 振り返ってみると、長かったですよ。 久しぶりですよ。 こんなに楽しそうなナナと過ごしたの、どれくらいぶり? 気持ちに余裕のあるナナと過ごしたの、何年前だろう? ワタシが喜んでる顔見て笑ってくれるナナを見てまたワタシが喜ぶなんてことが、かつてあったことすら忘れてました。 今はナナ、忙しいし余裕ないからしかたないんだ、と自分に言い聞かせながらも、何度も「もう前みたいには戻れないのかな・・・」なんてことも思ったりした愚かなワタシだったんですが。
余裕があれば、楽しく過ごせるんだ。 余裕があれば、ナナはやさしい。 余裕があれば、ナナはオシャレさん。 そして、時間さえあれば、ナナはワタシと会いたがってくれる。遊びたがってくれる。 ということがこのたびのデエトでわかって、ワタシはとっても安心して、うれしかったのでした。 ナナと別れてひとりになってからも、心がずっとぽっかぽかで、しあわせでありました。
まあ、また次のナナワタあたりで 「ワタシのことパソコンのオペレーターくらいにしか思ってないし!ヽ(`Д´)ノ」なんつってプリプリしている自分の姿も、まぶたの裏に浮かびますが ァ'`,、('∀`) プリプリと言えば、そうだ、プリクラ、いつ撮れるのかなー。うふふ。ふへへへ。
最初で最後のチャンスかもしれないんですし、 となると生涯でただ一枚のツーショット写真になるかもしれないわけです。 だから
ナナがもう少し痩せてから撮ることにしよう(´∀`) <愛されない理由
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