ナナとワタシ
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2004年11月28日(日) |
実録・ある家族の夜(といっても1時間半ほどのできごと) |
ナナの家におみやげを届けに行ってまいりました。
夕飯も済んで一段落したナナ家へ到着。 ピンポンを押すと、中から 「どなたですかぁ?」(<わかってるくせに)の声。
長女ちゃんです。 中2。 難しざかりで、立派に両親の悩みの種になってきております。ってことは健全に育っているということです。
「新聞屋ですけど」 ベタなボケをかますじょりぃ。 「あ、ウチは結構ですから。サヨナラ(笑)」
笑いながらカギとドアを開けてくれた長女ちゃんの後ろには、末子ちゃんと、今日はもうひとりちびっこいのがおります。
「あのねじょりぃちゃん、今日はミイたんもいるんだよ」と末子ちゃん。
ナナは3人姉妹の多産系でございますから。 姪・甥もけっこうおります。 ミイたんは、その中の小さいほうから2番目、5歳の女の子です。 ちなみに3番目が末子ちゃんで、もうすぐ6歳になります。 ということで、今日の末子ちゃんは「おねえさん」モードです。 いつも気取っておりますが、今日は輪を掛けて気取りまくっております。 ミイたんの前でカッコつけているのか、いつものようにワタシにベタベタしてきません。 (とはいえ、去年の今頃は、ミイたんがちょっとでもワタシと話すと、ものすごいヤキモチ妬いてミイたんを殴ったりしていた末子ちゃんだったんですが)(凶暴)(誰に似たのか)
末子ちゃん・ミイたんに挨拶していると、さらにその後ろから、くねくねと踊りながら次女ちゃん11歳が登場。 ワタシと目が合うと「やだ〜ん☆見ないで〜ん」と叫んで走って逃げて行ってしまいました。謎。
子供たちに囲まれて、じょりぃ、上機嫌でリビングへ。にこにこにこ。
「どうも」 と、白いモヘアなセーターを着た人間が。
あ、ナナ。
いたの。
子供に夢中でキミに会いにきたということを忘れていたよ一瞬。<マジ
今日はにぎやかです。 あれ? パパは? きょろ きょろ。
いないのか。(にや)
と油断しておりましたら
「ただいまー」
パパ、ご帰宅。 ち。 って、ウソウソ。 というのがウソだったりしますが。
ミイたんがいるのでおみやげはまだ渡せていませんが(ミイたんの分はないので)、パパも帰ってきて、たいへん和やかに時が流れております。 ナナもくつろいでおりますし。
そのうち、長女ちゃん・次女ちゃんは、おみやげチェックに興味があるのか「末子とミイたんは、もう上に行って寝な」とちびっこにプレッシャーをかけ始めました。 言わせてもらえば、君たちもそろそろ寝る時間なんですけどね。
末子ちゃんは「じゃあ、末子がミイたんに本読んであげるね?」と、お姉さんモード全開なのですが、ミイたんは次女ちゃんが大好き。 「次女ちゃんも一緒じゃなきゃ寝ない」とグズっております。 「もう、しょうがないなあ。じゃあ次女も一緒に行ってあげるよ」と、気のいい次女ちゃんはふたりを連れて2階へ。
リビングに残ったメンバーで、ハワイの話なんかしたりして。 やはりたいへん和やか。 今日は長女ちゃんも穏やかに、楽しそうにしております。
と、そのとき。 2階から「うわあああああああああん」と、泣き叫ぶ声が。
「あーあ。 末子がしつこくして、次女ちゃんにやられたなこりゃ」と長女ちゃん。 「ママ、見に行ってこいよ」とパパ。
しばらくして、ナナが2階から降りてきまして。
「末子だいじょうぶ?」と長女ちゃん。 「いや、次女ちゃんがやられた(笑)」とナナ。
ミイたんが次女ちゃんになつき、次女ちゃんも姉としてその場を仕切りたがったために、逆上した末子ちゃんにひっかかれたそうです。 目の下ざっくり。 目を狙うあたり、攻撃のなんたるかを知っています末子ちゃん。 というわけで泣き声は次女ちゃんだった様子。
こうなってしまうと、次女ちゃんはもうワタシの前にも家族の前にも姿を見せてくれません。 日頃くねくねと踊っているくせに、繊細なのであります。 泣いた後に、人様の前に姿をさらす事なんてガマンならないのであります。 このへんの気持ちはワタシも痛いほどわかりますので、今日は次女ちゃんにおみやげを手渡すのはあきらめ、長女ちゃんにお願いすることに。
和やかさに影が差してまいりました。
が、ここんちではこんなこたあ日常茶飯事でございます。 気を取り直して。
うちもハワイに行くか!と、パパと長女ちゃんで盛り上がり、旅費の計算などして盛り上がっております。 5人だし、金かかるよなー、とか、オレも鉄砲撃ちてえとか、楽しそうなパパ。 ワタシもたまにぼそぼそと会話に参加して楽しんでいたのですが、 「ママはハワイで何したい?」とパパがキッチンにいるナナに話を振ったその返事が
「あたし行きたいなんて言った? 家族で行きたいなんてちっとも思わないんだけど。大変なばっかじゃん(冷笑)」
和やかさに影が差してまいりました。
ていうより、ナナ。 客人(じょりぃ)の前で、パパにむかってそれはないんじゃないのか。 パパがはしゃいでいたのが気に入らなかったのかもしれませんが、でもワタシが気にならない程度だったんですから、ナナだってそんな、つっかかるような物言いをする必要はないんですよ。 何か、パパに対してイライラしているものがある様子。 あ、もしかしてさっき客人(じょりぃ)がいる前でパパが 「ママ、今日下っ腹が出てねえ?」 と言い放ったことを根に持っているのでしょうか。(持ってないだろうな)
不穏な空気を察知し、どうしていいかわからず、ソファに置いてあった絵本「ねないこだれだ」(名作です)をもそもそと開いたじょりぃ。
「そうだけどさあ。 そんな風に言わなくてもいいんじゃねえの?」とパパ。 そのとおりです。
が、ここんちではこんなこたあ日常茶飯事でございます。 気を取り直して。
パパと長女ちゃんがおしゃべりしてまして。 長女ちゃんが、パパをからかうような、バカにするような発言をしつこくいたしました。 彼女がキゲンのいい証拠みたいなもんなのですが。
しかし、客人(じょりぃ)の前で、娘にバカにされてパパもムッとしたらしく。 急に長女ちゃんに向かって、ナナ家で今いちばん問題になっている長女ちゃんの学校での態度やらについて説教を始めてしまったのでした。
やばいんじゃないのぉ?パパ・・・ と、またもやこそこそと「ねないこだれだ」を開くじょりぃ。
学校のことは今の話の流れにまったく関係ありませんし。 当然長女ちゃんは「なんで今その話が出るの? カンケーないじゃん(冷笑)」と。 「パパはいつだってそのこと考えてるんだよ。パパだけじゃないだろ?ママだってさー、先生だってさー」 「わかったから」<フキゲン入ってきました。 「だいたいおまえ、甘ったれて(長いので以下略)」
パパ。 やめたほうがいいですよ。 客人(じょりぃ)もいるんだし。 長女ちゃん、立場ないですよ? だいたい、ワタシと長女ちゃんはその問題について触れたことがないんですから。 長女ちゃん、ワタシの前ではしらばっくれていたかったかもしれないのに。
「だからわかったよっ」と長女ちゃん。 「わかってねーよ」 「・・・・わかってるんだよね、長女ちゃん」 じょりぃ、小さな声で助け船。 「うん」 長女ちゃん、恥ずかしそうな小さな声で返事。 ちょっとかわいい。 「わかってるんならなんでさー・・・」とパパ。 「ちゃんと長女ちゃんなりに考えてるんですよパパ」 もういいじゃんかと微笑みながら遮るおせっかいじょりぃ。 「そうだよ!もういいよパパは! 部屋もどる」 <すげえ早口
長女ちゃん、席を立ち、一瞬ワタシの顔を見てから泣きベソ顔になったあと、リビング脇の階段をどんどんどん、と登って行ってしまいました。
しーーーーーーん。
ところで。
ナナはどこに行ったのだ?
「とうとうふたりっきりになってしまいましたね☆」 と、無理矢理軽やかにワタシ。 「・・・・どう思う? あの態度」 と眉間にしわを寄せつつパパ。 「んーーーーーー・・・・・ワタシがいたから、バツが悪かったんでしょうね」 ていうか、あんたが悪いあんたが。 「だいたいさー、(ナナから年中聞いてる長女ちゃんの話なので以下略)」
和やかさに影が差してまいりました。
パパもやさしい人ですし。 娘のことは大好きですし。 日頃は理解もあって、甘すぎるくらいなんですが。
ちょっとタイミング間違えちゃったかな。 ワタシというギャラリーがいたので、張り切りすぎてしまったのかもしれません。
て、 待てよ?
さっきから客人(じょりぃ)のせいで、トラブルが勃発しているような。 和やかさに影が差しているような。
あわあわあわあわあわあわ 泡。 ワタシのせいで、和やかな家族の夜に影が差しっぱなしでございます。 てことではないんですけど本当は。
どこからともなくナナがやってまいりました。(どこにいたのだキミ)
「あんな風にいきなりわざわざあんな話題出せば、長女、怒るに決まってんじゃん(冷笑)」
泡。 やってくるなりパパにイヤミ? ケンカしないでよねー。 とはいってもこの夫婦は「イヤミのジョブ」か「パパが部屋にこもる」程度のバトルしかしませんが。 ケンカしない主義夫婦でございます。 うちも見習わなきゃ。
「そもそもあいつが悪い」とパパ。 「(ナナ、無視)」
じょりぃ、みたび「ねないこだれだ」を開くことに。
が、パパはワタシにむかって、ナナに対する言い訳のようなことを話しかけてまいりまして。 パパの気持ちもわかりますので(針のむしろでございましょう)、にこやかに話を聞いているじょりぃなんですが。
プリプリさん(ママ)がそばにいますし、相づちだって打ちづらくてしかたありません。
しばらくして。
「・・・・・俺、長女のとこ行って謝ってくるわ」 とパパ。
エライ。 エライわパパ。
「そうですね。 いいことじゃないですかー」と持ち上げるじょりぃ。
が、奥様は
「(冷笑)無駄だと思うけどね。 ていうか、火に油を注ぐだけじゃない?」
泡。
ヒヤヒヤしたじょりぃはちらっとパパを見ましたが。 パパは黙って二階に上がっていきました。
冷え切った空気の中、リビングはナナとじょりぃだけに。 正直言って、怖いです。
「まったくさー」と、怒り笑いしながらナナ。 「ん?」 「人がいるところであんな話すれば、怒るに決まってるじゃんね」 「んーー・・・」 オマエモナー。 「せっかく今日は、長女もすごく楽しそうだったのにさー。 だいなしじゃん」 「(苦笑いしながら、またもや「ねないこだれだ」を開くじょりぃ)」 「あーゆーんだよねーパパ。 なんか、たまにパフォーマンスしたがるんだよ」 わかっているのか。 「んーー・・・・」<なんとも言いようがありません。 「・・・・・・」 「ちょっとベソかいてた」 「誰? 長女?」 「うん」 「(ためいき)」 「少しかわいそうだったかもね」 「まあ、どっちもどっちだけどね。 そっくりだもん、あのふたり」
そうなんですよ。 そっくり。
しばらくして、パパが降りてまいりました。
「長女、こっち来るってさ」 にこにこにこ。とても嬉しそう。 「よかったですね」 パパ、がんばったね。 「もうああいう話しないでよ」 だから怖いよママ。声低いし。
長女ちゃんが戻るのを待つ間、パパとワタシでガンシューティングのことで盛り上がりまして。 エアガンでもおもしろいもんなー、とか、そのうち動いてるもん撃ちたくなっちゃうんだよなー、とか。 ワタシはもっぱら聞き役でございますが。(話すのめんどくさいもんで) ワタシも興味のある話なので、楽しく会話しておりましたら。
「(-'o -) はーーーーーーーっ」
キッチンから、ことさら大きなためいきが。
コーヒー入れてた、ナナ様のためいきでございます。 なにかこう、アピールっぽいためいき。
・・・・・・・・・・何が気に入らないのかしら。 とりあえず、たぶん、ワタシじゃないはず。 パパがゴキゲンにしているのが憎たらしいのか、さっきから「パパ、お風呂入っちゃってよ」と言っているのにパパが入らないことに苛立っているのかもしれません。(こういうつまんないことでイラつくんですよナナ)
ためいきつくと、幸せがひとつ逃げるぞー。
と、茶化すフリして諭そうかなとも思ったのですが、それをきっかけに、またナナがパパに文句を言い始めてもめんどうです。 パパもいいかげん気の毒ですし。 ということで、ワタシもパパも一瞬凍っただけで、ためいきは無視することに。
ちょっとしてから、ナナが二階に子供たちの様子を見に行きました。
するととたんに、パパがナナのグチを。 まあ、無理もありません。 ワタシがパパの立場だったら、やっぱりそうしたくなることでしょう。 なのでひたすら「うん、うん」とあいづち。
・・・・・・ワタシったら、一体なにしに来たんでしょう。
しかし、グチとはいっても、パパのグチって結局 「こんなに問題のあるアイツだけど、でも俺、仲良くやってるんだぜー」 という感じのものですので、かわいいもんです。 これがホントにナナの悪口だったらワタシだって聞いていられませんが。 こういう「ウチのって、ダメなヤツでさー」的オノロケって、ワタシもけっこうやっちゃいますし。 「ダメなヤツ」と言われるほうはたまったもんじゃありませんが。 言ってる本人は悦。
パパのグチが続いている途中で、階段から足音が。 パパ、目を上に泳がせたあと、話をいったんピタ と止めまして。
怯えてます。 なんかかわいい。
「もうやめときましょうね」と「今の話はナイショにしておきますよ」という意味を併せて、ワタシは「しーっ」と人差し指を口の前に持っていきまして、にっこり。 パパがビビって自分から話をやめた、という形よりも、ワタシが「やめときましょ」という形にしたほうがパパもカッコがつくでしょうし。 菩薩のようにやさしいじょりぃ。と自分で言っておきます。
階段を降りてきたのはやはりナナでございました。
「パパ、もうお風呂に入っちゃってよ」 「んー」 「長女が入る前に入っちゃって」 「・・・・・・」 「さっきから言ってるのに」 「入るよ」 「だからもうすぐ長女が来ちゃうでしょ? すぐ入って」 「俺はまだ飲んでるんだよっ」
・・・・・・・じょりぃ、「ねないこだれだ」を開・・・って、もう飽きました。
長女ちゃん登場。
「よーう」<じょりぃ 「えへへへ」
ゴキゲンが治ったようです。
「パパはTPOをわきまえないんだもん」と、パパの前の椅子に座りながら長女ちゃん。 「なにがTPOだよ」とパパ。
このあと、楽しそうにとはいえ、またくどくどと「パパはTPOなってないよね」ということを言い続ける長女ちゃん。 もうやめときなはれ。 ホントにあなたたちはよく似ていらっしゃる。
パパの顔色が変わってきたのを察知したじょりぃは 「長女ちゃん、パパがやさしいパパのうちに、そろそろやめておけば?」 と、微笑みつつ警告。 「そうだよ。 すぐ調子に乗るんだから。もうやめな」とナナ。 「あ、ゴメンね?パパ。怒った? TPOわきまえてるから怒らないよね?(笑)」としつこい長女ちゃん。
ナナ、キッチンから 「おまえはー、いいかげんにしなよー」(低)(怒)
ナナが「おまえ」って言ったーーーーーー!!!!<じょりぃ、なぜか激しく興奮
長女ちゃんのおかげで、いいもん聞かせていただきました。
そのあとの会話で、流れは忘れてしまったのですが、なぜか長女ちゃんから 「ママ、妊娠してるんじゃない? 4人目?」 という発言が出まして。
なに? と心は色めきたったものの、相変わらず菩薩の笑顔(自称)のじょりぃ。
貼り付いたような笑顔のまま、ちらっとナナを見ましたら。 ナナもめずらしく、こちらをちらっと。 すぐ目を逸らされましたが。
・・・もしかして、気を使わせているのかもワタシ。 「妊娠話なんて、じょりぃ、いじけるかも」 とか。
いや、きっとそれは自意識過剰。 とりあえず、笑顔笑顔よ今日のワタシの仕事は。
「妊娠なんてしてないよ。何言ってんの?(笑)」とナナ。 「4人目ほしいなー。あたし男の子がいい!ママ☆」 「よくそーゆーことが言えるよねー(笑)。 今だって『妹ばっかりかまって、あたしのことかまってくれなーい』とか言ってビービー泣くくせにさぁ」とナナ。 「ホントだよなー。自分がいちばん甘ったれてるくせして」とパパ。 「TPOがわからない人に言われたくない」 長女ちゃん、しつこいな。
パパがいよいよムッとしたのを見て、じょりぃ発言。
「あ、じゃあさ、いいじゃん、4人目男の子を産んでさ」
3人の目がワタシに向きました。 う、うまくフォローしなければ。
「名前を『てぃぴ男(TPO)』にしちゃえば?」
空気が凍ったところで、じょりぃ、おいとますることにしました。
ぐったりと疲れて帰宅。 徹夜明けの頭に「家族ゲーム」はハードでございました。 PCを立ち上げると、携帯メールの着信音が。 長女ちゃんからです。
「おみやげありがとう! 今日はすねちゃってゴメンね」
こーゆーとこがさりげなくうまいのは母親譲りでしょうか。 やれやれ。 かわいいなぁ、と思わされてしまったじょりぃは、また今度はクリスマスに向けて子供らのために稼がなければなりません。 どっこいしょっと。
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