ナナとワタシ
ナナとワタシ
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2005年02月27日(日) 縁側で語る、子供たちとの出会いの日・その2

さて。前回の続きです。

末子ちゃんは、まだ物心つかない赤ちゃんでしたから、ワタシもそれほど抵抗なく会えました。
が、上のふたりにはなかなか会う勇気がありませんでした。
先にも言いましたが、怖かったからです。
ナナの話を聞く限りでは、ふたりともやさしくておもしろい良い子ですが。
まあ、たいていの親は、自分の子にたいしてそのように思うでしょうからねえ。

そのような訪問が、どれくらい続いたでしょう、半年くらいかな?
ある日ナナが言いました。

「そろそろ上のふたりにも会わないとさー、『なんだかこそこそしているママの友達』と認識されてしまうよ(笑)」

う。

それってかっこわるい。 し、子供たちに失礼です。

「うん。・・・でも、なんかやっぱり恥ずかしくて」 ホントは怖いんです。
「わかるけどさ(笑)。 子供同士みたいなもんだしねー。もじもじもするか」

30代ですが、子供同士って、何か?

「長女はねぇ、大人と話をするのが大好きなんだよ。変わってるよね(笑)」
「そうか」
「次女ちゃんは本来さらに変わってておもしろいんだけど、あの子は人見知りするんだよね。
 最初は冷たいかも」
「そうか」
「今日は会っていく?」
「・・・・・帰る」

子供たちに嫌われたら、きっとナナにも嫌われてしまう。
このころになると、その思いが強くて二の足を踏んでおりました。
「なんでそんなに子供に好かれるんだろうね」と日頃評価されているワタシでございますが、だからこそ、ナナの子供たちにだけ嫌われたらどうしようと怖くてしかたがなかったのです。


が、ナナと再会して1年弱がたったお正月。

「○○○に、『おじゃ魔女ドレミショー』が来るんだよ。パパは行きたくないって言ってるんだけど、じょりぃ、一緒に行ってくれないかなぁ」
と、ナナからお誘いが。

ワタシとナナでおじゃ魔女ドレミを見るはずがありませんから、当然「子供連れで」ということでございます。

覚悟を決めました。


さて。上のふたりの印象は。

長女ちゃんはよくしゃべりました。ひっきりなしです。
ワタシに対する興味も素直に表して、「じょりぃちゃんて××××なの?」などといろいろな質問も浴びせてきました。
最初は「よくまあしゃべる子だなあ。わかってるぶってるなあ。ナマイキだなあ」と思いましたが、これが彼女なりの気づかいでありサービスであることはだんだんとわかってまいりました。
いつもは憎たらしいことばかり言いますが、こちらが弱気になったり、立場が弱いときなどはさりげなくかばってくれます。
子供同士のつきあいだと、このへんがわかってもらいづらそうで心配なほどです。

長女ちゃんは、自らよく話してくれるので、楽といえば楽でした。

が、次女ちゃんはやりづらかったです。

人見知りするとは聞いておりましたが。
なんにもしゃべってくれません。
ナナの話によると、すごく変わった感性を持つおもしろい子らしいのですが、その日にはそのカケラも見せてくれません。
ナナから聞いた印象では、次女ちゃんはナナの中学時代の感性によく似ていて、ワタシは怖がりつつも次女ちゃんと話すのを楽しみにしていたのですが。
とりつくしまがありません。 警戒心の強い子犬みたいです。

が、ワタシを嫌いなわけでは・・・なさそうです。
ちらちらとこちらを見ます。
ワタシが次女ちゃんを見ると、さっと目をそらして恥ずかしそうにふらふらとどこかへ行ってしまいます。
ワタシの方を見て、長女ちゃんに嬉しそうに何かヒソヒソと耳打ちしています。
「寒くない?」と訊くと「うん」と目を合わせずにうつむきながら笑って答えます。

これはこれで、なんだかとってもかわいいです。
不器用そうな感じが、非常に好みです。
次女ちゃんとは時間をかけてつきあっていこう、と思いました。

一見人なつこそうに見える長女ちゃんも同様ですが、このふたりは、わかってる風な感じで馴れ馴れしくしたら、一応表面上は仲良くしてくれるでしょうけれど、おそらく相手を信用しないだろうし、軽蔑すらするのではないか、と思いました。
もとよりワタシには馴れ馴れしくしようという気持ちはありませんでしたが、小利口なこの子たちに対して、ワタシは時間をかけて「キミたちの人格を認め、尊敬しているよ」ということを伝えていきたいな、と思いました。
そう思わせてくれる子供らでした。 ナマイキなやつらですが。


が。
ご対面だったこの日の印象とは逆に、次女ちゃんはあっという間にワタシになついてくれまして。
次に会ったときは、かたときもワタシのそばから離れなかったほどでございます。
次女ちゃんも末子ちゃん同様、ワタシを「大人の、ママの友達」としてではなく、「あたしの友達」として扱ってくれたのがワタシには嬉しかったです。

その点、長女ちゃんはもう思春期の入口でしたので。
人あたりの良さとは裏腹に、「じょりぃちゃんになつく」ということはいたしません。(あたりまえです)
長女ということで割も食ってました。
妹たちの、ワタシに対する傍若無人な振る舞いに「じょりぃちゃんに悪いよ」とブレーキをかけなければなりませんし(いいのに、気を遣わなくて)、長女ちゃんがワタシを独り占めしたいときもあるのですが(うぬぼれかしら)、妹たちがいればそれは叶いません。
「今日学校でさー」なんて話し始めても、とたんに末子ちゃんか次女ちゃんに乱入されます。
ふたりはワタシが長女ちゃんやママと話をするのを許してくれませんでした。
これはナナに対しても同様で、ナナは長女ちゃんとゆっくり話をする時間がとれないのを、ずいぶんと気に病んでおりました。
ワタシも長女ですが、よく世間で「いちばん上は割食うよね」みたいなことを言われてもピンとこなかったのですが(メリットもありますしね。まん中も末っ子も、メリット・デメリット総合すれば似たようなものかと)、長女ちゃんを見ているとやはり「上って割食うなあ」なんてことも思いました。
いつも遠慮している長女ちゃんを見て、「長女ちゃんが2歳くらいのときから一緒に過ごしたかったなあ。思い切りいんぐりもんぐりしてかわいがりたかった」とつくづく思い、またそれを本人に伝えてみましたら「気持ちわりー(笑)」と言われてしまいましたが。
「あたし、小さい頃かわいかったよー。ね?ママ。 残念だったね、じょりぃちゃん☆」ですって。 憎らしいヤツめ(にこにこにこ)。


ああ、懐かしい。
いくらでもしゃべっていられそうです。


最近の子供らはと言えば。

長女ちゃんは中2になってしまいました。
「なってしまいました」というのも失礼な言い方ですが、どんどん大人になっていってしまうのは、頼もしくもありますが、やっぱり正直なところ、さびしいです。
もともと一筋縄ではいかない娘でしたが、輪をかけて難しくなっております。
一時はナナに対して「おまいさん、ちょいとそれはあんまりだろうよ」という態度を取っていたのですが、最近はあんなに大好きだったパパに冷たくなってきております。
ということで、順調に育っております。
感受性が強くて偽善や欺瞞が許せないタイプなのに、人を傷つけることもできず、友人関係に葛藤中です。
「標準」枠からはみ出すことを極度に恐れているのに、「自分は他とは違う」というプライドが高くてバランスが取れていません。
ということで、まっとうな思春期真っ盛りです。
今現在、しんどそうですが、理解ある両親に恵まれておりますので。
とことん悩み抜けばいいと思います。
キミのおかげで、ママが随分と強くなったね。
あまりパパに冷たくするなよ。

次女ちゃんは5年生です。長女ちゃんと初めて会ったときの年齢です。
長女ちゃんより子供っぽいですが、異性関係では長女ちゃんよりませているみたいです。
去年あたりから、ワタシに巻き付いてこなくなりました。さびしいです。
かわいい顔立ちとスリムな体型なので「モデルになる」と言ってます。背を伸ばさないとね。
パパに似れば、これからどんどん伸びるでしょう。
独特の感性と、お年寄りと小さい子供へのやさしさ・面倒見の良さを、そのままキープしてほしいなあ。
テストの珍回答もあのままでいてほしいけど、いつまでもアレだと困っちゃうしなあ。
素直でマイペースな次女ちゃんですが、思春期に難しいほうに転ぶと、長女ちゃんよりもさらに苦戦が予想されます。
ナナ、がんばれ。

末子ちゃんは6歳になりました。
なんと今年は小学生ですよ。じーーーーーーん。
感情の起伏は姉妹の中でいちばん激しいです。ナナの隠れた気性の強さが、そのまんま表に出ているようで、愛しくてしかたありません。
そんなわけで、このお姫様のどんなわがままも聞いてしまい、躾上ではワタシは「悪いおばちゃん」です。(でもおばちゃんて言ったら怒る)
でもいいんです。ワタシの立場としては、この子たちは徹底的に甘やかしていこうと思っております。
お姉ちゃんふたりに鍛えられ、ちょっとやそっとのことではへこたれない子になってます。今のところは。
ワタシがナナの家に遊びに行くと、いつも転がるような勢いで玄関から走り出して出迎えてくれます。
「じょりぃちゃーーーーーーーん!」の絶叫つきで。
これも今度会うときにはどうかな。 だんだん離れていくんだろうな。 ああ、考えると猛烈にさびしいです。
よくママと3人でデートしたね。末子ちゃんがいてくれると、間がもって助かったものです。
今度の旅行も、おそらく末子ちゃんは一緒でしょう。これが最後かなあ。


・・・・と、とりとめもなくだらだらと語らせていただきましたが。
縁側で話を聞かされる猫も、なかなか大変です。



子供らよ。
ゆっくりと大人になっていってくれ。
焦ることはないのだ。 イヤでも大人になってしまうのだ。 イヤでも心が頑丈になっていってしまうのだ。

と、もっともなことを言いつつ、実はあんまり早く大人になっていってしまわれると、自分がさびしいだけだったりするんですが。
まあ、どんなキミたちでもじょりぃちゃんは大好きだ。
でもあんまりママを泣かせるなよー。
ママも泣くなよー。
パパに冷たくするとかわいそうだぞー。


ちなみに。
「じょりぃちゃん、○○(子供の名前)ちゃんが大好きさ」と伝えたときの、それぞれの通常の反応。

長女ちゃん→「げっ。きもっ(笑)」 

次女ちゃん→「はずかしいじゃーーん、そーゆーこと言わないでーん」(踊りと殴りつき)

末子ちゃん→「じょりぃちゃん、オトナでしょー? もー」(顔をしかめながら)


・・・・・・・・・・・・それでも、大好きだ。  くやしい。にこにこにこ。



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