ナナとワタシ
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邦画「人のセックスを笑うな」からタイトルをパクりました。 ってほどのパクリではありませんが。
ワタシはですね、人の着メロ聞いて「ふ」とか笑うイヤな人間なわけですよ。 こう、なんていうんですかね。 自分の好き(なんでしょきっと?)な曲を着メロにして、周りの人間に無差別に聞かれてしまうというのが、ワタシにはもうとにかく恥ずかしいことという風に思えてしまうんです。 知り合って、話をしていて「なんか話合うかもー」と思っていた矢先にその人の携帯の着メロが鳴り、それがワタシ的に
「ゲロー」
と思うような曲だったりすると、心の中で「ふ」と思って、さっきまでの「話合うかもー」なんて気持ちは、遙か3万光年くらい彼方に旅立ってしまう、と。
そんなこと言って、じょりぃだってマシマロだのなんだので「この曲好きー」とか書いてるじゃねえかこの餃子耳野郎とか思うかもしれませんが! それとこれとは違うんです。 着メロは恥ずかしい。 何かこう、さりげなさを装った強烈な自己アピール、なんつーものを感じたりしちゃうのがいけないのかもしれません。 単に「この曲が好き」という話ならば、ワタシの心も3万光年も吹っ飛んでいったりしないんですきっと。
そんなワタシの携帯の着信音は「黒電話」です。じりりりりりりりーーん。 メールなんかだと、「ポリンキーのテーマ」とか「ピタゴラスイッチ」とか設定しちゃってるんですが。 そして「そっちのが余程恥ずかしいだろう」とか実際あらゆる人に言われているんですが。 それでも、いきなりリアルな「誰かの歌つきの曲」(特に流行のJポップ)なんかが流れてくるよりは良いと自分では思っているわけです。
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・・・というのが、2〜3年ほど前までのワタシの姿だったのでありますよ。 まあホント、よくこんな人に友だちとか恋人とかできるよなと自分でも思うほど偏屈で何様でポリンキーな人間でありますことよ。
変わったきっかけは、ヒマだったので気まぐれに着うたをフルでダウンロードしてみたことです。 そしたら音が思っていたより良いではありませんか。 コンポもある。カーステレオもある。iPodもある。風呂で聞けるポータブルCDプレイヤーすらある。 にも関わらず「携帯で音楽を聴く」という無駄が、これまた楽しい。 で、ダウンロードしたからには有効利用したくなるのが人間というものです。向上心というものです。 そして、一曲ダウンロードしてみたら、次、また次とやってみたくなるのが人間というものです。向上心というものです。 そしてさらに有効利用。…するためには、「この着うたはこの人のメールー(´∀`)」「この着うたはこの人ー(´∀`)」なんて具合に積極的に振り分けるようになります。
かくしてワタシも、かつてのワタシのような人間に「ふ」と笑われ、遙か3万光年彼方へ飛ばされる側へと落ち着いたわけであります。 いやー、楽しいですね、着うた。 笑いたいヤツは笑えばいいさ。あはははははははは。 てか、人の着メロを笑うな。失礼です。ホントにもう。誰よ笑ったの。
で。
ナナ用の着信音も、つい最近までは携帯に元々入っている、だっせー「ぴんぽろぽり〜ん」なんてのを使っていたのですが。 ワタシの絶え間ない向上心ゆえ、ナナの着信音も着うたに変えることにしたのであります。 なぜナナのは今まで変えなかったのかというと、それがナナに知れたら恥ずかしいなと思っていたからであります。 じょりぃが見栄っ張りのカッコつけだからであります。
しかしよく考えてみたら、ナナからの着信音がナナに聞かれることって、これ、フツウないじゃないですか。 すごく仲の良い恋人同士とかなら、同じ空間にいようとも「うふ☆」「うふふ☆」なんて微笑み合いながらメールの送りっことか電話の掛け合いとかするのかもしれませんが。 ワタシとナナの間でそれはありえません。 ということは、恥ずかしがるの、無駄。アホらしい。 ナナに聞かれることがないなら、好き勝手やっちゃって良いはずですよ。
ということで、最近になって「じゃあ、ナナ用の着うたは何にしようかなー(*´∀`*)」と、にやにやしながら厳選。 や、厳選てほどではないんですが、まあ、もともと好きだった曲を「この曲はなんかナナっぽいなー(*´∀`*)」なんてひとりで勝手に考えて、むふ、むふふ、てな感じでダウンロードして設定したんですよ。 歌詞がナナにまるっとあてはまってるよね☆とかなわけではないんですが、まあ、ワタシから見てなんとなく「ぽい」気がしたので。 その曲は打ち込み系だったので、アコースティック系ならもっとナナっぽかったかもーとか思いつつ。 まあ、今の気分ではこれということで。
もうめんどくさいから、電話もメールもナナのは全部これでいいや。 通好みの曲じゃないしありふれてるけど、まあいいよね、好きなんだもん、この曲。 歌手の声もメロディーも歌詞もなんだかやさしげで、聴いているとしあわせな気持ちになるのでありますよ。 ナナがやさしいかどうかはこのさいさておき。ていうか、ナナのイメージだったのにさておいていいのだろうか。 矛盾という人間らしさを存分に発揮する愛らしいじょりぃ。
しかしまあ、ナナからメールも電話も最近はそうそう来ませんし。 でもせっかくダウンロードしましたし。 ということで、「ナナからメールこないなー」なんて時に勝手にその曲を鳴らして「むふ。むふふ」と虚しい疑似行為にふけったりして、気持ち悪さもひとしおだったんですがね。
しかし、予想だにしていなかったシチュエーションで、そいつは高らかに鳴ったのであります。
末子ちゃんの授業参観の日。 前回のナナワタにも書きましたが、ワタシが仕事のためにナナ家から帰ることを何とか引き留めようとしていた末子ちゃん。 でもワタシは帰らねばならない。 それが人間社会の、大人の、生きていくための掟なのだよ。さらば!
とは言いませんが「またすぐ遊びに来るよー(´∀`)」かなんか言いながら去ろうとしたら、末子ちゃん、ワタシから離れまして。 で、帰ろうと思ったらナナが「あ、そういえば」とワタシにちょっと話しかけて、ワタシは少しの間引き留められるカタチに。 「ああ、それはさー」なんて話しておりましたら突然
♪だずれらまらわてあーいしーん
大音量で響くワタシの携帯。 ジャネット・ジャクソンの「Doesn't Really Matter」のサビ。 それはナナ用の着うた。 上記、正確には ♪ Doesn't really matter what the eye is seeing と歌っているらしいです。 ワタシの耳には「だずれらまらわて」にしか聞こえないんですが、それじゃあんまりなので一応ご説明。 ってそんなことはともかく。
うわああああああああなんでなんでなんで??!!!! 慌てて携帯をバッグから探すものの、こういうときに限って「しゅぱん!」と出て来ない! ないないない!どこいったワタシの携帯! ジャネットはやさしい声で熱唱してるし! うわああああああああん。 ジャネット!歌うのやめて!
それでも平静を装って、しかし素早く携帯を開くと、
ヤッホー(絵) ヤスの(絵)画ぞう(絵)まちうけにして!(絵) おねがい(絵)(絵)(絵)(絵)(絵)(絵)(絵)(絵)(絵)(絵)(絵) でもそんなのかんけ〜ねー×3はいオッパッピ〜(絵)
なんじゃこりゃ。 ってメールですが。
ご丁寧に、関ジャニの安田クン(ナナ家ではワタシに似てるってことになってる)の画像まで添付されておりますよ。 見れば末子ちゃんがナナの携帯を握りしめ「今すぐ返事ちょうだい!あたしもまたすぐ返すから、じょりぃちゃんもここですぐ返して」と、悪魔のように微笑んでおります。
ホントにキミはアタマいいな! 返事打ってる時間、ワタシを引き留められるという算段か。
なんてことよりも、ワタシとしては 「ナナに着うた聞かれちゃった!!!!・゜・(*ノД`*)・゜・。ハズカピーーーー」 ってことでアタマがいっぱいですよ! 世界で10億本の指に入る自意識過剰人間ですからね!
自意識過剰ゆえ、ことさら平静を装い、末子ちゃんに話しかけようとしましたら。
ナナから発された言葉が
「ふるーーーーー(笑)」
( ° д ° )
ふる? 振る? じゃなくて 古いのふる? だよね。
「・・・何が? 今の着うた?」とワタシ。 「うん」
さらにナナ
「ふ」
笑いやがりました。
・・・確かに微妙な古さですよ。流行ったのたぶん7年前くらい? いっそもっと古ければカッコイイのかもしれない。 そしてジャネットってところもなんかビミョウにダサい。(ワタシは曲によっては好きなんですけど!) さらに言えばこの曲、エディ・マーフィーが超デブな教授とその家族を演じ、ジャネットが恋人役だったコメディ「ナッティ・プロフェッサー2」のタイアップ曲だったというわかりやすいダサさもある。 それでもな! ワタシはこの曲が好きなんだよ! うわああああああああああん・゜・(ノД`)・゜・。
人の着メロを笑うな。 失礼です。ホントにもう。
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