ナナとワタシ
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今日は、前回「心当たり騒動」で流れてしまった、映画鑑賞の振替日でございます。 「白いカラス」を見に行くのであります。ナナと行くのであります。
だけど。
昨日・一昨日と、ナナは家族で遠くの海へ旅行に行っておりましたので。 ワタシとしては無理かなあと思っておりました。 「ゴメン。疲れた」となるのではないかと。
しかしまあ、ワタシなら疲れます。 旅行って、なかなか「のんびり骨休め」というわけにはいかないものであります。 まして、あちらは子供連れ。体力も気力も使うでしょう。 ワタシなら行きたくないかも、映画。しかも午前の回。むこうの都合でそうなったんですけど。
ナナはもともと体力のあるほうではありません。 腕力はワタシよりありますけど。 なので、ワタシは半分あきらめモードでございました。
で、今朝。
出かける1時間前に、ナナに電話をしてみましたら 「疲れてないよ」と。
やった。 デエトですよデエト。
ナナの家に着くと、今日はすんなりと家から出てきて、車に乗り込んでくれました。
「はい。これ。 おみやげ」
頼んでおいた貝殻にしてはデカイなあ。 と思ったら。
違うものでした。
コレ。
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・・・・・・・・。 カブトムシの模型のセットでございます。 ワタシ、この人にいったいいくつだと思われているのでしょう。 ていうか、海に出かけて、なぜ昆虫模型セット? そういえば、2月にワタシの家族がハワイに行ったときのおみやげはミニカーでございました。
・・・・・・・。
でも嬉しいですけど。
「わあい。 嬉しいな」 「なんか、これを選んでしまいました。 ていうか、あたしはクワガタのほうがいいと思ったんだけど」 「カブトも好きだよ」 「うん。 パパは『絶対カブトだよ』って言うから、そんなもんかと思って、クワガタやめてカブトにした」
ワタシはホントはクワガタのほうが好きです。ずっと。 でも、せっかく買ってきてくれたんですし。パパが「こっち」って言ってくれたんですし。 カブトも嬉しいです。
「クワガタのが良くない? あたしはクワガタのが好きなんだけどな」とナナ。 「実はワタシもクワガタが好きだ」 「だよね。 なんでカブトのがいいって言ったんだろ、パパ」 「男の人はさ、強い方がいいような気がするんじゃないの? でもクワガタのが美しいよね」 「そうか。 強さに惹かれたわけか。納得」
でも、カブトもいい感じですよ。ほら。
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ていうか。 貝殻は? 忘れちゃったのかな。 でもここで催促するのはなんだか野暮だしな。
ということで保留。
さて、映画の話に戻ります。
ワタシったら10分遅刻しまして。 今日行く予定の○○○というシネコンに、間に合うか間に合わないか、という時間でございます。 しかも本日、道路清掃で道が混んでいます。
と、ナナに伝えましたら「混んでるのかー」と呟いた後に
「気が変わった。 △△△のほうのシネコンに行こ」と。
「え!」 すごい気の変わりよう。 前回のデジャブですか? 「△△△がいい」 「・・・でも、そっちでは白いカラス、午後しかやってないよ」
そもそも、あなたが「白いカラス見たい。あ、お昼頃には終わるシネコン見つけておいて」とワタシに命令を下したので、そこに決定したというのに。
「じゃ、スパイダーマン2でもいい。そっちのが見たい気持ちになってきた」 「時間が合うかどうかわからないよ?調べてないし」 「しょーがないなー」
しょーがないのはおまへだー。
「がんばって間に合うように道を選ぶからさ、とにかく○○○のほうに行ってみようよ。間に合わなかったらスパイダーマンなりなんなり、時間の合うのを見ることにしない?」 「だって、そこって初めて行くとこじゃん」 「うん」 「勝手がわからないのがめんどい。△△△がいい」
どうも、駄々をこねたいモードらしいですね。 そもそもこの人、初めて行くところが大好きなくせに。
「じゃあ、引き返そうか?(△のほうは、反対方向) でも、同じくらい時間かかっちゃうよきっと」 「ふうん。 いいよじゃあ。じょりぃの好きで」
一生懸命道を選んで、当初の予定通り○○○に向かい、時間に入れました。ほっ。
映画鑑賞。 最近は横にいるナナに必要以上にドキドキせず、映画に集中できるようになりました。
それにしてもこのシネコン、すごーく快適です。 エントランスのつくりもあか抜けていて、なんだかわくわくします。 ディズニーランドみたい。 (ディズニーランドがあか抜けているという意味ではありません。念のため) で、スクリーンが他のシネコンよりデカイんですよ。 前列の座席との距離もゆったり、椅子も背もたれが高くてふかふか。 うかつにつまらない映画でも選んでしまったら熟睡してしまうことでしょう。
映画を見終わったあとは、ナナ、ケロっとした顔で 「このシネコン、いいねー!」と。 「そうだね」 「次からは、もう他のシネコンには行きません。ずっとここにしよ☆」 「・・・・・・・うん」
出がけにあんなに駄々こねたくせに。 恥ずかしくないんでしょうか。 と言いながら「もう、しょうがないなあにこにこ」なんてワタシなのでホント困っちゃうんですけど。
そして、帰りの車の中でいつものように映画について話したのですが。
「どうもニコール・キッドマンに感情移入できなかった」とワタシ。 「だいたい、汚れ役、とか言っても、あの人キレイ過ぎだよね。あたしもピンとこなかったな」 「うん。 それにあの人のベッドシーンて、いつもなんか、色気ないんだよね」 「キレイすぎるのかな」 「うううん・・・・・。なんか、不感症っぽく見えるのだよ」 「(笑)」 「なのに喘いだりするから、色気はないのにアダルトビデオっぽく見えてしまう」 「なるほどね。 でもさ、あたしはじょりぃなら、キッドマンに感情移入できるかと思っていたよ」 「? どういう意味?」 「(笑)なんとなく」
はて?
今回のニコールの役は、不幸まみれな上に仕事は糞尿まみれ、というものなのですが。 確かに不幸で、お気の毒だとは思うのですが、それが薄っぺらくてですね。(ワタシ個人の感想です) 悲しみに奥行きを感じることができなかったんです。 すぐ怒るし。 頑なすぎるし。
「ホプキンスの家に泊まった翌朝の、キレぶりとかは頭にきたよ。この女はいったい何を怒っているのかと」 「あははははははは。 じょりぃならキッドマンの気持ちがわかってあげられるんじゃないの?」 「?」
また。何が言いたいのかしら。
「どういう意味? ワタシが怒りんぼってこと?」 「あなたは怒らないでしょ? そうじゃなくてさ。 良かれと思って、好意で行ったことに対して怒りで逆襲されてしまっても、気持ちがわかってあげられるんでしょ?」
だんだんわかってきました。
またきょんとの話を振ってるんですね、この人。
「・・・・・・何が言いたいの?」 「別に。 あたしならイヤだけどね。そんな状況」 「ワタシだってイヤだよ。そんな状況」 「あははははははは」 「なんだよー。 何が言いたいかハッキリ言えば」 「べつにいいいいいい」
ナナは最近、この手の話題でよくつっかかってくるのです。 一度、きょんのワタシに対する態度でプリプリしてから、その後は遠慮なく「それでもなんできょんさんと一緒にいるわけ?」めいた話題をこのようにたまに小規模に振ってきます。 振ってきて、つっかかってはくるのですが、だから何が言いたいのか、ワタシに何を言わせたいのかはよくわかりません。 単にからかって遊んでるだけかもしれませんが。 ワタシとしては少々不愉快です。 大きなお世話ですし。
そのあともしばらく、その話題についてチクチクといじめられながら運転しまして。 ナナの家につきました。
「お昼どうする?」とナナ。 「もう1時過ぎてるし。 時間ないでしょ、あなたが」 「うん。 まあ」 「帰るよ」 「わかった」
が、その前に。 ワタシは催促せねばならないものがあります。
手のひらをナナに差し出して、 「貝殻」
「は? ああ。 忘れてた」
え!
持って帰ってきてくれなかったの?
「取ってくるね」
ほ。 渡すのを忘れてただけですか。 安心しました。 ていうか、忘れるなよこのやろう。
ナナが戻ってきまして。
「どれがいいかわからないから選んで」と。
選んでほしかったのにーーー。
「キミが選んでください」 「わかんないよー。・・・・・・うううううううん・・・」
3つ選んでくれました。 これです。
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おそろしく小さいのがありますが、「小さいのがいいって言ったから、子供が張り切って小さいの探してくれた(笑)」ということだそうです。 なくしそうです。
「おかげさまで、子供たち、貝殻拾いがすごく楽しかったみたい」
それはよかった。 でも確かに、漠然とヒマ潰しみたいに貝殻拾いをするよりも 「じょりぃちゃんが、これこれこういう貝殻がほしいんだって」とお題を与えられての貝殻拾いのほうが断然楽しそうです。
ワタシの意図とは大幅に食い違いましたが、そんななりゆきなら何よりでございました。
「ありがとう。嬉しいです」 お礼を述べるじょりぃ。 「ねえ、2時半までに家に戻れれば大丈夫なのだよ」とナナ。 「うん?」 「お昼、食べない?」
食べますとも。
パスタを食べに行きました。 そこでの話題は、おもに「パパの運転がいかに危ないか」についてでございました。
「遠出するたびに、パパのことキライになっちゃう」とナナ。 「・・・・・・・・・」 じょりぃ、無言。 よそさまのゴタゴタに首をつっこみたくありません。
「車間を空けるとか空けないとかの問題じゃないんだよ。煽るんだよ。前の車を」 「うーん」 「『こうすれば、たいてい道を空ける』とか言っちゃってさ」 「前の車が急ブレーキ踏んだらどうするんだろうね」 「あたしもそう思うんだよ。 全然そんなこと考えないみたい」 「しかも、のろのろ走るような人って、たいていバックミラー見ないようなタイプが多いからね。おまけに、気まぐれに予測できないところでブレーキ踏んだりね」<きょんです 「言われてみればそうだよね。 でもさ、自分の運転技術に絶対の自信を持っているらしくて、あたしの言うことなんて全然聞いてくれないんだよ。確かに、すごい狭い隙間でも、ひょいっと車線変更したりして、そういうのはうまいんだけどさ」
この手の運転をする人については、ワタシ、非常に言いたいことがあります。 ということで、言ってしまいました。
「そういうのってさ、その人がうまいんじゃなくて、まわりがうまいんだよね、実は」 「どういうこと?」 「危険予測して、入れてあげてるんだよ。 まわりが気を使った運転をしてくれているから、無茶をする人が事故らずに無茶ができているのだよ」 「・・・・・・・・」 「あ、パパがどうこうっていう話じゃなくてさ。 一般論だけど」 言い訳じょりぃ。 「ていうか、その通りだと思うよ、言われてみれば。 ねえ、じょりぃからそう話してよパパに」 「言えっこないじゃん。 ワタシ、嫌われたくないし」 「じょりぃの言うことなら聞くって。 それにほら。 いつもみたいに、テクニックを駆使した、上手な話し方をしてくれればさ」
なによ。テクニックを駆使って。
「そんなテクニックないです」 「仕事だと思ってさー。 お願いっ」 「いやだよ」
そりゃワタシだって、ナナや子供たちの安全が心配ですから? パパに運転をなんとかしてもらいたいのはやまやまですが。 「テクニックを駆使して」話してわかってもらえるのなら努力をしますが、たぶん聞く耳もたないでしょう。 だとしたら、ワタシ、嫌われるばかりで、そうなるとナナに会いづらくなります。
「そのうち、大きい事故起こすよ。すごいスピードで無茶するんだもん」とナナ。 「(冷笑)そしたら離婚すれば? お金も大変だし」 「マジでそうしちゃうかも。子供たちと生活していかなきゃならないし」 「確かに、そうなっちゃったらそうしたほうが利口かもね」 「パパ、あたしがいなくなっちゃったら、ボロボロだろうな。 すごくかわいそう」 「かわいそうだね」 「今だって、あたしがいるからパパはシアワセなんだもん」 「(笑)そうだろうね」
不思議とイヤな気持ちにはなりませんでした。 そうそう、そのくらい自信持って生きてくれ、てな感じでございます。
「そうやって話してみれば?」 「離婚をネタに脅すの?(笑)」 「うん」 「そうだなあ・・・・その線しかないかもな。 やってみようかな」
パパの反応が楽しみでございます。
冗談抜きで、ホントに運転を改めてもらわないと事故を起こすでしょう。 パパひとりならまだいいですけどね。 ナナや子供たちまでいなくなるようなことになってしまったら、ワタシとしてはもうどうしたらよいものやらわかりません。
とまあ、物騒な話をしながらランチを終え。 ナナを送ってワタシも帰宅。
それからマジメに仕事を・・・・しないで、もらった貝殻を使って、携帯のストラップづくりをいたしました。 夏らしい、シンプルなのがいいな、ということで、いちばん丈夫そうな白い貝殻を選んで、こんなものをつくりました。
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乙女です。 恥ずかしいです。
貝殻だけだとさびしいので、「やっぱ、ロザリオ?」」ということでシンプルな十字架も一緒に。 こんにちは。マーサ・スチュワートです。
ナナも十分楽しんだ海の旅だったようですが、おかげさまでワタシも楽しめました。
あとはパパが安全運転するようになってくれることを祈るばかりでございます。 ホント、頼みますよ、パパ。 セーフティドライブがいちばんカッコいいのですよ?
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