ナナとワタシ
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2004年07月30日(金) |
たかが煙草の火で大騒ぎですよもう |
ナナとイタリアンレストランに入って。
その前に煙草を買っていたナナ。 「ライター持ってる?」とワタシに。
いつもは持っているんですが、今日はたまたま持っていなくて「ないよ」と。
ワタシ、喫煙者なんですが。 しかもナナの影響で吸い始めたんですが。
ナナの前では吸ったことがありません。 ていうか、「アタシ、煙草なんざ吸いません」ということになっております。 しかし、一度油断して、一緒に温泉に行ったときに喫煙現場を見られております。 そのときに「吸うの?」と訊かれ「ううん」としらばっくれまして。見られてるのに。
その後、自販機で煙草買っているところを、塾帰りの長女ちゃんに目撃されまして。
「じょりぃちゃんて、煙草吸うの?」と、後日長女ちゃんに訊ねられました。 「吸わないよ」(泳ぎ目) 「だってこのあいだ買ってたじゃん」 「ジュース買ってたんだよ」 「あそこ、煙草しかないよ」 「ジュースもあるんだよ」
ウソツキです。
というわけで。 たぶんワタシの喫煙はナナにもバレているんですが。 ナナにとってはそんなこたあどーでもいーことですので、しらばっくれていてくれてるみたいです。 しかしたまに、このように当然のごとく「火、持ってる?」と訊かれます。
で、さきほどの「ライター持ってる?」「ないよ」に戻ります。
メニューのオーダーをしたときに、ナナが「マッチもらえますか?」と店員さんに頼みまして。
しかし、忘れられました。
お姫様のヤニのために、いそいそとレジに向かい、マッチを取ってくる下僕じょりぃ。
「はい」とマッチをテーブルに置きまして。 「ありがと。 あ、 店員さん、今マッチ取りに行ってるみたい」 「えっ。 じゃ、じゃあ、これ、隠さないと悪いよね。せっかくだもんね」
何もそんなに店員さんに気を使うこともなさそうですが。 じょりぃ、びくびくしながら、手のひらでマッチを隠しました。
「あ。 やっぱり違った」 「なんだ。 はい」 マッチをナナの方にちょっと押し出すじょりぃ。
「あ。 やっぱり取りに行った」 「えっ」 また隠すじょりぃ。
「あ、違った」
アナタ遊んでませんか?
ナナ、マッチに火をつけまして。 なんだか、すごーく変わったつけかたです。 どこの男に教わったんだよと言いたくもなります。
今日のナナの煙草は、いつもと銘柄が違います。 好みが変わったのかしら。 と思いながら、ぼーっとしておりましたら。
「この煙草、今日初めて吸うんだけど、吸う前の匂いよりメンソールきつくないや」とナナ。 「さっきの自販機に売ってなかったの?いつもの」 「うん」 「めずらしいね」 「うん。これもまずくないからいいんだけど。 吸う?(笑)」
煙草の箱を持って、にこっと笑ってくれましたが。 ワタシは喫煙者ではないのですよナナ。
ふるふると、首を横に振って辞退するじょりぃ。 ホントはいただきたい気持ちでいっぱいですが。
食事の後に、ナナがふたたび煙草を取り出しまして。 さっきと同じように、マッチを擦るんですが、火がつきません。
「つかないなー」
しゅびっ しゅびっ しゅびっ
そんなけったいなつけかたしてるからだ。 ワタシに貸してみたまい。
と思うのですが、ワタシがマッチに火をつけたら、そのあとどうしていいかわからないではありませんか。 ナナのくわえている煙草に、ワタシが火をつけるんですか? 恥ずかしくて、マッチでなくて顔から火が出ますそんなの。
困ったなーと思い、もう一度ライターを探してみようと、バッグをごそごそと覗くじょりぃ。 やっぱりないや。
「何探してんの?」 「ん。 ライター」 「ないんでしょ?」 「うん」
「ちょっと貸して。マッチ」とワタシ。
このときに、ナナが「あたしにつけられないのに、不器用なじょりぃに火がつけられるもんかい」という顔をしたのをワタシは見逃しませんでしたが。 ワタシ自身も、ナナができないもんをワタシができるはずがないとは思ったのですが。 まあ、チャレンジですよ人生は。
しゅびっ しゅびっ しゅびっ
ダメか?
しゅびっ ぼうっ
やった! やったよ母さん!!
・・・・・で、でも、この火、どうしよう。
「ほら、つくじゃんか」
といばったあと、そのまま灰皿へマッチを捨てようとするじょりぃ。 不毛です。無駄です。だいたい火をいたずらするとオネショしちゃいます。
灰皿まで手を持っていったところで。
ナナが煙草をワタシが手にしているマッチに近づけてきました。
うわお。
手が。 手が震えませんように。(震えましたが) 早く煙草に火、ついてくれ。
うわあああああああああ恥ずかしいよううううううううう。
ナナの顔が離れて。 しばらくマッチを見ているじょりぃ。 消し方を忘れました。 ていうか、消し方はわかるんですけど、お線香とごっちゃになって、「どうやって消すのがお作法だっけ?」と混乱。 うわっ。火がっ。 指が燃えますっ。 山が燃えると天城越えです。 とりあえず、振れっ 振るんだっ。 げっ。消えないしっ。
ぷうっ と吹いて消しました。 はぴばーすでいとぅーゆー てな感じです。
ああ、緊張した。 ていうか、なんなんですか一体ワタシのこの大騒ぎは。 ちょっと自分で自分がイヤになりました。
でもだって、なんだか陳腐じゃないですか?煙草に火ぃつけてあげるのって。 別になんとも思ってない相手ならなんにも考えませんけどワタシだって。 「好きな人の煙草に火をつけてあげる」ってのが、なんとなく陳腐。
と言いつつ、こんなに緊張してるってことは、ワタシ実はこんなホストめいた行為にこっそりと憧れていたんでしょうか。 ああもう。カッコ悪いなあ自分。 今まで好きになったりつきあったりした女性って、誰も煙草吸わなかったものですから。 どうしていいのかわからないんですよね。 男の人はつけてあげると喜びますね。 だからつけてあげなかったりするんですが。
そして、その後ワタシたちは映画を見るべくふらふらしていたのですが。(結局見なかったんですが) 「映画の前に、一服してもいいでしょうか」とナナから申し出がありましたので、シネコンの隣にある喫煙室へふたりで入っていきました。
ぅ暑い!!!!
どうしてここだけエアコンが効いてないんですかっ。 空気清浄機は動いてますけど。 蒸し風呂ですよこの中。 喫煙者って、やっぱり世の中から嫌われているんですねと痛感。
「あついよーーーここーーーー」弱虫じょりぃ。 「暑いね。でもあたしにはちょうどいいな。なんかホッとするよ」寒がりナナ。
おまけにここ、大変混雑しておりますが。 8畳くらいの部屋の真ん中に「でんっ」と空気清浄機兼巨大灰皿が置いてありまして。 ちょっとテーブルも兼ねているような。 しかもこの部屋、椅子というものがありません。 立ち食いソバ屋みたいです。 壁際にも灰皿が点々とあって、みなさん壁際でぷか〜っとしてます。 カップルが二組、テーブルに肘をつきつつぷか〜。
「なんか、すごい人口密度だね(笑)」と小声で呟きながら、ナナ、煙草を取り出しましたが。
火、どうするんだろ。 今度はちゃんとつけられるのかな。 こんな人の多いところで、視線の逃げ場のないところで、ワタシ、火つけてあげるのイヤですよ?
しゅびっ しゅびっ しゅびっ しゅびっ
・・・・・つかないみたい。
黙って手を出したら、ナナがワタシの手のひらにマッチを乗せまして。
ふたたびホストめくじょりぃ。 やだなーもー。人がいるのに。 きっとワタシたちのことなんて見てないはず。誰も見ないって。もう、ワタシの自意識過剰☆
とか心の中で言い聞かせながら、やっぱり「手が震えませんように手が震えませんように」と祈りつつ儀式を済ませました。
食事のときと違ってテーブルを挟んでいない分、親密度もアップ☆
なんて考える余裕もありゃあしませんよ。 ていうか、ワタシ、煙草になりたい。あんな風に、くちびるで軽くくわえてほしい。<変態
「ありがと」
余裕な顔して煙を吐き出すアナタが憎い。<演歌調
ああ疲れた。 って、自分で勝手に疲れてるんですが。
で、なぜかこのマッチ、ワタシが持ってるんですが。 大騒ぎの記念に、ここにそのマッチ画像をアップしておくとしようかいのう。 と、恥ずかしいので爺さん口調になってみました。
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右端の一本だけが、ナナが点火に成功したマッチです。 どうでもいいですかそうでしょうね。
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