ナナとワタシ
ナナとワタシ
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2010年05月06日(木) さよなら黒毛玉

GW、みなさまいかがお過ごしだったでしょうか。
ワタシはお仕事してました。ちまちまちまちまと。

しかし、仕事だけしていたわけでもなくですね。
きょんがGW、ほぼカレンダー通り休めたため、いつもよりもきょんの気持ちがゆったりとしてましてね。
実家のお母様をドライブやお食事に連れていったりした隙間を縫って、ワタシと一緒に過ごす時間も、ここ数ヶ月の中では割とあったように思います。
一緒に過ごして何していたかというと、このGW中はまずほとんどがセックス。
なんてはずは当然なくて、まずほとんどが、ふたりの大大大好きなアメリカのコメディドラマ『ビッグバン★セオリー』を見まくることに費やされておりました。

そしてこの記事で問題になるところの本日の昼下がり、ワタシたちがしていたのはやっぱりセックス。しかも濃厚なの。
と、繰り返しのギャグでおまけに幾分汗くささをパワーアップして押してみましたが、ホントは何をしていたかといいますと、ワタシのお下がりのiPodの中身をきょんのパソコンに移して、「この曲いるー?」「いらない」「じゃ、これは?」なんつー具合に、すんげー数の曲をふたりでかき分けより分け、ってしてました。
よーするにふたりしてちまちまと過ごしておりました。
仲が良さそうですね( ^ ∀ ^ )☆
とりあえず曲も全部おさがりでもらっとけばいーじゃんかめんどくせえ、と、ワタシなんかは思うんですが。
イヤなら聞かなきゃいいだけのことですし。まだiPodの容量たっぷりあるんですし。
そこがきょんとワタシの違いでしてね。
きょんは不要なものを持つことを嫌うのであります。そのくせ生活用品の特売なんかがあったりすると、買いだめせずにはいられないんですが。ってそうか、生活用品は不要じゃないもんねと今気づきました。

でまあ、そんな風に、iTunes使って前戯してましたら、事務所の電話が鳴りましてね。

だーーーれーーーーだーーーーよーーーーー(`Д´*)

今世間は金色めいた連休だっつーの。しかも最終日だっつーの。
電話かけてくんじゃねっつーの。

と思いながら不機嫌そうに「はい、○○○です」と電話に出ましたら

「ナナです」


(*´∀`*)な〜ん〜だ〜よ〜〜〜〜〜。

なーーにイエデンなんかにかけてきてんだよ水くさいなあ。
携帯にダイレクトに電話くれよーう。

と思いましたが、携帯をau→ソフトバンクにしてから家に電波がないので、「急ぎのときはイエデンにかけろ」と命令していたのはワタシだったという、自分でしかけたトラップですよ。


「あ、どうも。やあやあやあ」
「プーちゃんが死んじゃった」


今何か、突然、不吉な言葉が飛び込んできたような。
聞き間違いかしら。
ということでもう一度お願いします。

「へ?」
「プーちゃんが死んじゃったんだよ」

電話の向こうでは、えぐえぐと泣いてるナナ。
なのでワタシは、さっきまでパソコンの前で仲良くしていた相手に「音うるさい、音量下げろ」と、顔をしかめてえらそうな態度でノンバーバルに指示を出し、
「死んだって・・・なんで?」と。


なんか、パパが外に出たときに、てててーーっと一緒にプーちゃんも出てしまい、道行く車に轢かれちゃったらしいんです。


・・・あの犬、落ち着きなかったし元気すぎたし、その姿が目に浮かぶようでそれがまた切なかったりしたんですが。
あ、プーちゃんというのは、ナナんちで数年前から飼っている黒いトイプードルのことです。と念のため。

「それは・・・かわいそうだったね・・・」

という言葉でいいのだろうか。
ワタシこういうの、すごく苦手。

「うん。  かわいそうなことしちゃった・・・ホントに・・・」  また泣くナナ。
「や、あの、かわいそうなのは、プーちゃんもだけど、あなたもってことだから・・・」

苦手だ。

しかし苦手とかいってワタシの都合考えてる場合ではないですからね。
ナナは電話の向こうで泣いてますし。
ナナのプーちゃんのかわいがりっぷりったら、ワタシ、自分がプーちゃんに生まれなかったことを悔やんだくらいのソレですし。
プーちゃんが来た頃と、ワタシがナナの家へあまり行かなくなった頃が重なっているので、ワタシのプーちゃんに対する思い入れってのはそれほどないんですが。(それなりにかわいかったですが)
しかし、ワタシからすれば、プーちゃんかわいそうよりも、ナナかわいそうの方が勝ってしまい、そしてそれがナナに察知されたらなんだか怒られるような気がしてちょっとビビっちゃったりして。

そのあとナナは、こんな風に死んじゃって…とか、ペット用の葬儀の手配をこれからすぐしようと思うんだけどとか、あたしがもっと気をつけてればとか、あんなにかわいかったのにとか、とりとめなく、しかし途切れ途切れにひとりで話していたんですが。

ワタシ、すごいなーと感心したんですけどね?(こんなことのんきに感心している場合ではないんですけども)

ナナ、話をしているときは、声がしっかりしてるんです。
この調子なら大丈夫かな?と思うくらい、気丈な声で話しているんですよ。
が、たまに黙るんですよ。ていうか、話して=黙って=話して=黙って ってインターバルでやってるわけなんですが。
話してるときは気丈に話し、黙ってるときは、ものすごい勢いでしゃくり上げて嗚咽してるのが聞こえるんですよ。

何その切り替えっぷり。

と、感心しました。(こんなことのんきに感心している場合ではないんですけども:リピート)
あれ、超能力と言ってもいいと思います。 嗚咽、すごかったもの。
ワタシだったら「ぷっ ぷっ ぷっ ぷーちゃっ えぐっ えぐっ えぐっ かっ  かっかっかっか  えぐっ  かわいそっ  えぐっ」ってなるような、そんな嗚咽。
なのに話すと普通。という超能力。

こう書くと、ナナが喋りっぱなしのような印象ですが、沈黙のほうが多かったんです実は。
電話の礼儀として、あちらが沈黙のときはワタシが何か気の利いたことを話すべきなのかしら、とか思って一生懸命考えるんですけど。
こんなに悲しんでいる人に何言ったらいいのか、さっぱりわかりません。
なので、沈黙のときはワタシも沈黙。
ナナが喋ってるときもほとんど沈黙。あとは「うん。うん」。

そんな具合に、一生懸命沈黙したりうんうん言ってましたら、

「どうしよう。なんか落ち着かないんだ。気持ちがそわそわしちゃって。落ち着かないんだよ」 とナナ。


こーれーはーーーー。

まずい。

なんか、懐かしい感じのまずさだーー。


「大丈夫?」 とワタシ。月並みな質問。
「大丈夫じゃないよ。大丈夫なわけないじゃん」
「そりゃそうだけど」
「でもいい。 またあとで電話する」
「うん。また電話して」

待ってるよ、と言おうとして、いけないいけない、それを言って、ワタシいつもナナにプレッシャー与えちゃってるかもなんだっけと思い、ごっくん、飲み込みまして。

「ありがとう、聞いてくれて。 そして、こんな暗い電話してゴメン」 とナナ。
「いや、  あの   大丈夫?」
「だから大丈夫じゃないってば(笑泣)」
「そうだった」
「とにかくいったん切る。 子どもたちにも家に帰って来いって言ってあるし。次女ちゃん帰ってきたし」
「うん。じゃあ、また」

電話を切りまして。
きょんに事情を話しましたら「あらあら、かわいそうだったね・・・プーちゃんも、ナナも」と。
「すげー泣いてた」
「かわいがってたっぽいもんね。しかも轢死か・・・ショック大きいだろうな・・・」
「うむ」


そして、iTunesの作業も終わりまして。
お仕事をしながら

あーーーーーーーー・・・・

って思うですよ。


なんか、今ってもしかして、ワタシ、ナナんとこに行った方がいいんじゃないだろうかーーー。 みたいなことを。


って、ほらまたじょりぃったら。自惚れ屋さんめ☆
それ、ナナはぜんっぜん必要としてないから!
ナナは家族と一緒にいたがってますし。
他人のワタシが出る幕ではないわけですよ。どうどう、落ち着け自分。

・・・でも、プーちゃんにお線香あげに行きたいな・・・。
電話来たってことは、今日ならナナも休みってことなのかな。だとしたら今日なら行ってもいいっていうか、今日でないと行けないのかな・・・。

しかしまあ、それもおこがましかろう。
このGW中だって、お互い連絡取り合うこともないようなカンケーだし。
お線香あげるって、なんか、ずかずかした感じっぽいかもだし。

(´-ω-`) しょぼーーーーーーん  <結局、家で蚊取り線香をあげてみた人


夜になったら電話してみよう。
たぶんナナからはかかってこない気がするし。
それに、こういう悲しい気分のときって、たとえ話す気分でないとしても、電話とか声とかかけてもらえるとうれしいものかもしれないし。
実はワタシにはよくわからないんだけどそういうの。

・・・でも、電話よりもメールのほうがいいのかな。
どうしようかな。


とまあ、いつもの調子で悩みまくって(いまだにこんなことでこんなに悩めるワタシのこれも一種の超能力かも)、結局10時半頃に電話してみました。


電話、出ませんでした orz


ちょっぴりすんすんした気持ちで、11時から始まる『デスパレートな妻たち』の録画の準備をしていたら電話が鳴りました。

ナナからです。

「もしもし?」 とワタシ。
「もしもし? 電話くれた?」
「あ、うん」
「なに?」
「なに っていうか   大丈夫かな、と  思って」
「だから大丈夫じゃないって言ってんだろっ(怒泣笑)」
「あーーーーそうだったけどーーーーー」
「大丈夫じゃないよっ」
「うん」
「すげーー落ち込んでるよ。自分責めまくり中」
「自分責めたってしょうがないじゃないか」
「だって、長女があたしとパパを責めるんだもん」  あ、泣いた。

なんて具合に少し話していたら

「あ、ごめん。 ちょっとさ、  またかけ直していい? 20分後くらいに」とナナ。
「ワタシがかけるよ」
「ありがとう」


いったん電話を切りまして。
ワタシはデス妻見ながら時間が経つのを待ちまして。
きっちり20分後になったのを病的に確認したあと、きっちり20分後だと病的な感じなので、そのあと病的にきっちり2分待って電話をしました。
うん、この「2分過ぎ」って感じ、さりげなくて、すごく病気っぽくない( ^ ∀ ^ )


「もしもし?」 <ワタシ
「あ、  ごめん。 話せなくなった。ちょっとばたばたしてきちゃった」

夜中の11時半に家族でどんなばたばたがあるというのかワタシにはよくわかりませんが、とにかく話せなくなったそうです。
さりげなさを装う2分をムダに待たなければ、ばたばたしてくる前にナナを先取りできたていたのかもしれません。なんてはずはありません。

「そうか」
「ごめん。 あとでメールする」
「わかった」
「今日、まだ仕事するの?」
「もう少ししようかなと思ってた」
「じゃ、仕事して?」
「うん」
「ホントごめんね?」
「気にしないで」
「今日はどうもありがとう」
「うん、おやすみ」
「おやすみ」


  orz


って、自分の気持ちの都合で落ち込む前に。


大丈夫なのかなぁ?  <だから大丈夫じゃないと何回言えばわかるのかこのじょりぃは
なんかさー、
キミ、今夜、ワタシと話したほうがいいんじゃないのかなー?
と考えるそばから「それって中学時代から脈々と続いている自惚れた思いこみでっせー」という客観的なじょりぃの声も聞こえるわけですよ。
まあ、どっちにしても、もうワタシにはどうすることもできないんですが。
とりあえずプーちゃんの冥福を祈るくらいですか。
プーちゃんよ、安らかに眠れ。


ホントはそれほど仕事もなかったので1時半頃にベッドに入りまして。
眠れないなぁ、なんて思いながら、あっという間にうとうとしてましたら

メール着信。 (2階ならば電波が入るソフトバンクの不思議)

ね・・・眠い・・・誰・・・?


いまからでも大丈夫?


ナナからでした。
大丈夫大丈夫。あなたと違って、ワタシはいつだってなんだって大丈夫!
てことで、飛び起きて、電話。


ナナの話をしばらく聞きまして。
プーちゃんが死んですぐに電話をよこしたときよりもずっと落ち着いてますが、それはどうも、「まだ実感がない」せいみたいで。

「あたしが帰ってくるのを窓から見ててさ、玄関入ればあの勢いで出迎えてくれてさ、あたしが座ってれば膝に飛び乗ってきてさ、後ついてまわってさ。
 今日の今日だと、そういうプーちゃんがもういないってのが、なんかピンと来なくて。だから今はちょっと落ち着いたけど。
 明日からとかさー、いないんだなーっていうの、いちいち思いそうで、なんかつらそうだ」 と。


「じょりぃはさー、まだ身近な人を亡くしたことないからピンとこないかもしれないけど、
 お線香あげてもらうのって、うれしいんだよ」

と、なんか、急に、ナナ。

「そうなんだー」とワタシ。
「パパやママが亡くなったときもさー、お線香あげに来てくれる人がいるとありがたくてうれしくてさー。
 お葬式のときも、こんなに人が来てくれるんだーって思ったりして」
「うん」
「今日、プーちゃんも荼毘に付して、みんなでお線香あげたんだけどさ、
 ・・・ホントはじょりぃにも来てほしかったんだ」


え?


「え? ワタシがお線香あげに行ってもよかったって話? 今の」
「うん。 実は来てほしかったんだ。忙しいだろうと思って言わなかったけど」
「ワタシ、お線香あげに行きたいなって思ってたんだよ、今日。 なんだーー、言えばよかったーー(´_`)」

お線香の代わりに蚊取り線香に火をつけた話は伏せておきました。

「マジ? なんだーーーーー。来てよーーーーー。もーーーーーーー」
「行きたかったよーーーーー。もーーーーーーー」
「言えよそういうことはー。口に出せよーーー。こっちからは言いづらいじゃんかーー」
「ワタシからだって言いづらいよーー。家族でもないのにさーーって思うじゃんかーーー」 しばらく音信不通だったんだしーーー。

なんだなんだー。 お線香あげたいなって、素直に言えばよかった・・・・(´・ω・`)


「ホントのこと言うとさー、 今日、お線香抜きにしても、じょりぃに来てほしかったんだ」 とナナ。
「え!!!!????」
「落ち着かなくてさ、すごく。 ママが亡くなったときみたいになっちゃって、あたし。不安になっちゃって。
 じょりぃにすごく会いたくなっちゃったんだけど。今日の今日だし無理かなとか思って言わなかった」
「ワタシ、行きたかったんだよ! それに今日、行けたのに!」
「マジーー?・・・ってだからーーー、言えよそういうことはーー」
「や・・・だって・・・ずうずうしいかなとかさ、思うじゃんか」
「とりあえず言ってよ! 言わなきゃわからないんだからーーー」
「すみません (・_・)」 

そっちから言ってくれればよかっt   なんでもないです。


「じゃあ、来てよ。 プーちゃんにお線香あげに」
「うん。 いつなら行っていいの?」
「明日」



なんか肝心なことを書くの忘れている気がするんですが。
明日が来て今日になっちゃって、これからナナんちに出かけねばならないので、ちゃんと思い出してるヒマがありません。
この文章も、あとで読み返すとめちゃくちゃなんだろうなー。
ということで、今日これから、お線香をあげに行ってまいります。





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