ナナとワタシ
ナナとワタシ
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2003年12月25日(木) 欲深のクリスマス

本日、クリスマスなんですが、ナナ家では「末子ちゃんの誕生日優先」ということで、お誕生会にお呼ばれしてまいりました。
末子ちゃんの誕生日は12月25日。
嬉しいようなお気の毒のような日でございますね。

お誕生会とはいっても、家族でお誕生日を祝うだけのことでございます。
なので、じょりぃとしては呼ばれて嬉しい気持ちもあるんですが、どうも、こう、他人がお邪魔してるようで申し訳ない気持ちもありですね。
ナナにしてみると、ワタシがいれば子供たちの相手をワタシ任せにでき、食事の支度やらが随分楽なので、いないよりはいた方がずっと良いみたいなんですけど。
端的に言えば「便利」ということでございます。
自分で言ってて滅入ってみたりしますが。いいの。便利に使って使って。


6時半頃ナナ宅に到着いたしまして。
相変わらず、車から降りるか降りないかのうちに、末子ちゃんが玄関からワタシの名を叫びながらダッシュ。
そのまま抱っこして、玄関に入ると、長女ちゃん・次女ちゃんが揃ってお出迎え。
今日はみんなにこにこと穏やかで、大変幸せそうです。 なによりなにより。

子供たちの愛情いっぱいの歓迎ぶりに比べ、ナナ。
言いたいことがあるぞおまへ。


キミの顔が見れたのが、ワタシが到着してから1時間後というのは、どういうことなんでしょうかコラ。


ナナの家のキッチンは廊下から出入りできるんですが、のれんのようなものが下がっていて、ナナの姿は見えないんです。
キッチンがナナの部屋のようなものなので、ある程度プライベートな空間にしたいらしく。

で、その前を通り過ぎるときにワタシが「お邪魔してます」、ナナが「どうも」とのれん越しに声をかけあっただけで、ワタシはそのまま子供たちと「ごっこ遊び」に興じてしまったと。
ナナもそのままワタシを放置。
約1時間後に「じょりぃ」と呼ばれたのでキッチンへ行き、本日初めてご対面。
「何?」 と、呼ばれて嬉しいくせにすげーつまんなそうに受け答えするワタシもワタシですが。
「子供たちの飲み物がなかったー。 (甘え声)買ってきてくれない?」にっこりと。
「はい」

やっぱりそんなことでしたか。

「末子も一緒に行くー」
「次女も行くー」
「じゃあ、お姉ちゃんもお財布持って一緒に行ってあげて」
「はいよー」

そうですか。
ワタシが子供3人連れて行くんですね。
ジュースとパルメザンチーズを買うだけのために。
一人になりたかったんだろおまへ。

子供たちと買い物を済ませ、家に戻ると、パパも帰宅。
お誕生会スタート。

パパが得意そうに、末子ちゃんが生まれたときのことを話始めました。
きっと毎年話しているんだろうな。

「末子が生まれるときはさー、パパがずっとママの腰をさすっててやったんだぜー」

ふうん。

へーき。
全然気になんない。
よくあることだよねそんなの。
パパったら、何そんなありがちなつまんないことを得意そうに。はははははははははははは。

と自分に言い聞かせてみたものの。


ずーーーーーーーーーーーーーーーーん。


あーもー、どーして!
前はこのくらい全然気にならなかったのにーーー。
なんだかどんどんワガママになってる気がする自分。

さっきまでは「あー、なんだか、ナナへの気持ちも以前ほどじゃなくなってきてるかも。このまま友情にゆっくりと変わっていくんだろうか」なんて思ってたくせにワタシったら。
どうしてどうして、こんなにずーーーんと来れるわけですか?
ずうずうしいです。


こんな気持ちが表に出ていませんようにと祈りつつ、にこにこと微笑みながら、でも無言で食事をするじょりぃ。
みんなの反応がいまいちだったせいか、もう一度同じ話を繰り返すパパ。
「ママがすごく安心するんだよパパがそうしててやると」と駄目押しの一言もきれいに添えてみたりして。

あ、パパと目が合っちゃった。
にっこり。 そりゃそうですよねママも安心ですよねという意味を込めた、じょりぃの微笑み返し。 ふ。

「今どきめずらしくないけどね。 ていうか、みんなやってるよそんなの」とナナ。
「もういいじゃんそんな話。 食事中なんだし」と。

もしかして、ワタシに気をつかってくれてるんでしょうかナナ。
お互い目を合わせることなくいるので、何考えてるのかはよくわかりません。
まあ、ワタシはナナに気持ちを伝えているわけではないので、ナナがワタシに気を遣う義理はないんですが。

でもなんとなく嬉しくなるじょりぃ。 心はいじけたままですが。

そうしたら次女ちゃんが
「えー・・・・みんなそうしなきゃいけないの? 次女、なんかヤだな、子供産むときに腰さすってもらうのって・・・」と。
ナナ、「別にそうしなきゃいけないなんてことはないよ。 でもねー、ホントに大変なんだよ、子供産むのって。そうしててもらうと、すごく落ち着いて、安心するのは確かだよ」
「ふうん・・・」と次女ちゃん。

ふうん。とじょりぃ。

例えキミがどんなに出産で辛かろうと、ワタシは絶対に腰なんてさすらないけどねと、勝手に心の中でケンカを売るじょりぃ。

今日はこれ以降、ナナと目を合わせられず。
たかがこんなことで。
ワタシって、器が小さい。
こんなに小さくはないはずなんだけどな。
そもそもパパあってのナナなのは最初からちゃんとわかっていることだし。
ワタシ、きっと調子に乗ってるんだ。
前ほどナナへの気持ちは思い詰めていないくせに、前よりナナへの所有欲が強くなってる。 
自己嫌悪。

観察力バツグンのナナが、ワタシのそんな「ずーーーーん」具合に気付かないはずがないとは思うのですが。
放置。
なんとなくいつもよりやさしく気にかけてくれているような感じはあることはありましたが。
基本は放置。
ワタシも放置希望。
なんだ、ワタシたちってば、相性バッチリ? って、でもなんだかカナシイ気がするのはナゼかしら。


途中、キッチンに入ったナナのところへ行き
「今日はこのあと、きょんの年賀状を手伝う約束になっているので、早めに帰るね」(本当です)と報告。
「え!そうなの?    なんだー・・・・・・」
なんだー、って、なんだー? どういう意味で、どういう気持ちで言ってるんでしょうか。
「じゃ、もうケーキ切らなくちゃね」

なんだ。
ケーキの心配ですか。
なんだー。
け。


ケーキも食べて、そろそろおいとまを・・・と思い始めた頃、ナナが「ねえねえじょりぃ」と。

これは、お願い事のときのモードでございます。

「なに?」
「年賀状ってさー、ハガキのサイズに絵を描いたり、すっかりできあがった状態にしておけば、パソコンでの処理も楽?」
「どういう意味かな」 この時点ですぐにわかったんですが、ワタシったら意地がわるいもので。
「あのねえ、年賀状、まだつくってないんですけどぉ」
「ふうん」 くるりとナナに背を向けるじょりぃ。
「なんでそっち向くのー(笑)」
「なんとなく」
「じょりぃんちでできない?」
「(背を向けたまま無言)」
「こっち向いてよー」

このくらいのイジワルはアリですよねえ。

「お姉ちゃんちでできるかもしれないから、そうすればじょりぃに迷惑かけなくて済むんだけど」
「お姉ちゃんちでできるよきっと。スキャナはあるの?」
「わかんない。 けど、ないと思う」
「あってもなくても、いいよ。やるから、持ってくれば?」
「さっきすごくイヤそうな顔したくせに」
「してないよ」
「してたじゃんっ」
「してないよ(笑)」
「してました」
「してないよ」
「してた」
「(笑)」

あまりナナがムキになるのでおかしくて笑ってしまったのですが、パパがそんなやりとりを聞いて、ちょっと怪訝そうな顔を。
ホントは「ちょっとイジワルしたくなっただけだよ」と最後に言いたかったのですが、なんとなくやめておいたほうがいいかなと思い、飲み込み。
いわゆる「うじゃじゃけた」会話になっていたのかも、と自ら警戒したじょりぃであります。

うじゃじゃけるもなにも、放置放置のじょりぃなわけですが。
どこに行っても放置。
ひとりぼっちでぽつーーーんのじょりぃ(命名K姫)であります。

とはいえ、このときやっと目を合わせて、いつもの調子で笑い合えたふたりでございます。
ナナ家へ着いてから、およそ4時間後のことであります。

「ねえ。年賀状の元が出来次第、夜中に持っていってもいい?」
「夜中? 夜中って何時?」
「2時とか」
「あん? やだよ」
「なんでー」
「まあいいよ。 じゃあ、電話してから来てよ一応」
「うん」

翌日とかでいいだろうよ、と不審に思ったじょりぃだったのですが、これってもしかして、夜中にナナがひとりで家に来たいってことなんでしょうか。
「元旦につくように、年賀状がんばらないと!」という人ではもちろんありません。
なので、もしかしたら、その線(夜中に家に来てみたい)もなきにしもあらずという感じなんですが。

いやでもまさか。

でもそうなったら楽しいだろうな。
ふたりで夜中のドライブに出掛けるんだそしたら。

は。

いかんいかん。

余計な期待はしないでおきます。
じょりぃったら、ちょっぴりいじけ気味だし。
ダメージはゴメンです。


そんなこんなで、じょりぃ、ちょっぴりおセンチモードでございます。
と同時に、ああでもやっぱり好きなんだなと、ヘンな安心の仕方もしたりして。

「子供抜きで、ナナとじょりぃちゃんと3人でゆっくり外で飲みたいよなー。俺の今のささやかな希望」と言ってくださるパパを出し抜いて「なんとかナナとふたりでゆっくりしたい」と思いを募らすじょりぃを、神様は決して許すはずがないなんてことはないはずです。
と、どっちだかわからなくなるような言い方で、神様を混乱させようとしてみました。


なんていうか、たとえばちょっと手と手を重ねるくらいの程度のものでいいんです。
どんなにささやかでもいいから、そういうスキンシップがあれば、ものすごく気持ちも落ち着きそうな気がするんですが。

なんて今は考えていても、もしその願いが叶ったら、その次、またその次と、欲はどんどんふくらんでいくんでしょうね。


再会当時は「年に一度でいい、また会って話ができれば、夢のようだ」と思っていたのに。
ていうか、今目の前にナナがいて話をしている、という現実すら、うまく把握できないほど興奮して舞い上がっていたワタシだったのに。

欲深だ、ワタシ。

クリスマスに、自分の欲の深さを痛感したじょりぃであります。
ちょっとブルー。
ホワイト・クリスマスならぬ、ブルー・クリスマスでございます。
ビジュアルを想像すると、とってもきれいですが、すごく寒々しいですね。ブルー・クリスマス。


何はともあれ、末子ちゃん、お誕生日おめでとう。
ママがキミを生んでくれて、じょりぃちゃんはとてもホントに嬉しいです。
たとえ、そのときにパパがママの腰をさすっていようとも、
キミがどんなにじょりぃちゃんをいじめようともね。
ただ、じょりぃちゃん、一応人間なので、あんまり乱暴に取り扱わないでね。
壊れると、もう遊べなくなっちゃうからね。 よろしく。


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