ナナとワタシ
ナナとワタシ
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2004年06月02日(水) プリプリ・ナナ

ナナにちょっと会いました。 もう、4日ほど前でしょうか。
届け物がありまして。
朝、電話して「これから頼まれてたもの届けてもいい?」と訊きましたら「わざわざ来るの?こっちに用事があるの?」と。
用事はなかったんですが、ないと言えば「じゃあ、わざわざじゃ悪いから、いいよ」と言われるのがわかっていたので「うん。そう」とウソをつき、教習所に申し込んだ帰りの足で、ナナの家へ。
帰りの足で、って言っても、全然反対方向で、まさに「わざわざ」なんですが。
ワタシにしてみれば、ちいっとも苦じゃないわけでございます。

で、玄関先でブツを渡しまして。ちょっと話して。ホントに他愛もないことを。2分くらい。
え、そのときに結局「それだけのために、わざわざ来た」ということも白状させられたりして。あらあら。

「じゃあ寄ってく時間あるの? お茶でも飲んでいけば?」とナナ。

寄りたかったけど、社交辞令だろうし。

「ううん。帰る」
「仕事があるの?」
「うん」

帰宅。


ここまで、伏線です。


そして今日。ナナから電話。

「落ち着いたんですか?」と。
きょんとのゴタゴタのことでございます。

「うん。おかげさまで」
「もうすっかり、何事もなかったかのように?(笑)」
「まあね。表面上は」
「もうわだかまってないの?」
「よくわからない。 とりあえず、慣れた」
「慣れた?」
「うん。 ゴタゴタしてからの心境に、慣れた」

そのあと、何かいろいろと抽象的な質問をしてくるナナ。
何が言いたいのか、何が訊きたいのかよくわからなくて、とんちんかんな答を返すワタシ。
しばらくちぐはぐなやりとりをしまして。
どうも、遠回しに何か言いたいことがあるのではないですか、アナタ。

「何が言いたいのかよくわからなかったりするんだけど」と、正直に伝えてみたワタシ。

「んーーー・・・あのさ、  じょりぃはきょんさんと一緒にこのまま暮らしててもいいの?」
「(笑) なに、突然」
「だってさ、なんか、見返りがないじゃん」
「見返り?」

見返り?
ってなにそれ?

「そんなもん誰にも期待してないけど?」とワタシ。
「んー・・・  物理的な見返りじゃなくてさ、精神的な見返りだよ」

前回の電話(きょんとケンカしてすぐの電話)のときも、ナナはきょんに対して「どうして?」と思ってしまったようで。
しまったようで、と他人事のように言ってますが、そう思わせてしまったのはワタシだったりするんですが。
ナナには今回のゴタゴタの、差し障りのない部分(要するに、ワタシときょんが実は内縁関係みたいなもんだ、というところだけ伏せた内容)を話したので、ナナなりになんだかもやもやしていたらしくですね。

前回の電話のときに、めずらしくきょんを批判したナナ。
以下がその内容です。

「前にさ、あたしがきょんさんのことを非難するようなことを、じょりぃに言ったことがあったじゃない?」
「あったっけ?」
「あったんだよ。 そのときに、あたしじょりぃにきっぱりと言われたんだよね。『きょんのことを、悪く思ったり悪く言ったりは絶対するな』ってさ」
「ああ。 言ったねそう言えば」

ワタシもなんだかたいした態度でナナに申し伝えたものでございますが。
いつもはペコペコと腰が低いクセに、実は図々しいじょりぃの実態が。

ナナの知っているきょんというのは、95%以上、ワタシがナナに話しているきょん像なわけです。
なので、ナナがきょんに対して悪い印象を持ってしまったとしたら、それはワタシの伝え方に問題があるのであって、実際のきょんとは違う、だからワタシの一方的な話だけできょんを判断しないでほしい、と言ったのですよ。
繰り返しますが、たいした態度ですねワタシ。
ならきょんのそんな話をするな、と。
でも、きょんとケンカしたときに限って、ナナが根ほり葉ほり訊いてくるもんですから、そのときの気分をワタシも正直に話してしまいがちなんですね。
で、2年ほど前にきょんが怒りを爆発させてワタシがケガしてしまったとき、ナナが猛烈に怒ったんです。きょんに対してもワタシに対しても。
「なんで一緒にいるの?」「じょりぃがそんな目に遭ってるの聞かされて、あたしは何もしなくていいわけ?」とワタシを責める一方、きょんに対してもエラく腹を立ててましてね。

そのときにワタシが言ったのが上記。
ワタシの話しか聞いてないんだから、一方的に判断するな、と。
きょんに対してフェアじゃないよなと反省し、ナナにお伝えしたわけですが。


「あたし、すごくそれって心に残ってたのよ。 だから、今まで結構きょんさんについては言いたいことがあったけど、じょりぃにそう言われてたから、ガマンしてたんですけど」
「そうですか」  そんなにきょんに対して言いたいことがあったとは。
「でもさー、きょんさん、冷たくない?」
「心根はやさしい人なんだけどね」
「じょりぃに甘えてるんだね」
「どうかな」
「・・・・これからもずっと、きっと一緒にいるんでしょ?」
「たぶんね」
「いいの?」
「いいんじゃないかな」
「じょりぃにもしものことがあって、動けなくなっちゃったりしたときに面倒見てもらえるの?」

ナナ、随分と現実的な心配をしております。

「(笑) そういう『かわいそう』な状態になってしまったら、相手がワタシでなくてもきょんは助けるから大丈夫だよ。『かわいそう』とか、弱い立場の人にはとてもやさしいからね」
「・・・・アナタはそれでいいんですか?」
「別に」
「いいの? なんで?」

ええと。
ナナはどこまでわかってこの話をしているんでしょうね。

「慣れた」
「さっきもそんなこと言ってたけど、何に慣れるわけ?」
「『そういった』状況に」
「それってなんかさびしくない?」
「慣れれば平気」
「・・・・あたしはさ、    うーーーーーーん・・・・・・なんて言ったらいいんだ・・・・・・自分の子供がじょりぃの立場だったら、もう、絶対にイヤ。どうしていいかわからないくらいイヤ」
「子供だったらって(笑)」 アナタ、いつもワタシを子供に例えますね。 萎えます。
「母親ぶって悪いけどさ(笑)。  あたしがきょんさんに物申してはいけないわけでしょ?」
「それは勘弁してください。いい結果になるとは思えないな」
「どうして、さびしいようなキモチのままきょんさんと一緒にいるの?」
「これでいいやと思えるからじゃないの」
「そんなにきょんさんのことが好きなんだ(笑)」

ええと。

「うん。好き好きーはははははは(乾)」

ナナ、反応無し。 何か反応してくれたまえ。 寒いから。

「あたしがたまに、料理をじょりぃに持たせたりするのも、きょんさんのためじゃないんだからね」

なんだ?その展開と話の内容。

「へ?」
「じょりぃのために、持たせてるんだから」
「あ、ありがと」
「きょんさんがじょりぃのこと大事にしないんだったら、あたし、もうああいうことはしないから」

ナナ、誰に圧力をかけたいのでしょう。 さっぱりわかりません。

「どういう意味?」
「うちで食べてってもらえばいいんだもん。 あたしはそれを遠慮して、きょんさんと夕飯食べなきゃ悪いのかなと思ったから、ホントは食べてってもらいたいのを持って帰ってもらってたんだよ」
「え! そうだったの?」
「恩着せがましいとか思われるかもしれないけどさ。ちょっと言いたかった」
「いや、思わないけど。    どうもスミマセンでした」

なんだ、そんな風に考えていたのですか。
でもやっぱりナナが何を言いたいのかよくわかりません。
ていうか、「食べてってもらいたかった」なんて初めて聞きましたが。混乱じょりぃ。


「何考えてるかわかんない」とナナ。
「誰が?」
「じょりぃ」
「そう?」  ワタシにはアナタの考えていることの方がさっぱりわかりませんが。
「あたしに対してもさ、アナタがいったいどのようにしてほしいのか、わからないわけだ」
「   どういうこと?」
「例えば、このあいだあたしが頼んでおいたものを届けに来てくれたじゃない? わざわざそれだけのために」
「うん」
「すごく悪いな、とか思ってさ。お茶も出さずにさ(笑)。 でもあたし、お茶飲んでけばって言ったと思うけど」  何が言いたいのか。
「言ってくれたね」
「でも帰ったでしょ?」
「うん」
「寄りたくないのかな、と思って無理強いしなかったんだけど、どうだったの?」
「寄りたくないなんてことはないよ」
「じゃ、あたしがもうちょっとしつこく誘えば良かったの?」

ますますもって、この人が何を言いたいのかわかりませんワタシには。
なんだか責められてる気がしますし。

「は?」
「そういうことを、ぐだぐだ考えちゃうのよ。 満面の笑顔で『持ってきてくれてありがとう!嬉しい!』とかはしゃいで言わないと、きょんさんに対してみたいにさびしいキモチにさせちゃうのかな、とかさ」
「そんなことしなくていいから」 かえって怖いし。
「もし、そうしなければいけないのなら、つきあいかたを変えなきゃいけないな、と思って」

かちん。

「何それ。 どういう意味?」
「だって・・・・ そうじゃん。 今のままだとじょりぃがイヤなのなら、そうしなきゃいけないんだろうけど、それはあたし疲れちゃうし、だとしたらつきあいかた変えなきゃならないでしょ? 楽しくないもん」

一体なんの話をしているのかさっぱりわかりません。
さっきまで、きょんのこと話してたのに、何これ。

「でもじょりぃは、あたしが好き勝手にしてるのがいいのかなって気もするし」
「そのとおりだよ」
「どうしてほしいの? あたしに」

前回の電話と同じ問いですね。
なんで訊くの?そんなこと。 何が聞きたいのですかあなたは。

「フツウにしててほしい」
「それじゃさびしいんじゃないの?」
「かもね」
「・・・・あたし、旅行に行こうって誘われても時間取れないし」

なにそれも急に。

「いいんだよ気にしなくて。その状況にも慣れたし」
「あたし、こんなことばっかり考えてるの疲れちゃうんだよ」
「考えなきゃいいじゃん」 失礼なヤツだな。勝手に考えて怒るな。
「考え始めると考えちゃうんだよっ。 知ってるでしょ?」
「はい。   でも、つきあいかた考えるとか言うな」
「だって」
「言うな」
「ホントにイヤなら、もうスパッと切るよ、あたしだって。めんどくさいのは嫌いなんだから。 でもそうしてないでしょ」

だからなんだよっうがあああああああああああああ。
キミ、ハッキリしなくて何が言いたいのかわからなくて、まるでワタシみたいですよ?

ああ、イライラする。
あ、なるほど。
こういう心境か。


「あたしさ、昔はじょりぃにすっごい勝手なことばっかり、言ったり頼んだりしてたじゃない?」
「そうだったかな」
「してたんだよ。急に呼びつけたり、つまんない用事頼んだり、長々と電話に付き合わせたりさ」

そう。
あの頃のナナは、その傍若無人さから、きょんやなっちゃんの心証が大変悪かったものでございました。

「ワタシはいっそ、あの頃は楽しかった」
「でもあたし、あの頃はフツウじゃなかったんだよ。ちょっとおかしかったの」
「おかしかったのか」
「うん。 母が亡くなったばかりで感情のバランスが崩れてたし、末子の育児も煮詰まってたし、長女の反抗も始まってきてたしで、すごく参っちゃっててさ」
「そう」
「だから『呼べば来る』じょりぃに、すごく甘えてたのよ。 なんでも言うこときいてくれたでしょ?」
「ワタシは楽しかった」
「でも今は自分でコントロールできるようになったの」
「そう。   よかったね」

ナナにとってはすごく良いことのはずなのに。
もう不安定なナナは見たくないのに。

なぜかすごくさびしいワタシ。


「うん。よかった。 いろいろ考え込まなくて済むようになったのだよ」
「そう」
「でもそれってさ  じょりぃがあの頃あたしにつきあってくれたおかげなんだよね」
「     ふうん」  ぽ。


サゲの後にアゲですか。
ていうか、全体的になんて脈絡のない会話なんでしょう。

あげくの果てには

「じゃ、もう寝る」と突然のナナ。
「え! 寝ちゃうの?」
「うん、寝る。 じょりぃも早く寝なよ」
「わかった」
「寝ないでしょ」
「うん。まだ寝れない」
「もうちょっと早寝のリズムを取り戻してください」
「はい」
「でも早寝しないでしょ」
「うん」
「もういいや(笑)。 おやすみ」
「おやすみなさい」

ちん。


なんだか怒られっぱなしだったんですがワタシ。
イライラプリプリしながら、ワタシのこと心配してくれているんでしょうけど、口調はキツく。


なんだかぽつん、とさびしいじょりぃであります。
なんなのこのおかしな感覚。
ワタシとナナの距離感がつかめません。って、それはもともとですが。
すごく心配はしてくれているけれど、なんだか突き放されたような気もします。


ちょっとブルー。
なぜだ。


そして、眠い。


疲れているのかな。ワタシ。


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