ナナとワタシ
ナナとワタシ
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2004年08月08日(日) あたしに話して

ゆうべ。11時半を回ったところで、ナナからメール着信。

「この前はごめんね。今夜仕事が大丈夫なら映画を観に行かない?」と。

今からですか奥さん。
上映時間を調べてみたら、次の回は2時半からです。

ナナに電話しまして。
「次、2時半だよ」と伝えましたら「じゃあ無理だね」と。
そしてこの人ったら、ケロっとしてます。
「落ち着いたよーおかげさまで。えへへ」とか言ってます。

まあいいんですけどね。
ワタシホントにやつあたりだけされたんだなこりゃ。

その電話で少し話をしたんですが。
まだ子供達も起きているらしく、込み入った話はできそうにありません。
なので、早々に電話を切りました。


なーーーーーんか、 おもしろくないのっ。


と思っていたら、1時ちょっと前にナナから電話。
「子供達が寝たから、話ができるよ」と。

ちょっとだけゴキゲンがなおるじょりぃ。

で、いつものように、子供の話メインでだらだらと話しまして。
すっかりいつものナナに戻っていましたが。
それでも相変わらず頭の中は子供のことでいっぱい。

しかも、前回のナナワタラストでおどおどさせてくださった「ゆっくり話を聞きたい」という話というのは、結局子供とワタシに共通する不安材料についてだったのでした。

「なんだ。 話がしたいというのは、子供がらみのことだったのか」とワタシ。
「え」
「(無言)」
「  違うよっ」 <めずらしく慌ててます。
「ふうん」
「そりゃ子供のことだったけどさ、じょりぃのことも心配だったからだよ」
「いやいいんだよ別に(乾笑」

ばかやろうびくびくおどおどさせやがって。
って、ワタシが勝手におどおどしていただけだったんですが。

そのうち、テンション低めのワタシを気遣ったのか、ワタシのことに話を振るナナ。

「何かあったの? 元気ないよね、ずっと」
「なにも。 あえて言うなら、『心が人肌恋しい』って感じかな(笑)。カラダが求めてるわけじゃないよ念のため」
「あはははははは。でもなんとなくわかるよ。 なんだ、さびしいのか」
「別に」
「さびしいって言うのがカッコ悪いと思ってるんでしょ?」
「まあね」
「言えよ」
「言ったよ」 言ってないけど。
「例の好きな人の問題?」
「んー。 そうかも」
「相変わらずなの?」
「んー」

このあいだ、「じょりぃの好きな人はわかった」めいたことを言われたので。
この話題については今までにも増して話がしづらいじょりぃ。

だったのですが。

「じょりぃの好きなのが誰で、現在どんなつきあいなのかもわからないと、あたしも役に立ちようがないよなー」とナナ。

はい?

「・・・・このあいだ、わかったって言ってなかった?」
「あたしが? 言ってないよ」

はい?

「言ったじゃん」
「え」
「忘れたのか」
「それ、じょりぃの夢とかじゃなくて?(笑)」


殺す。


「キミは日頃、ワタシの話はまったく聞いていないのかね」 中年紳士風口調のじょりぃ。
「聞いてるよっ。ちゃんと。 あたし、そんなこと言ったかなあ」
「ワタシがウソをついているのだとしたらわかるって言ったんだよ」 

ワタシが寝言を言っていると思われると悔しいので、どうせ忘れているのなら「おまえちゃんと言ったんだよ!」という立証だけはしておきたいじょりぃ。
どうせ覚えちゃいないんですから、そう危ない橋でもないでしょう。

と思ったら。

「ああ」とナナ。 「言った言った」
「思い出してくれたのなら、この話はもういいよ」 自分の都合で話を仕切るワタシ。
「そのあとあたし、メールしたよね?」

やば。
橋が危なくなってきました。

「そうだったかな」
「じょりぃの好きな人って、男の人なの?って訊いた気がする」

ぎくっ。
思い出さなくてもいいことを今さら思い出さないでください。
今までころっとワタシの重大問題なんて忘れていたくせに。
ていうか、ワタシまたカマかけに引っかかったのでしょうか。

「で、それには答えてもらえなくてー・・・」
「そうだったかな」<どこまでもとぼけるワタシ
「・・・でも、あたしが『この人かな?』って思った人じゃないのかもー、と、最後には思ったんだよ。だからやっぱりわからないや」

誰だと思ったんですかアナタ。 脱力。

「ねえ、きょんさんにもなっちゃんにも、その人の話ってしてないんでしょう?」
「うん」
「なんで? ふたりともすごくじょりぃのことわかってて、好きでいてくれて、ずっと一緒にいるのに?」
「だからできないということもあるのだよ」
「どうしてあたしには話してくれるの?」
「どうしてかな」
「ネットのお友達とかにも話さないの?」
「話す」
「そのへんの感覚、あたしにはわからないな」
「ワタシのことを知らないし、ワタシの生活とは関わらない人たちだから、話しやすいんだよ」
「あたしに話さないことも話してる?」
「うん」
「・・・そうすると、ラクになるの?」
「うん」
「その人の名前は実名で話すの?」

ぎく。

「ううん。 仮名(笑)」
「ええと・・・・『よしお君』とか?」
「わはははははははははよしお」  なんでよしお?
「なんて名前で話してるの?」
「言いたくない。よしおでいいよ


「その人はさ、じょりぃのキモチを知っているの?」
「わかんない」
「ねえ、でもさ。 そんなに好きなら、やっぱりその思いをちゃんと伝えるべきだと思うよ」
「なんのために?」
「もしじょりぃのキモチに薄々気づいているとしてもさ、その人だって、ちゃんと言ってもらわないと、自分はどうしていいのかわからないかもしれないじゃん。もうちょっとじょりぃのキモチに応えたいとか、もし思っていたとしても」
「知ったところでどうにもできないじゃないですか」
「相手もとまどっているかもしれないよ?」
「でもさ」
「うん」
「知らなければ、とまどうくらいで済むじゃん」
「うん」
「知ってしまえば、相手もワタシにある程度気を使うだろう」
「・・・・・・もし相手もじょりぃのこと好きだったら?」
「(笑)ちょっと考えられないけど。 もしそうなら、なおさら伝えてはいけないよね」
「どうして?」
「状況的にやっかいでしょ? 相手には家庭もあることだし」
「そうだね」
「今の状態なら、ワタシだけ上がったり下がったりしてればいいのに、わざわざ相手を巻き込む必要はないよね」
「・・・・じょりぃ、やさしいんじゃん」
「ワタシはやさしいんだよ」

今頃気づいたか。<調子に乗りすぎ

この時点でもう4時を回っています。
ナナはいじけ気味のワタシにつきあって、こういうワタシ寄りの話をしてくれているんだろうなと思い、「もう寝なきゃね」と何度か振ってみるものの、ぐずぐずと話を続けるナナ。
話を聞きたいと思ってくれているのかな。なんか悪いな。

「あたしは恋愛の回路って、もう閉じてしまっているからなー。 あたしに話してもつまんないでしょ」とナナ。
「閉じてるんだ(笑)」
「もともと、じょりぃみたいに人を好きになったことないみたい」
「でも、好きにならないわけじゃないんでしょ?」
「うん。 ていうか、恋してる雰囲気は味わいたくて、一生懸命きゃぴきゃぴ『好き!』って思ってた」
「(笑)」
「ねえ、その人のどういうところがそんなに好きなの?」  げっ。
「それがよくわからないんだ」 <本心
「なんだそれ(笑)。 そんなに好きってことは、欠点のない、パーフェクトな人なの?」
「いや。 欠点だらけ(笑)」 <失礼です
「あはははははははははははははは」 
「なんていうか、もう、その人への気持ちが、遺伝子に刷り込まれていたんじゃないかという感じなんだよね」
「運命の人なんだ」
「うん。 結ばれることのない、運命の人だ(笑)」
「(笑)かなしいねー。 じゃあさ、初めて会ったとき、どう感じたの? びかびかっとか、輝いて見えた?」
「いや。 初めて会ったときは、なんとも思わなかった」
「なんだそれ(笑)。それでホントに刷り込みなのかよ」

ははははは、と笑って。

「でもさ、相手の本当の姿を見るにつけ、きっとキモチは冷めていくんだろうね」とナナ。
「そうはならないと思うけど」
「きっとそうなるよ。『思ってたよりバカだ』とか言っちゃってさ」 決めつけてます。
「ははは。言いそうだけど。そうなっちゃうのかな」


「その人を見てるときってさ、どんな風に見えるの?」
「? どういうこと?」
「もう、すっごくすっごくステキに見えちゃうわけ?(笑)」
「うん。こう、マンガとかじゃないけど、紗がかかって、キラキラして見える(笑)」
「きゃはははははは。そのときって、じょりぃ、どんな顔してその人のこと見てるんだろうね」
「うっとり」
「うっとりってどんな表情?」
「にひゃ〜っとして、幸せそうなのではないかな」
「いつだって幸せそうじゃん。いつもそんな顔してるじゃん(笑)」

だからその意味を考えろ。
と言いたいところですが、ワタシはたいてい「じょりぃさんはいつも幸せそうねー」と呆れられるので、あまり意味がないかも。

「あたしもさ、誰かをそんな風に好きになってみたいな」とナナ。
「恋愛の回路は閉じているんでしょ?」
「ていうか、閉じようとしているんだよ。結婚してれば、みんなそうなんじゃないの?」

おや?
以前は「あたしは今後絶対恋愛しない」と言い切ってた人なのに。

と、伝えてみましたら。

「そう言ったかもね。 でも、変わったかも」
「変わったのか」
「うん。 好きになってしまうかも」
「そう。 よくないね」 <いったいワタシはどうしたいのか。
「だから押さえるんだろうけど。 でも今までみたいな、自分でも気づかないくらいに押さえ込んでた感じはなくなってる」
「ふうん」

恋愛ジャンキーと一緒にいると、うつるんでしょうか。

「ねえ、やっぱりキモチを伝えてみたら?」とナナ。
「相手の迷惑になるのはイヤなんだってば」
「そっか。家庭を大事にする人なんだっけね」
「うん」
「でもそうだよね。そういう人のがいいよね」
「うん」
「なんかさ、向こうもじょりぃのコト好きだとして、家庭を放ってじょりぃに夢中になってしまったら、引いちゃわない?」
「引くね(笑)」
「そういう、家庭を大事にするその人が好きなんだもんね」
「うん」


「あたしがもし誰かに好きになられて、あたしも好きになってしまったとしたら」
「うん」
「『いや、いや』って、相手を拒んでしまうと思う」

なんかいやらしい。

「いや、いやって、それって、かえって相手をそそっていまいそうな気がするんですが」
「カラダを求められて拒んでいるわけではないですから(笑)。それに、実際にそんなことは口に出さないけどさ」
「うん」
「相手のことが好きでも、好きってそぶりは絶対見せないと思う」
「好きでも?」
「うん。 好きでも(笑)」
「絶対?」
「うん。絶対」

もしまぐれに奇跡がかかって、ナナもワタシのことを好きになったとしても、拒まれることが判明いたしました。


「もう寝ないとね」とワタシ。5時になっちゃいます。
「うん」
「じゃ・・・・」 「あのさ」

今度はなんだ。

「はい?」
「仕事のこととかは、なっちゃんとかきょんさんに話せるんでしょ?」
「うん」
「そのほかのいろんなことも、話せる相手がいるんでしょ?」
「うん」
「じゃあさ、好きな人の話は、あたしに話して」
「え」
「あたしはじょりぃほど恋愛経験も豊富ではないし、役に立てないと思うけど」
「そんな風に思ったことはないよ」
「好きな人のことで落ち込んだり、さびしくなったりしたら、とりあえずあたしにグチってよ」
「・・・・・・・」
「じょりぃの性格だと、さびしいって言いづらいのはわかるけどさ」
「うん」
「言えばいいじゃん(笑)」
「    ありがとう」
「メールしてよ。さびしいって」
「家族中が見るあなたの携帯にそんなメールを送れません」

ワタシもかわいげがないですけど。 でも正直な気持ちです。

「・・・・ごめんなさい」 あら素直。
「いえ。 あの、いいんですけど」
「でも長女はもう見ることないし。自分の携帯持ったからさ」
「うん」
「パパに見られないように、あたしいつも携帯を携帯するようにしてるんだよ最近(笑)。寝るときもふとんに持って行ってるし」
「そう」
「パパも見ないけど。めったに」
「うん」
「あ、でも次女ちゃんとは兼用だからな」
「やっぱり無理だ(笑)」
「じゃあ、暗号を決めておけばいいんじゃない?」
「暗号?」
「だから、その手の話がしたくなったら、うーーんと・・・『おなかすいた』とか送ってくれれば(笑)」
「わははははははは。 でも、次女ちゃんやさしいから、それ見たら『次女がチャーハンつくってあげるよ!』とか返信してくれちゃいそう」
「ママー、じょりぃちゃん、おなかすいてるんだって、かわいそー、なんてね(笑)」
「はははははは」
「空メールでもいいから。何も書かないで送ってくれればいいじゃん」
「・・・ありがとう」
「あたしもこの調子だから、いつも自分のことでいっぱいいっぱいだけど。それでも、じょりぃからその手のメールが来たときは、そのときの自分なりに、一生懸命対処するからさ」
「うん」
「だからちゃんと、教えて。さびしい気持ちのときは」
「うん。ありがとう」


このあと電話を切ったのですが。


なんだかおかしなことになってしまいました。

ワタシはナナのことでさびしくなったり落ち込んだりしたとき、ナナにその相手が誰だかわからないように、ナナに力になってもらうわけですか。

む、む、難しい。


でも、一生懸命、ワタシの力になってくれようとしているのは、すごく感じました。
嬉しかったです。

というわけで、おどおど病は治癒いたしました。
単純でスミマセン。


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