ナナとワタシ
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先週の金曜日頃でしたか。 ナナとメールのやりとりをかなーーーーーーーーり久しぶりに行いまして。 そのときに「夏休みでゲッソリ」ということと「来週は夜は時間がつくれそうだから、遊びに来れば」ということを言われまして。
わあい。来週会える。
というのが今週なんですが。
月曜日(今日は火曜日です)になって、張り切りじょりぃはさっそくメールいたしました。
「今週、遊びに行ってもいいの?」と。
・・・・・・・・放置。
と思ったら、電話が来ました。
「いいよ、きても」とナナ。偉そうですね。 「じゃ、行く」 「あ、でも水曜と木曜と金曜と土曜と日曜はダメだ」 「・・・・・じゃ、月曜と火曜しかないじゃん」 「(笑)そうだね」 「しかも今日って月曜だし」 「そうだね」 「じゃ、明日?」 「いいよ」
か、か、かろうじて遊びに行けることに。はふー。
で、今日になりまして。 午後になってから、ナナから電話が来ました。
「今日、来るの?」 「え・・・そのつもりだったけど」 「いいんだけどさ。 あたし、出かけることになったから、来てもあたしいないけど」 「え!」 ひ、ひどいそれ。 「ゴメン」 「ん、わかった。・・・・・じゃあ今日は」 やめておくよと言いかけたところで。 「一緒に出かける?」
え! いいの?
「うんうんうん行く行く行く」<夢中 「(笑)じゃあ、映画でも見ようか」 「うん」 「スパイダーマン2かシュレック2見たい。時間調べておいて」
はい。 お姫様。<イヤミ
「わかった。 ね、なんか、鼻声じゃない?大丈夫?」 とワタシ。 「ああ(笑)。泣いたからじゃない?」 「泣いたの?」 「ゆうべもずっと泣いてたし。今日も泣いてるし」 「なんで・・・」 「長女とケンカしたから」
泣かされるなよおかあさん。
「だいじょうぶー?」 「ダメ。だから今日は家出するの。子供たちも協力してくれるって言ってるし」 「なるほど。だから出かけるのか」 「うん。 別に出かけたいわけじゃないんだけど。子供達が見当違いな気遣いをしてくれたので、まあ、せっかくだから」 「・・・・・・・」 「なんだか、悲しくて悲しくてしかたないんだよ。だから今日、あたし、すごーーーーくイヤな態度でい続けるかも。それでもいいの?」 「いいよ。 じゃ、イヤな態度を楽しみに出かけます」 「おまけに、泣き続けていたせいで、すごく顔が腫れぼったいの」 「じゃ、それも楽しみにしております」
指定の時間にナナを迎えに行くと。 末子ちゃんが「ママ行っちゃダメ!」とぐずっておりまして。 ナナがまた落ち込んでおります。 キッチンからはナナと長女ちゃんの怒鳴りあいに近い口論が繰り広げられております。 次女ちゃんもキレてます。
なーんていう儀式を40分ほど繰り広げたあとに、なんとか末子ちゃんの説得ができて、出発することに。
「ゴメン」とナナ。 「いや。こちらこそ。・・・・映画でいいの?」 「(無言)」 「温泉とか?」 「あたし今日生理」 「そうか」
出発。 したのはいいんですが。
シネコンのあるショッピングモールまで、50分の道のりなんですが。
ずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと無言なんですけど。ふたりとも。
なんか、ナナ、しくしくしくしくとずっと泣いてるし。たぶん。ハッキリ顔見てないけど。泣いてるみたいですよ?
ワタシ、どうしたらいいかわからないし。何泣いてるかもわからないし。 何も話さないということは、ひとりで殻に閉じこもって泣いていたいのかもしれないし。
というわけで、ビクビクしながらも放置。
あと5分くらいで到着、という頃になって、ワタシがやっと口を開きまして。
「泣いてんの?」 「泣いてないよ」
ずっとメソメソしてるくせに。 これはアレです。「あたしに構うな」というサインでございます。
で、シネコンにつきまして。上映時間の10分前に着きました。 泣きべそ顔のナナと一緒にエントランスへ。
「チケット買ってくるね」とワタシ。 「待って」
ん?
「・・・・この次の回にしようかな」とナナ。 「いいけど・・・・帰りが(夜中の)12時になっちゃうよ?」 「・・・・・・」 「ママ(ナナのことです)の好きでいいよ。ワタシは今日は大丈夫だから」 「ねえ。 ショッピングモールで時間潰してさー、子供達が遅くなっても大丈夫そうだったら次の回を見るのでもいい?」 「いいよ(笑)」
喉が乾いたと言うので、店に入って軽い食事も兼ねたあと、子供達の服なんかを見てまわりまして。 結局どうしたって、子供のことが頭から離れないナナ。 子供達へのおみやげも買って、そろそろ映画の時間だよということで、シネコンに向かったのですが。
チケットを買うワタシをまた引き留めます。
「長女に遅くなっても大丈夫か訊いてもいい?」と、長女ちゃんにメール。 映画始まっちゃいそうだな、と気になりながらも、長女ちゃんからの返信を待ってみたのですが。
返事が来ません。
ベンチに座って、ぼんやりと待つふたり。
「ねえ」とナナ。 「ん?」 「あたし、映画見れば元気になるのかな」 「(笑)どうだろうね」 「あたしはどうしてこんなに悲しいの?」 「そんなときもあるよ」 「じょりぃもあるの?」 「ないかも」
説得力なし。
「あたしさ」とナナ。 「うん」 「これで、元気出なくても、映画がつまらなくても『おかげで楽しかったよ!ありがとう!』って、にこにこ帰っていかなきゃいけないのかな」 「バカだな。 そんな無理しなくていいんだよ」
と言ったところで、またナナの目がみるみるうちにうるうると。 そして涙がぽたりと。
子供達が気を使って息抜きさせてくれたのだから、息抜きしきった状態で帰らなければいけない、と自分を追いつめているらしく。
「キミ、マジメだなあ」 「・・・・・(泣き笑い)」
ここで長女ちゃんからメール。「余裕! ゆっくりしてきなよ」ですって。
「いいこだなあ」とワタシ。 「うん」とナナ。
「ねえ、 映画、見なくてもいいんだよ?」とワタシ。 「・・・・・・・」 「映画って気分じゃないんじゃないの」 「・・・・じょりぃは見なくてもいいの?」 「別に。映画見たくて来たわけじゃないし。ママが見たいなら見るし。どっちでもいいよワタシは」 「・・・・・・・・(苦笑)」 「のんびり決めて」
「じゃ、見なくていい?」とナナ。 「うん」 「ゴメン」 「(笑)じゃ、どうしようか。とりあえず、外に出ようか」 「うん」
こういうとき、お酒が飲めない人って不便ですね。 にぎやかなところはイヤ、お酒飲むところもイヤ、どこか行きたいところがあるわけじゃないけど家には帰りたくない、カラオケなんて言語道断、というかたでございます。
「ワタシ、気が晴れるようなおもしろいところって知らないんだよね。ゴメン」とワタシ。 「もう。 ダメだなあ」
すみませんねえ。
「どっか、くつろげる場所でのんびりしたいんでしょ?」 「うん」 「じゃ、温泉行こ」 「だから生理なんだってば」 「入っちゃえばいいじゃん」 「ヤダ。だいいち、じょりぃ一緒に入れないんでしょ? 何してるわけ?」 「待ってる」 「バカみたい」
大いばりです。
「じゃ、どっかでご休憩とか?」
下心なしで言ったんですよ!本当に。ワタシは大マジメに、ナナに休息をとってほしかっただけなんです。
「は? なにそれーーーー(笑)」 「なにそれって、いや、だからさ」 ご、誤解されたかな。あたふたあたふた。 「なんでご休憩なわけ? どこに行く気だよ(笑)」 「ラブホとかじゃないよっ。 どっか温泉宿でさ」 「こんな時間にご休憩させてくれる温泉宿があるかい(笑)」 「ちゃんと宿泊料払って、泊まらずに帰ってくればいいんだろっ」 「おかしいよそれ。だいたい、こんな時間じゃ泊まるって言ったって断られるに決まってるじゃん」 「のんびりしたいって言ったから一生懸命考えたんだよっ」 「きゃははははははははご休憩だって」
言わなきゃよかった。 でもナナ、笑った。
結局ドライブすることに。 「移動はストレスに有効なんだよ」と話しましたら「うん。それはよくわかるよ」ということで、決定。
ぶぶーーーーーーーーー。
50分後、ナナの家の側に通りかかったときに。
「ねえ。 あたしんちの前の道、通って行ってくれない?」 「いいよ。 心配なら帰るかい?」 「ううん。 まだ帰りたくはないの。 ただ、家の様子がみたいだけ、遠くから」
マジメだなあ。
というわけで、まっくらな道に車を止めて、100メートル先のナナ宅を眺めるふたり。
「まだみんな下にいるのかな。寝てないのかな」とナナ。 「どうだろうね」 「おねえちゃんはまだ起きてるな」 「うん」 「あ。 誰かトイレ入った。きゃはははは」 「(笑)」 「末子はもう寝たって言ってたからな。次女ちゃん、ちゃんとお風呂に入ったかな」 「キミ、家が好きだねえ(笑)」 「(笑)」 「そんなに好きなのに、家出するんだね」 「ホントだね。 アタシってバカだ」 「・・・今日はこれからずっとここにいようか」 「うん・・・・・でも、じゃ、もう少しだけ」
20分ほど、そこでそうやって、家の灯りをぼんやりとふたりで眺めておりまして。
「・・・・家に帰るかい?」 と訊ねてみました。そろそろ子供達が恋しいのではないかと思ったのです。 「んー・・・・どうしようかな。 でも、パパも帰ってきてるみたいだし。心配はいらないんだけど」 「キミの好きにしていいよ」 「・・・・・・もう少し車でふらふらしたいな」 「じゃ、ちょっと行ってみようか」
ぶぶーーーーーーーーー。
結局あてどもなく、正味2時間ほど走って帰路につくことに。 このころには、まだいつもより無言が多いとはいえ、ナナの口もだんだんなめらかになってまいりまして。
あと15分走ればナナの家、というところまできて
「コーヒー飲んでから帰らない?」 と、ナナが提案してくれたので、通りすがりのデニーズへ。
ここではいつものナナにかなり戻りまして。 いろんな雑談をいたしました。 もう目が勝手に潤むようなこともなくなって、ワタシもちょっと安心。 家に帰ればまたどうなっちゃうかわからないんですけどね。
1時間ほどおしゃべりして、今度こそ帰路へ。
ナナの家について。
「今日はゴメンね。ありがとう」とナナ。 「いえ。 ワタシも・・、 ごほん ワタシは楽しかったよ」
今日のナナが楽しかったとはとても思えないので、ビミョウに訂正するじょりぃ。
「(笑)あたしも楽しかった。 ホントにありがとう」 「うん」 「映画もゴメン。 ちゃんと行こうね」 「うん」 「おやすみ」 「おやすみ」
ナナの涙が乾くまでに、家に帰る勇気が出るまでに、7時間半かかりました。
せっかく乾いたけど、今頃また泣いているのかもしれませんね。 またワタシを思い出してくれたら、思う存分振り回してください。 そんなときくらいしか、お声がかかりませんしね。(哀愁)
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