ナナとワタシ
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ナナと久しく会っていません。電話すらしていません。
年明けに「じょりぃに恋愛感情はない」とナナに告げられてから、なんだかやっぱりお互いぎくしゃくしていたのは事実でして。 それに加えて、ワタシは超多忙になってしまい、ナナと電話する間もなかったのですが。 今までなら無理にでも時間を作って話したり、ナナも子供のことで悩んで電話してきたりしていたのですが、子供たちは今落ち着いているし、ワタシも仕事を犠牲にしてまで話すこともないかな(まだお互いわだかまっているし)という感じで、疎遠に。
で、メールでもなんだかお互いの文面に過剰反応してはお互いイライラする傾向があったので、それも控えておりまして。 要はめんどくさかったのです。 相手がどうしているか、元気なのか気になってメールしたのに、険悪になっていたのではアホらしくてやってられません。 いちいち深読みしたりされたりするのも疲れましたし。
そんなわけで、1月の終わりに会って、その後メールでゴタゴタしたりしたのを最後に、ほぼつきあいがなかったワタシたち。 ナナが気を遣ってくれたのか、2〜3度短いメールが届きましたが。 星がキレイだよ、とか、ワタシの仕事に関することでちょろっと、とか。 今までなら、返信にさりげなく愛情のエッセンスを一滴垂らしていたりしたワタシだったんですが(効果はありませんでしたが)、ここのところのメールには、そういったこともせず、まさに「オトモダチ」づきあい。 これはこれで、案外気が楽です。
が。 なっちゃんが仕事を持ち帰ってまでがんばってくれたおかげで、すこーしだけ時間に余裕のできたじょりぃ。 今日なら電話できるかも。 ということで、ナナにメール。 今までの学習を活かし(やっと活かせるようになったワタシ)、「電話してもいい?」と、シンプルに。 返事も「いいよ」と極めてシンプル。 このシンプルなやりとりに辿り着くまでに4年かかってしまいました。アホらし。
「もしもし? こんばんは」とワタシ。 「こんばんは」 「話はないんだけど、電話してしまった」 「そう」
しーーーーーーーーん。
何この気まずさ。
ワタシの心に、実は引っかかっていたことがありまして。 ここ半月以上、ナナに対してワタシがそっけなかったのが、「じょりぃは結局、あたしが恋愛感情じゃないとつきあいたくないんだ。そーゆー(性的な?)ことが望めないのなら、あたしのことはどうでもいいんだ」と誤解されていたらどうしよう、ということでありました。 実際は忙しかっただけでそんなことはこだわっていませんでしたし(ショックでしたけどぉ)、「あたしのカラダ目当てだったのね」とか思われていたらとってもイヤだなと思っていたのですよ。 もちろん、ナナは全然そんなこと思っていなかったかもしれませんが。
でも、そんなこと、いちいち説明するのも野暮ですし。
ナナもナナで、「じょりぃは何考えているのか、あたしとのつきあいはどうするつもりなのか」と不安に思っていたようです、どうも。 これは話しているうちにわかってきたことですが。
とまあ、そんな具合にあまりにもあからさまにふたりしてぎくしゃくしてしまっていたので、何か、何か話題はないものかと考えるじょりぃ。 電話をかけた者の義務でもありましょう。
「あの、旅行の日程を決めちゃわない?」 ナイス話題。 「ああ、そうだね」 よかった。行く気は失せていないようです。
旅行の話をあれこれしているうちに、氷がじわじわと溶けるようにだんだんとうち解けてまいりました。 ああよかった。
それからはお互いいつも通りに話し出しまして。 (結局5時間半話したワタシたち。つ、つ、疲れました)
そのうち、ワタシの恋愛遍歴について話を振ってくるナナ。それも主に、女性ターゲットについて。 ワタシについて、いろいろと理解しようとしてくれているようです。 なのかな? よくわかりませんが。
で、さんざん話を聞いておいて「楽しそうだねー。愛されていたのだねー」とナナ。 そしてさらに 「でも、あたしはじょりぃには恋愛感情まったくないけどね」と。
な ん で わ ざ わ ざ そ こ で 念 を 押 す ?
「わかってますよ。別にそれでかまわないし」 「(笑)」 「でーもさー、パパよりワタシのがいいと思うけどなあマジで。 恋愛感情って、ナゾだな」
ナゾなのは、おまへのそのずうずうしい思考だ。 と、自分で心の中でちゃんとツッコミ入れましたから、見逃してやってください。
ちょっと他の話をした後に。
「じょりぃはさ、じょりぃを好きな人は好きにならないんでしょ?」 「うん。追いかけるのが好き。 だからきょんもキミも、まったくもって理想的だね、皮肉なことに」 「もし誰か素敵な人が現れてさ、その人に追いかけられたら?」 「逃げる」
鬼ごっこじゃないんですから。
「なんかじょりぃの場合、それってよくわかるよ」 「だからさ、キミがワタシに対して恋愛感情はないよって強調するたびに、かえってワタシはキミに執着することになるわけだ」 「(笑)どうすりゃいーんだ。 じょりぃ好き好き好きーー!って、泣きながら家まで押し掛けていったりすればいいのか?(笑)」 「あ、それいいかも。 たぶんばっちりキライになるよ」 「ほらね」 「え?」 「だからさ、その程度のものなんだよ、じょりぃの好きって。条件があって、それに合わなければ好きじゃなくなるんだよね」 「そんなことはないよ」 「本当の好きっていうのはさ、嫌いなところとか条件に合わないところがあっても、例えばこたつで寝ていたって(笑)、好きなモノは好きでしょ? でも、あたしに対しては、じょりぃの望むあたしでなければ、すぐにキライになれるんだと思うよ」 「それは違う。 今ワタシがキライになるって言ったのは、ワタシに嫌われたくてそんなアホみたいな声出して好き好きって家に押し掛けられたらキライになるよっていう話だよ」 「まあ、それもそうだ(笑)」 「でもねえ、キミがワタシを好きにならないから、ずっと追いかけてしまうというのは実際ありだと思うよ」 「あたしは、その部分だけだろうと思うよ。じょりぃのあたしに対する執着って」 「手に入らないものだから、欲しいのか」 「うん。 きっとそうだよ。 たまたまそれがあたしだったというだけで」
そう思いたければ思うがいいさ。 実際そうかもしれませんしね。
「友達としてのじょりぃは失いたくないんだよね、勝手だけど。 もしかしたら、それってじょりぃにとっては、いっそ迷惑なのかもしれないんだけどさ」 「(笑)そんなことないよ」 「だから、じょりぃの気持ちを聞いたときは、マジでどうしようって思った」
思ったより悩ませていたようです。
「それは申し訳ない。ごめんね」 「ううん。そういうことじゃなくて。 もう、気持ちの整理もついてきたし。今は悩んでないんだけどね」
向こうは向こうで気持ちの整理なんてもんをしていてくれていたのですね。 ワタシのことなんて、「ダメならダメでいーや」くらいにしか思ってくれていないのかと思っていましたから、ちょっと嬉しい。 が、整理した結果「ダメならダメでいーや」になっていた可能性は大ですが。
「あたしはじょりぃには恋愛感情はないし、だけど、そのことによってじょりぃを落胆させて、挙げ句にじょりぃの中からあたしへの恋愛感情がなくなったら、じょりぃはあたしに対する友情も消えるだろうって、わかってたから」 「そんなことはないよ」
いえ。ホントはちょっとそのことで自分でも悩んでおりましたが。
「あたし、こんなに深いつきあいをしたことがないのね、友達と。そもそも別に求めていなかったし」 「うん」 「じょりぃはすごく大事な友達。大切なの。いなくならないでほしい。大好きなの」 「あははははははははははははは」 なぜ笑うワタシ。 「はははははははははは」 キミも笑うのか。 「今日はサービスいいね(笑)」 「別に(笑)。だってホントのことだもの。友達としてはね」
そ ん な に 強 調 し な く て も わ か り ま し た か ら も う 。
「しかしね。キミがそのように余裕しゃくしゃくなのも、ワタシがキミに本気出していないからだねきっと。(へらへらへら)」
まだこんなこと言ってますよワタシったら。本当に負けず嫌いですね!('-^v) 振られても振られても、根拠のない過剰な自信を伴ってよみがえる迷惑な不死鳥じょりぃ。
「だからなんだよ本気って(笑)。 じゃあなんで本気出さないの?」 「ワタシもマジメだからさ、こう見えて。 キミには家庭があって、子供がいるじゃないですか」 「うん」 「キミがワタシに夢中になってしまったら、それらに悪い影響が出るでしょ」 「全てを捨てたくなってしまうかもね。本気で好きになってしまったら」 「でしょ?」<実際は好かれていない人の虚しい『でしょ?』 「でもさ、本気でかかるって言うなら、じょりぃだって、全てを捨てなきゃいけないんだよ? 捨てられるの?」 「何を?(笑)」 「きょんさんを」
何かの商取引のような話になってまいりました。
「無理だね」 「あたしもそう思う。じょりぃにはきょんさんが必要だし、きょんさんはじょりぃじゃなきゃ、今のように幸せになれないと思う」
よくわかっていらっしゃいますね。そのとおりです。
「うん。そのとおりです。きょん本人がそのように思っていないことが問題ですが(笑)」 「でも、だからこそ、未だにきょんさんを追いかけていられてるんでしょ? 結果オーライだね(笑)」 「そうだね。 そして、キミも、ワタシ同様、何も捨ててはいけないと思う」 「そうだね」 「だから本気出してないんじゃん」 <小学生並の理屈です 「じゃあさ、じょりぃのこと、本気で愛してくれる人が現れたとして、じょりぃももしその気になっちゃったら、どうするの?」 「想像できない」 「想像してよ。 もしそうなったら、きょんさんを捨てるの?」 捨てるって言葉、イヤだなあ。 「ワタシがそれを真剣に悩むことがあるとしたら、その相手はあなただけですよ。 そして、あなたにその気がない以上、やっぱり想像できないというか、想像する意味がないよね?」
無言。
「それでも、じょりぃはやっぱりきょんさんを捨てられないと思う」とナナ。 「ワタシもそう思う。だから、保身の意味でも、ワタシはキミに本気を出さない。自分も困るから」 「出せるもんなら出してみればいーじゃん(笑)。あたしは別に好きになったっていいけど? やれるもんならやってみれば?(笑)」
この後には「あたしは絶対じょりぃを好きにならないから」が続いている模様です。
「でも、もしうっかりあなたがワタシを好きになったとしてさ、それって誰も幸せにならないんだよね」 「確かにね」 「一緒に暮らしたりできるのかな」 「(笑)できない。じょりぃをもし好きになったとしても、それはない」 「ワタシもそう思う。 しかしキミもハッキリ言うね(笑)」 「だってあたし、きょんさんみたいに寛容になれないもん。『新規のお客さんがかわいかったー』なんて話を聞けば、それどういうこと!?って怒りまくるだろうし。どこに出かけるのよ?とか、いちいち心配してうざがられるだろうし」 「ああ(笑)」 「で、あっという間にじょりぃに嫌われると思うよ。 じょりぃ相手じゃ、あたしはホントに気が休まらない。落ち着かないと思う」 「ワタシもキミと一緒にいても落ち着かない」
こんなことで、やっと気が合いました('-^v)
「じょりぃはさ、きょんさんのところが居心地がいいんだよ」 「それはそうさ。だから、きょんと一緒にいるんだもん。そして、キミも今の家族のところがいちばん居心地がいいのだよ」 「相性が悪いってこと?あたしたち」 「たぶんね。 相性っていうより、なんだろな・・・要は居心地が悪いんだよ。うまくいかないんだよ。 で、ワタシはそれは、ずっと前からわかっていて、それでもあなたを追いかけ続けてしまったのですよ」 「『だからこそ』追いかけていたんでしょ? じょりぃの方を向かないことがわかってたから」 「かもね(笑)。 で、このままキミが『友情』を強調すればするほど、この後も追いかけられ続けてしまうわけだね」 「友達でいなくなられちゃうより、そっちのほうがいいかも、と思っている、勝手でズルイあたしがいるんだよね。 じょりぃがいなくなったら、あたしはホントにさびしいから」 「ワタシは友情優先で行くよ、これからも。 だから、そのへんは心配しないで」 「・・・・うん」 「でもさ、ワタシの気持ちも、今日みたいに冗談めかしたりしながら、小出しに伝えていくと思う。それくらいは許すといいだろうね」 「(笑)」 「今までは好きだって言えなかったから、自分の中にひとりよがりに気持ちが溜まっていったじゃん?」 「うん。だろうね」 「こうやって、伝えて発散していくのは、お互いにとっていいことだと思うんだよ。そのうち、伝えきってしまえば、好きという感情に飽きるよ」 「飽きるのか」 「いや、わかんないけど実は。 でも、ひとりで考え込んでいるよりは、サッパリした感情になる可能性は高いよね?」 「うん」 「そうなると、好き好き!って感情にも、飽きる可能性が高くなる。伝えるたびに玉砕するわけだしさ」 「んー・・・・」 「だから、この感じで行かせて欲しいな」 「きっと飽きちゃったら、今まで通りのつきあいの友達じゃなくなっちゃうよ、じょりぃ。 自分でもそう思うでしょ?」 「今までの経験から行くとその可能性は高いけど、キミとこんな展開になるのは初めてだから、先のことはわからない」
そして。 この前までは、この手の話の時は「母親が子供に対する愛情」に近いものとして、自分の気持ちを伝えてくれていたナナだったのですが。
「じょりぃと関係した人たちってさ、みんな『おかあさん』化しちゃうのね」 「うん。そうだね。まわりじゅう、おかあさんばっかり」 「あたしはじょりぃのおかあさんになるつもりはないから」
え!
なにその突き放したような感じ。 さびちい。
「なにそれ」 「ていうかさ(笑)。あたしは自分の子供たちにも、いわゆる『おかあさん』的な感情を持たないようにしようと思ったのだよ」 「ますますわからん。あなたはおかあさんじゃないですか」 「日本的な親子ってことでさ、子供にべったりな母親にはなりたくないなと思って。 今のままだと、子供たちが巣立っていったら、あたし、ぽっかりと穴が開いたようになって、悪い方向へ行ってしまいそうだから」 「その可能性はあるよね」 「だから『おかあさん』はやめるの」
ええと。 ワタシに対する「おかあさん」をやめるのはナゼ?
と問うてみましたら
「(笑)よくわかんない。 けど、あたしはとにかく、友達としてのじょりぃを失いたくないのだよ」
友達友達うるさいなあ。
が、もともとはこんなに友達とか友情とか人とのつながりに執着する人ではありませんから。 ナナなりに、特別な感情を持って、ワタシを大事に思ってくれていることは間違いないのでしょう。
それにだいいち、単純に「友」としてのワタシをこんなに欲してくれた人が今までいたでしょうか。いや、いない。
ならばワタシも、このオトモダチ関係を大切にしなければいけません。 ていうか、大切にしたいです。
20年以上の過剰な独りよがり的恋愛感情と、友愛のぶつかり合いを、オトモダチという関係に昇華させれば、ワタシとナナはうまくつきあっていける、というわけですね。
恋愛感情 × 友愛 = 良いオトモダチ
今現在の、ナナとワタシの方程式です。 (算数が苦手なので、おそろしくシンプルな式しか立てられませんが) 今のところ、ワタシは概ね満足です。 旅行の時に「ご希望があるのなら」ナース服も着てくれると言ってますし。(まだそんな話をしているワタシたち) 「せっかく買ったのに、もったいないもんね」だそうです。
ワタシたちも、せっかくここまで来たのです。 仲良くしていかないともったいないもんね でございます。 ワタシもナナも初体験となる、「深いオトモダチ関係」のなりゆきに、まだしばらくは身を任せてみようと思っております。 ていうか、それしか手がないんですけどね。 (°▽°)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \ <これ、ホントに便利
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