ナナとワタシ
ナナとワタシ
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2011年06月08日(水) 自意識過剰の嵐

久ーーーーーーーーーーーーしぶりのナナとのお出かけデエトの本日。
前回のナナワタやマシマロでもくどくどと申し上げましたように、ワタシのお腹はピーピーピーのどんひゃららでございましてね。
しかし。
デエトの日の朝、「よし、これなら出かけられそうだ」とお腹の具合を確認し、気持ちと肛門を引き締めるじょりぃ。
いってきまーーーーす。


ナナの家に着きまして。
おう。 庭が、なんという雑草のカオス。
しかしここまでのびのびと伸びていると、かえって趣があるような。
玄関まで続くアプローチが、まるで森へと続く小径のようです。
リスとかが「いらっしゃい」なんつって出迎えてくれそうです。どんぐり囓りながら。
どんぐり囓ってるリスをそのまま丸飲みするヘビすら出てきそうです。
奥の方に行けば、おつかいの途中の赤ずきんちゃんにも会えそうな、そんな佇まいのナナんちの庭。
ええ、かなり良い風に表現してますが。

赤ずきんに会えないまま玄関に到着し、ピンポン押しまして。
いつもならインターホン越しに「はい」と不機嫌そうな低い声が聞こえてくるところですが、
今日は玄関の扉のすぐそばから「はーい」と、いつもよりちょっとだけ機嫌の良さそうな不機嫌そうな声が。
そしてめずらしく、すぐドアが開きました。

「おはよ」とワタシ。
「どうも。おはよ」とナナ。

おおう!


オシャレしてる!
お化粧してる!
かわいいじゃんか!


前回のナナワタをご覧になってくださったかたならば、ワタシのこの喜びがいかほどのものかご理解いただけることでございましょう。
(てか、ナナったら、ホントにナナワタ読んでたりして!ぎゃあああ)


にこにこにこにこにこにこ(*´∀`*)

このうれしさをナナに伝えたい。
だって今日ももしかしたらテキトウなカッコのナナだったりしてとか思ってたもんですから。
でもちゃんと、気合いの入ったオシャレしてるーー。
このうれしさを、よろこびを、おめぇかわいいじゃん!て気持ちを、ナナに伝えたいーーー。
なんか言うぞ!


「庭、すごいねこれ。草ぼーぼーぶり」 <なんか言った


なんでワタシ、思ってることと違うことをいつも言ってしまうんだろう・・・。


「すごいでしょ。もう人の住む家じゃないって感じだよね(笑)」とナナ。
「いや、ここまでくるとかえって趣があるよ。ちょっと物語の世界に迷い込んだようだった」
「ヤギを飼おうかなと思って」 <真顔で唐突に

ヤギ?(°▽°)

「ヤギ」
「うん。 羊よりいいでしょ、ヤギのほうが」

ああ。 このとんちんかんな感じもなんだか懐かしいよ!
キミ最近、全然こういう感性を発揮してなかったもんね!
仕事も勉強もない日っていいね!

「草を食べてほしいってことだね?」
「うん」
「ヤギのほうが、乳もしぼれるしいいよね」
「そうそう」
「臭いチーズも作れる」
「うん」
「牛じゃダメ?」
「ヤギがいい」

ワタシはヤギになりたい。
ヤギになれば、乳も出せるしチーズも作れて、ナナにも飼ってもらえます。めええぇぇ。


さて、ワタシの車に乗り込みまして。
この期に及んで行き先を決めていないふたり。
ナナは「景色のいい、山みたいなとこ行きたい」と言っていたので、でも言ったまま自分では考えるヒマがなさそうだったので、ワタシが一生懸命考えていたのですが、
なにぶんほら、ワタシったら下痢腹でございましょ? トイレの心配とかもあるざましょ?
なので具合の良いご提案ができないまま、今に至る。

「どうしようこれから」とワタシ。
「あたし風邪ひいててさー。鼻と喉だけなんだけど、治らないんだよ」
「えーーー。大丈夫?」
「大丈夫。だけど、だから無理して遠出しなくていいよ。末子の三者面談で4時に戻ってこなきゃだし」
「そういえば、ワタシの下痢って、あなたにうつる類のものだったらいけないと思っているんだけど」
「ああ、大丈夫。ロタっぽいんでしょ? いいよ気にしなくて」
「いいの?」
「あたしの風邪がじょりぃにうつるかも」
「いいよ気にしなくて」

病人同士で安心しました。

「じょりぃ、映画行きたいって言ってたよね?最初。 映画にしない?」とナナ。
「映画もいいよね。 ええと、今やってるのっていうと・・・」 iPhoneを取り出すワタシ。
「ブラック・スワン観たいとか言ってなかった?」
「言ってたけど、それでいいの?」
「どんな話?」
「バレエの話で、なんか重たいらしい」
「いいね、重たいの。 それにしよう」

疲れているのに重たいのが観たいのか・・・変わってるな。
でもそういえば、この人暗いのとか重いのとかな映画が好きなんでした。
ワタシは笑えるのとか軽いのとかな映画が好きなんですけどね。

で、映画に決まったんですけども。
「バレエの話で、なんか重たいらしい」というテキトウな説明でも察していただけるかもしれませんが、
ワタシ、この映画の予備知識って、これが精一杯って程度だったんですよ。
あとは、主演のナタリー・ポートマンがオスカー獲ったということだけ。
ただワタシ、バレエの『白鳥の湖』が、もう、ホントに大好きなもんですからね。それだけでも観たかったんです。
ナナとブラック・スワン観られるなんてうれしいな! どんなお話なのかな!って感じで、ウキウキしながら映画館の席に着いたんですよ。
今日はナナたんも機嫌が良く。
そして何度も言いますが、今日のナナは久しぶりにオシャレでかわいい。とワタシだけが思うのかもしれませんが、ワタシが思っていれば世界が微笑みます。


ちなみに、ワタシの想像していたブラック・スワンのおおまかなストーリーは、主演の座をめぐってなにやら事件が起こるサスペンスものか、
ポスターの具合からしてプチ☆サイコホラーめいた感じかなって予想していたんです。
何が言いたいかといいますと。

これからご覧になるかたのために、ネタバレに抵触しないように話すつもりですが。
気になるかたはグレー文字の部分を読み飛ばしてくださいませ。


ええと。
こんなに性病者が多い 間違えた  性描写が多いとは、まったく知らなかったんです。



ワタシ的になにしろ「き、気まずいーーーー!( ´;゜;ё;゜;) 」と焦りまくってしまったのが、


女性同士の、割と濃厚なセックスシーンがあったことでござる。


ええええええ!?とか思って!
や、知ってれば別に焦らなかったんですが。
てか、知ってればたぶん、ナナと観に来なかったです。
問題は、ワタシが「ブラック・スワン観たい!」と熱望(ってほどでもないけど)していたことを、ナナが知っていたことでございますよ。
どういうことかといいますと、そのシーンそれ自体の描きかたとかエロさよりも


「じょりぃ、これをあたしに見せたかったから誘ったのだろうか」


とナナに思われたらどうしよう! という、そういう感じのどうしよう!

さらに言えば


「じょりぃ、あたしとこういうことしたいんだろうか」


とナナに思われたらどうしよう! という、そういう感じのどうしよう!

さらに言えば


「じょりぃって、こういうことしてるのか・・・」


とか、ワタシとオーバーラップされちゃったらなんか恥ずかしい!という、そういう感じのどうしよう!

さらに言えば


「じょりぃ、今これ見て、やっべーーとか焦ってるんじゃないのかな・・・」


とナナに本心見透かされてたらどうしよう! という、そういう感じのどうしよう!



いずれも、「それ、自意識過剰」のひとことで済んでしまうようなことですが(特に4つめ)、そのシーン(けっこう長かった)を観てるときは

「それ、自意識過剰だからァ'`,、('∀`)」

なんて自分に思える余裕はまったくなく。
ただひたすら居心地が悪い。もぞもぞ。もぞもぞ。

「どうしようー。映画選択ミスだったろうか(´д`;)」と悶々としてしまったんですが、悶々の理由はほかにもありまして。

1. ナナは政治的・社会的な映画が好き。事件性のあるサスペンスも好き。
  だけど、この手の映画はどうなのかしら。

2. ワタシはバレエの知識はちょっとだけあるし、白鳥の湖にいたっては大好きだからおもしろいけど、
  バレエに今までまったく興味のなかったナナたんにはつまらないのではないかしら。

3. ナナの好きそうな「くたびれた色男」が出てこない・・・。(女ばっか出てきてワタシは楽しかったけど)

ということで、途中から「ナナ、なんかごめーん・・・(´・ω・`)」なんて気持ちになってきちゃったじょりぃ。
映画なんて、ナナ、ホントに久しぶりなんですから、ナナの好きそうなチョイスにすればよかったな・・・(´-ω-`)

まーたね。
この映画館がまだ新しくてですね。ナナと一緒に来たのは初めてのシネコンだったんですが。
音響がすんばらしかったんですよ!
問題のシーンの、ぴちゃぴちゃとかぺろぺろとかね、そういう音が、これでもかっつーくらいぴちゃぺろとリアルに聞こえてきて、これがまた参った。
じょりぃの繊細な心はレレレのレ、って感じでございまする。
やだやだ恥ずかしいーーー。 ってワタシは処女か。
ぅお、落ち着こう! と思って、ぴちゃぺろの途中でポカリスエット飲んでみましたら、ものすごく大きな音で「ごっくん!」とか飲み込み音がしちゃって、
「これじゃワタシが固唾を呑んでこのシーンをこそ楽しんでいるようではないか!」とかですね、
もうホント、ワタシのまわりだけ自意識過剰の嵐到来。


で、映画が終わりまして。
ナナ、つまらなかったろうな・・・と思いながら、最後の文字がずらずら流れてくるところまで観まして。
席を立ちまして。

カッコ悪さに定評のあるワタシは、席を立ちながら言い訳するように言いました。

「ワタシ、この映画の予備知識、全然なくてさー。サスペンスとかかなーと思ってたんだけど」 ほらカッコ悪い。
「そうなんだー。 でもおもしろかったね」
「うn・・・え?(・_・)  ああ、おもしろかったよね!」
「バレエってよく知らないけど、でもおもしろかったー。
 やっぱこりゃオスカー獲るよなナタリー、って納得したし(・∀・)」
「ああ、うんうん。そうだよね!バレエがんばってたよね。演技もすごかった」
「うん。それにあたし、ヴァンサン・カッセル(数少ない出演男優)好きなんだー。
 久しぶりの映画がアタリでよかった☆」


よ  よ   よ


よかったーーーーー・゜・(ノД`)・゜・。




それにしても、自ら巻き起こした自意識過剰の嵐のせいで、映画をパーフェクトに楽しみ損ねましたですよ。
ワタシのバカバカバカ。








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