ナナとワタシ
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2004年05月11日(火) |
心から脱力 しちゃっていいのかしら |
ナナから電話。
「落ち込んでるんだけど・・」と。 「なんで?」 「いつものことだよ」 「いつものどれ?」 「(笑) 長女のこと」
しばーーーーーーーーらく話を聞きまして。 ホントにしばーーーーーらく。
話の中で「やさしさは、口に出さないと相手に伝わらないこともあるよ」とワタシが言いまして。
だってナナ、そういうことに関してはすごく口が足らないというか、苦手というか。 長女ちゃんも、ナナにそういったものを求めているのじゃないかなぁなんて思ったもんですから。 ええと、もちろんワタシも求めております。
「でもだってさー、そういうのってちゃんとわかるもんじゃん。口に出すとウソっぽくなるし」とナナ。 「そうかな? もしワタシが口にしなかったら、ワタシのやさしさはわからないと思うよ」 しゃあしゃあ。 「ちゃんとわかるよ。じょりぃはやさしいと思う」 「でもワタシのやさしさは実のところ口にしたとかしないとかじゃなくて、単にワタシが特別キミにやさしくしているわけだからだが」
しゃあしゃあとしてる上に、言ってることが矛盾しているワタシ。 まあ気にしない気にしない。
「特にあたしにやさしいってわけじゃないんじゃないの? じょりぃは誰にだってやさしいじゃん」 「そんなことないです」 「面倒見がいいよね」 「そうかな」 「いいと思うよ。あたしに対しても。すごく心配するしさ、誰のことでも」 「そうかな」 「ていうかさ、もったいないよね」 「何が?」 「そのやさしさのエネルギーを、あたしじゃなく、どっか他に向けたら?」
かちん。 & がーーーーん。
「・・・・どういう意味?」 「だから例えば、きょんさんとかさ」 「心配しなくても、きょんにはやさしくしておりますので」 「そうだろうけどさ。じょりぃのやさしさを欲している人って、いっぱいいそうじゃん」
「ワタシにやさしくされるとウザイって話?」 「そうじゃないよ。 ただ、うーーーーーん・・・なんて言ったらいいのかな」 「・・・・・・・・・・・」 「まあとにかく、もったいないよ」 「なんかさ」 「うん」 「その言い方って、すごくさびしいんですけど」 「え?」 「でもいいよ。 わかった。ワタシの貴重なエネルギーは、もったいないので他の人に回します」 けっ。 「いいけど。人でなくても、例えば睡眠にまわすとかさ。 て言うなら電話切れよあたしもって感じだけど」 「・・・・・・・・・・・・・」
「たまにはあたしを突き放してみたら? こういう悩みごともさ、じょりぃはいちいち『うんうん』て聞いてくれるけどさ、『そんなこと自分で考えろよ』とか言ってみればいいんじゃないの?」 「なんのために?」 「ああそうか、あたし、じょりぃを頼りすぎてる、とか思ってさ、じょりぃのありがたみがわかるかもしれないじゃん」
そんなことまでして、ワタシをありがたがれなんて思ってませんよ。
「別にそんなことしたくないし」 「そっか。 ・・・・んーとさぁ・・・・・やっぱいいや」 「なに? 気になるな」 「うーーーーーーん・・・・・あたしの言いたいことを言うと、じょりぃが触れたくない話題になるかもしれなくてさ」
どっきり。
「な、なに?」 「言ってもいいの?」 「う・・・いいけど」 「じょりぃが話したがらない話だよ。あたしが振っても、いつもはぐらかす話」 「好きな人の話?」 「うん」
ぎょぎょぎょぎょぎょっ。
「じょりぃの好きな人って、あたしなんじゃないかなと思ってさ」 とかいう話だったらワタシどうしたらいいんでしょう。
なんてビビっていたら。
「あたしなんかとこうやって話したり、出掛けたりする時間やエネルギーがあるんだったらさ、その人と会ったり話したりすればいいのに、とかさ。余計なお世話だけど思うわけだ」
がくっ。
「余計なお世話だね」 「そうだよね。 でもさ、好きなんでしょ? 会いたいんでしょ?」 「そうだね」 「会ってるの?」 「・・・・・・・・・」 「話したりしてるの?」 「会ってるし、話してるよ」 「出掛けたり?」 「してるよ」 「いつよ?(笑)」 「不思議だね」 「いつどうやって会ってるの?」 「コピーロボット使ってるんだ」
我ながらアホらしい返しです。
「・・・パーマンの?」ナナ、呆れつつ。 「うん」 「あれってあんまり便利じゃなくない?」 「そうだね。ケンカになるよね」 「どうして?」 「どっちがどっちを分担するかでもめそうじゃん」 「そんなの、コピーの方にイヤなことさせるに決まってるじゃん」 「でもほら、デートのかけもちなんかのときはさ、ワタシならどっちにも会いたいし」 「かけもちしてるの?」
え?
「え?」 「そういうことってあるの?じょりぃ」 「・・・・ワタシ、好きな人がふたりいるんだよ」
思いがけないときに、思いがけないことをカムアウトしてしまいました。 これで今後、もしナナに告白できたとしても「こいつは不実なヤツ」という先入観をもって受け止められそうでホッといたしました。(やけくそ)
でも実際、ちょっとホッとしましてね。 とりあえず、ウソがひとつ減りました。
「じょりぃってそういう人だったんだー」 「うん。ふたりとも、大事なの。とっても」 「ふうん。 人生の楽しみが増えそうでいいねー」<どこまで本気なのか
ここまではまだよかったんですが。
話を進めていくウチに、ナナが本当にワタシの好きな人って誰だかわかってないらしいことが判明していきまして。 それはもう、悲しいほどに。
「ねえ。 本当にワタシの好きな人って、わかってなかったの?」とワタシ。 「うん。 話さないんだもん、わかるわけないじゃん」 「すげーびっくり。驚いたねこりゃ」 ワタシも大胆発言してますが。 「きょんさんやなっちゃんは知ってるの?じょりぃの好きな人のこと」 「知らない」 「タマリンさんは?」 「知るはずがない」 「でもそうだよね。中学の時の同級生って話だもんね」 「本当にわからないのか」 「わかんない」
「わかるけど」とか言われたらワタシもどうするつもりだったんでしょうね。
何はさておきみなさん。 今までの「ナナとワタシ」はなかったことにしてください。 もうワタシ、全削除しちゃいたいような気持ちでございます。 てっきりナナは、ワタシの気持ちに気付いていて、それでもしらばっくれてるもん、という認識のもとに随分と話を綴ってきてしまいました。
「は は は は は は は は は(乾」 「なに?」 「いや。驚いただけ」 驚いて笑う人も気味悪いですけど。
このあともしばらく同じ様なやりとりが続きまして。 ホントにわかんないの?、ホントにわかんないよ、みたいな。
しかも、こんな会話しててまだわからないんですね。 ワタシのことなんて、ホントにまったく意識していなかったんです。 電話しながら、体中の力が抜けました。 脱力という言葉を考えた人は偉大でございますね。
「なんで話さないの?」とナナ。 「話さないんじゃないよ。話せないんだよ」 この会話も今まで何度したことか。 「話せないのか。・・・けっこう意味は違うよね」 「うん」 「話すとじょりぃが困るの?」 「ワタシは困らない」 「誰が困るの?」 「うーーーーーん・・・・・・・キミが困る」 「なんで?」 「それは言えない」 「犯罪者とつきあってるとか?(笑)」 「そうじゃないよ(笑)。 ・・・・・でもここまで話してもわからないんだね?」 「わからない」
マジですか?
「神に誓って、わからないの? とぼけてるんじゃなくて?」
と、もはやわかりっこないなら、と、どんどん発言が過激になるワタシ。 とうとう、神様まで持ち出しました。
「んー・・・・・じょりぃが今までの話で、ウソをついていないのだとしたら、わからない」
え?
ちょっと文が難しかったので考えてみます。
好きな人について、ワタシがナナに話した話の中で、ウソがあるとしたら、あたしには推測不可能だよ、ということですよね。 ていうか、ワタシの話が全部本当なら、ナナには見当がつかない、ということですか。 さらに言えば「あんた、ウソついてない?」ということですよね。
「う、ウソ?」 「うん」 「どんなウソ?」 「(笑)そんなの、あたしにはわかんないよ」
ウソついてます。
そもそもかなり初期の段階で「どんな男の子?」と質問され、そのことについて否定していない時点でウソですし。 でも、否定するわけにもいきませんしねえ。 この、好きな人が「男」だというからみの話については、もうウソつきっぱなしのじょりぃでありますし。
「ウソ・・・・ついてるみたい」 「ふうん。 どのへん?」 「・・・いくつかついてるからよくわかんない」
ふがいない。 しかし、このあとのナナの発言。
「ウソついているんだとしたら、わかるかも」
え?!
「そ、そうなの?」 「たぶん」 「ワタシがウソついてるとしたら、好きな人の見当がつくの?」 「うん」 「・・・・・・・・・」
そう言われた途端、速攻で話題を変えてしまいましたワタシ。
さっきまでの「ホントにわかんないの?」という鼻息の荒さはどこへ? 卑怯・臆病もここに極まれりという感じですね☆
話をそらした後は、ナナもそれ以上つっこんで訊いてきませんでした。
ただ、「じゃあ、あたしと出掛けたいって言ってるときは、あたしと出掛けたいんだね?」と確認されましたが。 「だとしたら、あたしも他の人と行ってこいとかは言わないけど。でもあたしは時間つくれないし、なんだか悪くてさ」と。
なんだかキツネとタヌキの化かし合いみたいです。ワタシたちのこの手の会話。 ていうか、今日はワタシ、ナナの罠にまんまと引っかかったのでしょうかもしかして。 タヌキ、キツネの罠に引っかかるの巻?
でもナナ。 わけわかりません。
たぶんワタシに恋愛感情はもっていないはず。 「ワタシが好きなのはキミだよ」というニュアンスの話をされることに、何かしらの警戒を感じていることはワタシも感じるのですが。 でも訊いてくるんですよね。好きな人の話。
今日も途中までは「ホントにわかってないんだ」と思って、だとしたら興味本位や心配からしつこく訊いてくるのもわかるんですが、途中からの話だと、もしかしたらわかってそうですし。 ナナも知りたいのか知りたくないのか。 それとも、誰か他の女性を想像したりしているんでしょうか。 もうさっぱりわかりません。
ワタシもワタシで、ナナに気持ちを伝えるのはやめておこうと思っているのに、「全然わかってないんだ」と思うとやけにしつこく告白めいたことを言ったりして。 いったいどうしたいんだよおまへ、と、自問自答せずにはいられません。
さっぱりわけがわかりませんよもう。 ナナのことも、ワタシのことも。
でもですよ?
いくらナナが異性愛者だからって。 ワタシのことなんとも思ってないからって。
今日のような会話をして(今までだって、今日ほどじゃないにせよ、こんな会話はあったわけです)、気付かずにいるもんなんでしょうかね。 世の中のニブチンさんて、そういうものなんですか? セクシュアリティの対象が違うだけで、こうも鈍感になれるものなんスかね。
心から脱力しつつ。 脱力すべきなのかどうかもわからない自分がいます。 全然わかんない。ナナの考えていることが。
ワタシのこと、とても大切に思ってくれているのはよくわかります。
それでいいじゃないか<自分。
でもやっぱり脱力。 そして疲れた。 どっ。
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