ナナとワタシ
INDEX|前へ|次へ
ナナが次女ちゃんのブラバン演奏会のムービーを持参してくれまして。
「うちのムービー古くてさ、 デジタルビデオテープ再生する機械って、じょりぃんちないよね?」とナナ。 「うん。ない」 「じゃ、ムービーについてるモニタで見て」
小さいけど大きいからまあいいか。
「ありがとう(*´∀`*)。あなたが撮影したの?」 「ううん。パパ」
末子ちゃんが昔言った「パパがいるときはじょりぃちゃんがいない。じょりぃちゃんがいるときはパパがいない」の法則がいつの間にか適用されていたようです。 道理で声かけてくれなかったはずだ( ´_ゝ`)知らなかったもん、演奏会のこと・・・
でもまあ、ワタシとパパが同席すると、ナナはどちらに対してもイライラしちゃうようですので、 イライラされるくらいなら呼ばれないほうがいいんですが。 ワタシも気を使っちゃうし。 ていうか、ワタシもナナ・パパ・ワタシで揃うと、やはりどちらに対してもイライラするので、ナナの判断は正解。
「パパがヘタクソでさー、撮るの。 次女ちゃんのアップばっかり撮って、他の子の様子とか全体の様子がわからねーとイライラしていたら、 次女ちゃんのソロのときは他の子のアップ撮ってたりするの」
ナナ、プリプリ。
「ぶっつけ本番だと難しいんだよー、こういうのって。 ワタシもきょんのダンス撮りにいくと、動きを先読みしながらドキドキしちゃうもん」フォローするじょりぃ。
「あのパパがそこまで考えて撮ってるとは思わないけど?」
なんか、トゲがあるよナナ。
「そんなことないでしょ(笑)」 「今回のヘタクソな撮影だって、本人は『オレってやっぱすごい』くらいに思ってるんじゃないの?」 「・・・・・」 「パパってあんまりモノ考えないもん」
ケ、ケンカでもしたんでしょうか。 まあいいや。この話題はこれ以上つっこまないことにしようっと。
そして、次女ちゃんの晴れ姿をムービーで見ながら、ヤンヤンと適当なおしゃべりをしまして。 しばらくしましたら、きっかけは忘れてしまったんですが、ていうか、もしかしたら突然その話題になったのかもしれませんが。
「あたし最近、自分で心配なんだけど」とナナ。 「なにが?」 「熟年離婚とかってことになっちゃったらどうしようって」
え!
「ケンカでもしたの?」とワタシ。 「してないよ(笑)」 「パパ、浮気中?」 「全然。 てか、知らない。してないと思うけど。興味ないし」 「あなたさ、前もそんなこと言ったけど、結局そういうの気にする人じゃん(・∀・)ニヤニヤ」 「今度はホントに興味ない。 ていうか、外に誰か作ってくれればいいのにとすら思う」 「思ってもないこと言うなよー。あはははは」 あなたが実はヤキモチ妬きなの、知ってるんですよもう。 「だってパパ、かわいそうだもん、今のままじゃ。あたし冷たいしさ」 「そうなの?」 「うん。そーゆーことも、もうしばらく、まったくしてないし」
そーゆーこと。 って、どーゆーこと?(・∀・)なんかナマナマしいんですけど・・・
「今までは自分にその気がなくても、パパに悪いからっていうのがあったけど、 もうホントにイヤなんだよ。 でもそれってパパかわいそうだし、だからよそでそういうことできる相手ができるといいなと思う」
ちょっとちょっと。 マジですか。
「本気なの?」 「・・・・・・」 「嫌いになっちゃったの?」 「よくわかんない。でも、イライラする」 「なんだ(笑) そんなときもあるって!」 「んー・・・。今は子どもたちのこともあるしアレだけど、だから熟年離婚を心配してるのだよ(笑)」
心配してるのだよ ってあなた。 ヒトゴトみたいに。 ワタシのほうがよほどあわあわしておりますが。
「なんでまた急に・・・」とワタシ。 「・・・急に・・・? なのかな」
まあ、そう言われてみれば思い当たるフシはちらほらとあるんですけどね。 ナナが「パパのこと大好きだもん」とか言っても、なんかこう、現実味とかパッションとか感じられなかったですし。 それでもしっかりヤキモチ妬きましたけどワタシも。
「一生懸命、好き好き!って思おうとしてるところはある」
「子どもたちがみんな家を出たら、じょりぃのところに転がり込もうと思ってるんだから(笑)」
「じょりぃときょんさんのつながりがうらやましい」
等々、瞬時にナナが今まで語ったセリフがいくつかアタマをよぎるじょりぃ。
いや、でもねえ。 そうは言っても、ナナとパパはちゃんと好き合って、お互いに思いやり合って暮らしているのもパッキリとした事実であります。
「なんかさ」とナナ。 「うん」 「毎日毎日、同じグチ言って、同じ事の繰り返しでさ、パパ」 「そなの?」 「成長しないっていうか、停滞してるっていうか、そういうのが、もうイヤなの」
・・・・・。 一緒にいると考え方も似てくるものですが。 これって、ワタシがいつも言っていることでございますよ。(そのくせ自分はあんま成長してませんが!と、言われる前に自分で言っておきます) そして以前はナナ、「厳しいなー。じょりぃと一緒にいる人たちって、大変そーー」とか言っていたんですが。 似てきちゃったのかしら。
「まあ、その気持ちはワタシもわかるけどさ」 「うん」
「あなたは今さ、新しいこと始めて、それに打ち込めてて、毎日変化の中で過ごしてるじゃない? 一生懸命やればちゃんと達成できる目標を持ってさ」 「うん」 「パパは今までと変わらない毎日でさ。社長と社員とお得意先や下請けに挟まれる日々だ。 いつかは独立したいってずっと思っていても、家族の生活もあるし、なかなかその目処がつかなくてさ。 一生懸命やってれば達成できるあなたの目標とは、ちょっと違うじゃない?そういうのって」 「・・・うん」 「パパはパパで、今のママを見て、いろんな意味で、ちょっと焦ったりさびしい思いをしているのではないかなー」 「・・・かもね」 「実際、ワタシだって焦ったもの」 「何を?」 「看護師になるって決めてからがんばってるあなたさ、 すげぇキラキラしてんのよ。魅力的になってるのよ。まぶしいのよ」 「(笑)」 「で、ワタシ一時、『このままじゃこの人に置いていかれちゃうよ!』って、マジ焦った」 「じょりぃがぁ?」
ええ。知恵熱まで出しました。キミには話してなかったけどね!
「うん(笑) で、ちょっと奮起して、自分なりにがんばってみたりしてさ」 「そうなんだ」 「うん。でも、焦って、そのあとの反応って人それぞれだと思うんだ。 ワタシみたいに焦ったから即、自分なりに行動を起こすタイプもいれば、 どうしていいかわからなくて、ぽつん てしちゃう人もいると思う」 「うん」 「ぽつん てしちゃう人は、たぶん、すごくさびしくなると思う」 「そうだね」 「パパは今、ぽつん てしちゃって焦ってて、でも男の沽券もあるし、それを口に出すこともできないしさ。 それを思うと、一方的にパパを責めるのはちょっと気の毒かなと思う」
「・・・でも、パパ、焦ってなんていないと思うよ」 「そうかなぁ?」 「うん。 でもさびしいだろうなとは思う。そしておもしろくないだろうなとも思う」 「どういうところが?」
「だってパパは、『ダメダメで、オレがついてないとなんにもできないナナちゃん』が好きなんだもん」
長くなってエンピツに「ダメダメ!」って言われそうなので、次回に続きます。
|