ナナとワタシ
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2005年05月17日(火) 何十年か後のしあわせ

ちょっと前に、ナナと電話したときのことです。


ナナが「なんだか何もやる気が起きないのだよー」と。

長女ちゃんのモンダイも一段落し、末子ちゃんも小学校に入学し、どうやら燃え尽き症候群のような風情。
まあ、そんなときもあるでしょう。
去年の夏からずっと神経を張りつめていましたから、緩んでもいいんじゃないですかね。

「まあ、そんなときもあるよ」と、気を使って言ったワタシに、ナナの返事は
「そんなときもっつーかさー、あなたはいつだってなんだってやる気ないじゃないですか。特に仕事」

失礼な。
そんな、本当のことを言うな。

「確かにそうだが、でもやっているぞ。なんだって」 あ、家事は除く。
「まあ、確かにそうだ」

仕事始めればいいじゃん、と言ってみたのですが、「うーーーーん・・・」と冴えない返事。
あんなに「子供たちが少し落ち着いたら、早く仕事したいな」と楽しみにしていたのに。
そうできる状態になったら二の足を踏んでいる様子。

まあ、これも気持ちはわかるんですが。
そんなもんですよね、ナナやワタシのような、弱っちい人間て。

「仕事始めると、いろいろと変化するじゃない?家族の生活がさ。 それが不安なのかも」とナナ。
「まあ、確かに変化はあるだろうね。 でも、子供たちも協力してくれて、今より良い雰囲気になることも考えられるし」前向きじょりぃ。
「子供たちのことは、そんなに心配してないのだよ」
「というと何が心配なのだ?」
「仕事を始めることによって、パパとのあいだがしっくりいかなくなるんじゃないかと心配なのだよ」

パパか。

「そんなことにはならないよ」 とは言い切れないけど、言い切らないと。
「そうかなあ」
「うん。逆に、『パパって毎日こんなに大変な思いをしてるんだー』って見直すかもよ」

実はあんまりそう思わないが、夫婦仲を案じて言ってみるじょりぃ

「んーーーーー・・・(笑)。
 あたしはそうは思えないけどなぁ。  むしろ、逆って気が」

自分が働きだして、仕事のなんたるかをわかってきたら、パパのグチを聞いているのが今よりも苦痛になる、ということらしいです。
ハッキリとは言わないんですが、なんとなく遠回しに、そんなようなことをぽつぽつと話すナナ。


ちょっと他の話をしてから、なんの話の流れだったのか忘れましたが、ナナがワタシに問うてきました。

「もしじょりぃに、きょんさん以外に好きな人ができちゃったとしてさー」
「うん」 

ていうか、既にいますけども。 
とりあえずナナのことは除外、ということなんでしょうかこの訊き方。

「その人もじょりぃのこと好きになっちゃってさ、じょりぃと一緒に暮らしたいって言って、
 それが可能な状態になっちゃったら、どうするの?」

突然ですね。

「きょんへの気持ちが今までどおりならば、その人とは暮らさないよ」とワタシ。

マジメなのかフマジメなのかわからないワタシですが。

「その人を好きでもきょんさんを好きなままなのか」
「きょんはきょんでその人はその人だから。
 第三者が介入してきても、きょんへの気持ちというのは変わらないし。だとしたら、別れないよ。
 逆にいえば、他に誰も好きにならなくても、きょんを嫌いになれば別れるし」
「ははははは」 なぜ笑う。
「なに?」
「じょりぃにそれはないと思うよ。ひとりになるくらいなら、一緒にいるんじゃないの?」
「そんなことは・・・・・そうなのかな? ・・・よくわかんないな」 優柔不断じょりぃ。

「あなたなら、どうなの? もしそうなったら」 訊き返してみました。
「あたし? あたしは、ほかの人を好きになった時点でパパへの気持ちはなくなってしまうと思うので、
 そのままパパと一緒にいるのはツライでしょうね」
「なるほど」

なんだか典型的なポリガミー vs モノガミーの会話という気がします。

ナナの話を例に出すならば。
自分には好きで一緒にいるAが既にいるのに、Bを新たに好きになる、という状況の場合。

ワタシにとって、それは「愛情の対象の増加」という結果になります。
対してナナが上記の状態になった場合、「愛情の対象の差し替え」となるわけですね。

ふむ。
ちょっとなんとなく、何かが見えたような気分のじょりぃ。
そうか。「差し替え」なのか。だからひとりしか好きになれないのか。
そして「増加」は世間的にはいけないことなんですよね。

ワタシ、今まで恋人がいる人を好きになってしまった場合、
「その人と別れる必要ないよ。でもワタシのことも好きになって」
というアプローチをよくしていたのですが。
自分としては相手に気を使ってこういうアプローチだったんですけれども。
「相手にとって、都合の良い話だから、この案は喜ばれるはず」みたいな。
しかし、以前よりもいくらかものがわかってきた今となっては、モノガミーの人からしたら、この申し出って、えらく混乱するでしょうね。
「あたしのこと、本気で好きじゃないんだ」と思われてしまいそうです。
本気で好きだから、パートナーが大事ならそのことも含めてアナタなんだし、その人を大事にしたままでいいからワタシを見て、という、自分では謙虚な態度のつもりだったんですが、人様の気持ちがすこーしわかるようになった今では、なんだかたいした態度だなと思います。
これで謙虚なつもりだったとは。
若いって、無知って、コワイですね。



「ねえ。何十年かあともさ、きょんさんと一緒にいて、今と同じように楽しいと思う?」とナナ。
「うん。思うね」
「心配にならないの?」
「心配してもしかたないし。 それに、楽しくならないという気がしない」 とはいえ一寸先は闇ですが。
「そうか」
「あなたは? どうなの?」
「あたしは・・・・なんか、不安だー(笑)」
「不安なの?」
「んー・・・パパとのことに限らず、ずっと先の自分の未来が不安。
 楽しく幸せに過ごせているんだろうか。 ・・・いない気がする」

ダメだよ。
人生とは、思う方向に進んでいってしまうのだよ。

「楽しいさ」
「そうかなあ」
「今は?」
「よくわかんない。 とりあえず今って、何もする気が起きないし、毎日がただ過ぎていってる感じ」
「ふむ」
「じょりぃは楽しそうだね」
「楽しいね」
「仕事はキライなのにね」
「キライだね」
「仕事ばっかりしてるのにね」
「本当だなっ」 言われてみれば。


「・・また子供つくろうかな・・」 とナナ。
「     冗談だろ」  冗談だろ?!
「あははははは」 笑うな。
「結局子供のことで悩みたいのだねキミは」
「真剣に考えられることがそれしかないんだもん。
 末子が小学校にあがってから、なんだかさびしいみたい、あたし(笑)」
「ダメじゃん。子供に依存しちゃ」
「本当だよねー」
「パパもさびしがってるんだから、パパにやさしくしてやればいいじゃないですか。
 お互いの張り合いになるかもよ。
 子供達も離れちゃって、パパも家に居場所がなくてさびしそうだって言ってたじゃん」 

ワタシ個人の主観としてはそんなことしてほしくありませんが、客観的に考えればそれがいちばん正しいでしょう。

「んー。 じゃあそうしようかな」
「うん」
「でもなー。 なんか違うなそれって」
「じゃあ4人目つくる?」
「実際それは無理だから(笑)。年齢的にも経済的にも」

じゃ、言うなよ。
ワタシがしょんぼりするのわかってるくせに。
意地が悪いなあ。



この「4人目つくろうかな」の話を、先日お会いしたときにareyさんとあんじぇさんにしましたら、

「それって、今でもマメにそーゆーことをしてるということですよ」

と言われてしまい、なにーーーー!と激しく勝手に落ち込んだじょりぃでありました。
(このあと「いつしてるのよ?」「どこでできるのよ?」としつこくふたりを問いつめ、しまいには「知るか」と言われた情けないじょりぃ)


ハッキリものを言ってくれる友ってありがたいですね☆(怒)



そーかそーか。
マメにそーゆーことをしているのか。


ワタシが余計な心配をしなくても、夫婦仲は大丈夫みたいですね。
おせっかいなこと言っちゃったなぁこりゃこりゃっと。<踊りつき

け。
なーんだ。



だから結局のところですね。



何十年か後も、パパと楽しくしあわせに暮らしているよきっと。
自分の未来を信じて、安心したまえ。ナナ。






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