ナナとワタシ
ナナとワタシ
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2008年09月26日(金) 物騒な話の続き

前回の続きです。



「だってパパは、『ダメダメで、オレがついてないとなんにもできないナナちゃん』が好きなんだもん」とナナ。



・・・ここですよ。 この人のイライラの肝は。たぶん。

ナナ、よくワタシにもこれ言った。
「じょりぃはあたしがじょりぃを頼りにしないとイヤなんでしょ?」とか
「ダメなあたしじゃなきゃイヤなんでしょ?」とか

よく勝手に怒った!

そりゃ、頼りにされればうれしいですしされたいと思いますし。
それに、ナナの「ダメ」なところがとってもかわいかったりするのも事実です。
でも「ダメ」ってなんだ? 頼りなくて甘ったれってことかな? 弱っちくてすぐべそべそしちゃうところ?
でも、いわゆる「ワタシがいなきゃダメなナナ」じゃなきゃイヤだ、なんて思ったりはしないわけですよ。
正直に言えば、ナナがワタシのこと、どんな風に思っているのかよくわからなかった頃は、ナナに対する自分の居場所を確保したくてそう思ってほしいなって躍起になってしまうこともたまにありましたが。
が、もしナナが「じょりぃがいなきゃダメ」がメインな人だったら、ワタシには負担ですし、たぶんあまり魅力を感じないことでしょう。


そんなわけで、ワタシもワタシでそれ言われるとむっとしたもんで、「それはパパでしょ」とか言ってしまったりしたんですが。
そして、実際そうなんですよ。
パパは「オレがいなきゃダメなナナ」が好きなんです。

(このへん、興味を持ってくださるかたは、このナナワタがちょうどそんなことが凝縮された日になっているようです)<ちまちま


ここでワタシは考えるのです。
昔はそれでうまくいっていたはず。
だって、ナナはたぶん、なんだかんだ言って子どもの頃から「ダメダメなあたし」をわざわざ演じてきたんですもの。
おそらく無意識のうちに。

両親に問題アリな三人姉妹の末っ子という立場において、たぶん「甘ったれでダメなナナちゃん」でいることは、ナナの安全な居場所を確保する上で必要なことだったのではないかと思います。(推測ですが)
ワタシから見ると、ナナはなんでも自分でできちゃう人ですが、ナナの姉ちゃんたちはいまだに「ダメで甘えっ子な末っ子ナナ」という認識ですし(自分でもその立場に甘んじているし)
両親も、姉ふたりとナナに対する接し方は違っていたようですし。(単に末っ子の特権かもしれませんが)

中学のときも、ことさらダメ子になってましたし。
とはいえ、当時ワタシがナナのことをいちいち心配していたのは、ナナがダメ子だからということもありましたが、そういう目に見えるところが一番ではなく、たぶん、なんとなくさびしそうに感じていたからだと思います。
どんなに馬鹿笑いして毎日過ごしていても、なぜか中学のときにワタシがイメージしたナナというのは

「雨の日に、傘も持たずに行き場がなくて濡れちゃってるナナ」

というものだったんです。
当時これが自分でもフシギで、でも雨が降った日なんかは、もしかしてナナがワタシんちの前に濡れながらしょんぼり立ってるんじゃないか、なんてバカなこと思って、たまに庭先を見たりしたのも一度や二度や三度や四度ではなかったのです。(すごい妄想独走状態ですよねぇ。マンガか)

実際は、そんな目に遭ったとしたって、ワタシんとこになんか来なかったであろう、まったくワタシに関心のなかったナナだったんですが( ´_ゝ`)フッ
しかもこの話を以前本人に話したら、大笑いされました(°▽°)ムリもありませんが。

とはいえ、「とにかく家にいるのがイヤで、だから部活も続けられたようなモン」と話すナナですから、それほど的ハズレなイメージではなかったのかもですけど。
そして、そういう事情を絶対に他人に知られたくなかったナナが、上記のようなイメージを持って心配顔でまとわりついてくるワタシを疎ましく思い、最終的には遠ざかってしまったのも、今になればなんだか納得できます。

で、自分で必死に、庇護される立ち位置であり、さらに、期待に応えられずにガッカリされるというリスクを回避できる「ダメなあたし」を演じながら。
そしてそういう自分を愛してかわいがってくれる人のそばだと、自分が安心する一方で。

ホントのあたし(たぶん、自分でもどんなもんかよくわかっていないはず)を知ったら、この人はあたしから離れていってしまうんじゃないだろうか。
という怯えが、いつもあるんじゃないかなぁ、なんて、ワタシは思ったりするわけですよ。
だから年中「ダメなあたしがいいんでしょ?」とつっかかってくるのではないかと。

実はワタシもこういうところが多分にあるので、ついそう考えてしまうのかもしれませんが。
自分で作って自分でこもっている着ぐるみの中で、自分の実体がわからないまま、着ぐるみが剥がされてしまうことを怯えてしまうような。
剥がされるのは怖いくせに、ホントの自分が見えない相手にイラだったり悲しくなったり。(勝手だナ)


そしてたぶん、ナナは着ぐるみを、自分を守りつつ自分を縛っていたやわらかい鎧を脱ぎ始めたのではないかなー、と思ったりするのです。
本人にその自覚があるかどうかはわかりませんが。
だってとにかく、最近のナナは強い。
今までは、主に子どもや亡くなった両親を投影して自分を見つめるしかできなかったナナが、最近では自分のことを考えるときは自分のことだけ考えている気がします。


でも、今はまだ、ナナにそういう話をする時期ではないような気が。
それに脱線しすぎてるし。
だいたい、自分のことをあれこれとしたり顔で分析されるのって、いい気持ちがしないかもですし。
おまけに、全然見当違いかもしれませんし(°▽°)アリウル

とはいえ、ワタシが思うに、パパに問題があるわけじゃないと思うんです。(ないとも言い切りませんが)
パパは何も変わってないんですもの。そこがイヤだっつー話なのかもしれませんけど。
ナナが変わってきたことによってパパに対してイライラしてきて、自分の着ぐるみしか見ていないパパに対する長年の小さな不満が顕在化してきてしまった結果、「熟年離婚」なんて物騒なコト言い出したくなってしまったのではないだろうか。
と、ワタシは考えましてね。


「まあ、確かにパパはそういうところはあるかもね」とワタシ。
「じょりぃだって実はそうでしょ?」 まだ言うか。
「だから、ワタシは違うってば(笑)
 ワタシはいつだって、あなたの能力認めてるじゃんかー」
「まあ、そうかもね。
 でもパパは、あたしのこと、ちょっとバカにしながらつきあうくらいが居心地がいいんだよ」
「・・・・」 実際そうだから困る。
「あたしはそういうパパに、イライラするようになってしまった。
 この先ずっとこういう状態なのは、ホントにイヤなの。
 ホントのこといえば、今だって、パパと話をするのが苦痛。話を聞くのも苦痛」
「まあ、待ってよ」


「今は過渡期なんだと思う」 とワタシ。
「どんな過渡期?」

「さっきも言ったけどさ、あなたは今、日々変化成長をしててさ。
 パパは今までどおりの毎日なわけじゃん?」
「かもね」
「今まで同じ速度で回転してた歯車がさ、片方だけ回転上げれば、そりゃ噛み合わなくなることもあると思うのだ」
「うん」
「で、今がいちばんしんどい時期なんじゃないの?
 今、変化の渦中だからお互いにとまどっているけど、回転に慣れてくればまた変わってくるよ」
「パパが変わるってこと?」
「あなたもまた変わるのかも。今は忙しい毎日だし、自分のことしか考えられなくて自分ひとりの変化で精一杯だけど、
 そのうち『一緒に少しずつ』って風に変わってくるんじゃないかなぁ」
「あたしはなんか、そうなる気がしないんだけど」
「先のことはわからないからね。
 ・・・でもさ、あなたが変われたのだって、そもそもあのパパが、学校行っていいよって言ってくれたおかげじゃん?
 変化の後押しをしてくれたのはパパじゃんね?」

「そうだったーーー(・∀・)」 あ、笑った。

「忘れてました(笑)」とナナ。
「かわいそうなパパ(笑)」
「そういえばさ、お母さん仲間とかによく言われるんだよね。
 『だんなさん、学校通うなんてよく許してくれるよねー』って。 そうか、パパ、えらかったんだ(笑)」
「うん。しかも、できれば専業主婦でいてほしかったパパじゃん?
 これから子どもらにお金かかるからって理由があったとはいえ、まずはあなたが働きに出ることオッケーしてさ。
 さらに、看護師なんていう、ひとりで食っていけそうなモンを目指すのを応援するのって、
 パパにしてみればすごい変化だし、勇気いったんじゃないかなー」
「そうだね・・・そうか、そうだった。
 パパに感謝しなきゃいけないんだったよあたし」


またパパの味方をしてしまった。
でもやっぱできれば、夫婦仲良くしあわせにしていてほしいんですよね。
これはワタシのエゴですが。いろんな意味で。


「もう少しパパにやさしくしようかな」 とナナ。
「うん」 
ワタシにもね!
てか、ワタシにはもっとね! <ホントエゴが強い


よかった。
とりあえず、イライラの頂点はいったん越えたのかな?


「・・・でもさ  あたし」 とナナ。
「うん?」


「  ううん。   なんでもない」



なんとなく怖くてそれ以上聞けませんでした(°▽°)・・・



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