ナナとワタシ
ナナとワタシ
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2004年01月24日(土) 犬も食わない夫婦喧嘩はじょりぃが食うことに

ナナから電話が来まして。

名付けて「パパへの不満爆発電話」。
コトの発端は、ワタシが先日ナナにCDを届けにいったとき。
会話の中で、パパがナナに「今さらそれを言うか。しかもアンタ、嫁姑の仲を悪くさせようとしてるんですか」と言いたくなるような発言をかましまして。

ワタシは聞かなかったフリして遠い目をしていたんですが、ナナの顔色が変わったのはわかりました。

そしたらナナはやっぱり怒り&傷ついていたらしく。

そんなわけで、不満爆発電話。
パパったら、ひきがね引いちゃいましたね。あらあら。

ナナはもともと、パパをはじめ、誰の悪口も言わない人。
それはもう見事なほどに。
毒は吐くけど、悪口は言わない。
ワタシもだから、いつもこの人との会話は大変心地よいのですが。

ゆうべの電話は、ちょいと悪口かすってまして。
自分でも話しながら「あたし、もしかして悪口になってる?」と。
「悪口とは違うよ。それに、たまにはいいんじゃない?」
「うん。言いたいことが山ほどたまってるの」
「うん」

ワタシはと言えば、肯定も否定もせず、うんうんと聞いておりまして。
肯定はちょっとしたかな。
でも同調と、パパのこと悪く言うことは絶対しないように。
ていうか、かばいつつですね、パパを。
伴侶の悪いところって、自分で言ってる分にはいいんですけど、人から言われると頭にくるものですからね。
それに、ワタシとナナで一緒になってパパのこと悪く言ってしまったら、ワタシはちょっとパパに対して罪悪感です。
ワタシがパパに何かされたわけでもありませんしね。

「でね? じょりぃが帰った後に、『どういうつもりなわけ?』って、パパを問いつめたのよ」
「わお」
「泣きながら」
「また泣いたのか」よく泣くなー。
「うん。泣きながら責めると、パパはけっこう反省モードになるの」
「てことは、わざわざ涙を流しているんですか?」
「違うよ! 涙が出てきちゃうんだよ! 水分取りすぎなのかなー」

そういう問題なんですか?涙って。

「すごいぽろぽろ泣くよね」
「うん。泣いても涙が出ない人っているからさ、やっぱりあたし、水分の取りすぎなのかな」

だから違うって。

「で、泣きながら言いたいこと言ったので・・・て言っても、今じょりぃに話しているようには言えないわけだけど、でもまあ、自分としては意思表明ができたから、これでいつもはいくらかスッキリするはずなんだけど」
「うん」
「まだあたし、ムカついてるの。パパに対して腹が立つことを後から後から思い出しちゃって、ゆうべもパパ、疲れて帰ってきたというのに、またあたしが絡んじゃってさ」
「うん」
「パパ、黙って聞いてて『ごめんね』とか『反省してるよ』とかぼそっと言って、そのまま黙って自分の部屋に行っちゃって、またムカついた」
「でも、謝ってくれるなんて、エライと思うなぁ」
「なんで? だってパパが悪いんだよ?」
「だって、このあいだも謝ったんでしょ? 謝っても許してもらえないのに、逆ギレもせず反省してくれるなんて、なかなかできないと思うよ」
「あたしは日頃、もっとガマンしてるもん」

あらめずらしい。
この手の「あたしのがもっと」な自己主張は、ナナには大変めずらしいです。
こりゃよっぽどたまってたんだな。
そんなに日頃、ガマンしなければいいのに。

「で、結局その夜も、イヤなことをいちいち思い出しながら、一晩中ふとんかぶって泣いたの」
「一晩中!・・・えーんえーん、て?」
「そう(笑)。えーんえーんと。 だから今日なんてすごい顔だったよ。腫れ上がってた(笑)」

なんでそんなに泣くのか。
だいいち不毛だ。

ていうか、今までは「あたしってパパに対してガマンしてる」ということを口に出すこともしなかったナナだっただけに、キレてしまったらもうとめどなく出てきてしまうのかもしれませんが。

ちょっと心配。
パパのいいところを思い出してごらん。
とも、今夜は言わない方がいいのかな、と様子を見つつ。

で、結局2時間半くらい話しまして。
話し込んだとはいえ、子供のことで悩んでいるときほど悲痛な感じはなく、笑いながら話していたので、まあそのうち波が過ぎれば落ち着くかな、というものではあるのですが。

「あ、3時まわっちゃった。・・・・ゴメンね。いつも長くなっちゃって」とナナ。
「だいじょぶだよ」
「じゃ、おやすみ」
「突然切りますか(笑)。すごいマイペースですね」
「だって、そうじゃないとキリないよきっと。じょりぃ、もう寝られるの?」
「もうちょっと仕事します」
「・・・ごめーん。 早く寝てよ」
「(笑)わかったよ」
「でも、じょりぃに話せたら、パパに言えたような気分になって、かなりスッキリしたー」
「よかったね」
「パパにキツイこと言わなくて済みそう」
「うん」

よかったよかった。
ワタシがパパなら、謝っても謝ってもネチネチ言われたらキレますからね。

で、電話を切りまして。


仕事というか、まずは掲示板のレスつけたりしていたわけですが、そんなことしてましたら、3時半くらいにまた電話が。
ナナです。

「どしたの?」とワタシ。
「パパと連絡が取れないよー。どうしよー」

以前にもこんなことがあったんですが。
そのときはもう、大騒ぎで大変でした。
結局下請けさんの家で携帯の電源切れたまま、パパ、飲み呆けていただけだったんですが。
一度悪い風に想像しはじめると歯止めが利かないナナが、不安がって怯えちゃってしょーがなかったので、ワタシは寝ているきょんを起こして事情を説明し、夜中の2時にナナ宅に駆けつけまして、4時頃まで待機していたのですよ。
きょんも大変心配してくれまして、「何かあったらあたしも動くから、いつでも電話して」なんてやさしい言葉をかけてくれ、皆でがっつりと心配してたのに、ケロっとした顔で帰ってきたパパは「じょりぃちゃん、糸の切れた風船のようなボクを許して」とニコニコしておりました。
笑った。

で、この晩もパパと連絡が取れなくなり。
なまじパパとケンカしていただけに、ナナの不安の虫が騒ぎ初めて、ワタシに電話してきたというわけです。

「今日は徹夜になりそうだって言ってたんでしょ? 携帯から離れているだけだよ」とワタシ。
とにかく、ナナに不安材料を与えてはいけません。
こういうときのナナはあっと言う間にパニックです。
日頃マメに連絡を取り合っている夫婦だし、黙って遅くなるパパではないので、こうなるとすぐに「事故?」とパニクるナナ。

「そうかな・・・・事故じゃない?」
「事故じゃない」
「職場で倒れたりしてない?」
「してないよ」
「じゃ、どうして電話に出ないの?」
「仕事していれば、いろんな状況があるよ」
「あたしのこと怒ってて電話に出ないのなら全然構わないんだけど・・・事故に遭ってたらどうしよう」
「遭ってないから大丈夫だよ」と言いつつ、ワタシも心配なんですが、それを口にしてしまったらアウト、というのは前回学習済み。
「絶対?」
「絶対」 ・・・なんて言って、事故ってたらどうしよう・・・。でも言い切らなくちゃ。
「じゃ、もう少し待ってみる」
「うん。 ワタシまだ起きてるから、不安になったらまた電話して」
「うん。ありがとう」

仕事しまして。

4時をまわって、ベッドに入る前に、もう一度ナナに電話。

「もしもし。じょりぃです」
「あーもう!びっくりしたよー!」 事故の知らせかと思ったらしく。
「ごめんごめん」
「どしたの?」
「パパと連絡取れた?」
「まだ」
「そう」
「アタシがしつこく携帯鳴らしたから、高速走ってるときに電話取ろうとして事故っちゃったりしてないかな」
「ないよ」
「だって、すごく飛ばすんだよ? フツウじゃない運転するし」 知ってます。できればもう一緒に車乗りたくありません。
「でも大丈夫」
「絶対?」
「絶対」 ワタシが約束してもしょーがないんですが。
「あたしがパパのこと悪く考えたから、パパに悪いことが起こったりしないかな」
「そのことと、今連絡が取れないことはまったく別問題だよ。こじつけてはいけない。気持ちはわかるけど」
「そうか」
「うん」
「悪い風に悪い風に考えちゃうの」
「考えてもしかたないよ。悪いことが起きてしまってから慌てても遅くないよ、この場合。考えちゃダメ」
「わかった・・・そうだよね。 まだ起きてるの?」
「寝ようと思って。でも、いつ電話くれてもいいから、と言おうと思って電話した」
「ありがとう。でもゆっくり寝て」

電話を切りまして。

子機を持ってベッドに入ったじょりぃ。


眠れず。


今頃、すごい不安な気持ちでいるんだろうな、ナナ。
パパ、早く連絡寄こしやがれ。


なんて思っているうちに、眠ったらしく。


朝の9時半に、ナナに電話してみました。

「もしもし? あ、じょりぃちゃんか」 長女ちゃんののんきそうな声。
「うん。おはよう」
「ママに代わるね」
「うん」


ナナ 「もしもし? どしたの?」


どしたの?ってアナタ。


「パパ、帰ってきたの?」
「んー・・・・メール入れといたんだけどな」

何めんどくさそうに話してるんですかアナタ様。


ていうか、そのだるそうな声、寝てたの?
あれ? そういえば長女ちゃんが電話に出ましたね。
今日って土曜日? ああ、みんなお休みなのね。

「メールまだ見てなかったもんだから。  帰ってきたんだね?」
「んー・・・」
「寝てたの? ゴメン」 謝ってるよワタシ。
「起きてたよ。 ふとんの中でゴロゴロしてただけ」

あそ。
いいですね。
ワタシは仕事ですよ。 け。

「ならよかった。じゃあね」
「寝られた?」
「あん?」
「ちゃんと寝てくれた?あれから」
「・・・・・寝たよ」 かろうじてね。
「ホントに? 眠れた? ちゃんと寝てくれた?」

今度はワタシの心配ですか。
大変だねキミも。

「よく寝たよ」
「ならよかった。      ゴメンね」
「いえ」


メールを確認したら、結局ワタシが「寝るね」と電話した30分後くらいに帰ってきたみたいです、パパ。


これに懲りて、またパパにやさしいナナに戻れるのかな。




・・・・・・・・・・・・・・・・・。





ワタシったらいったい。






ま、 いいか。 <すべてを丸く収める魔法の言葉。 らしい。


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