ナナとワタシ
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2003年09月01日(月) パパの株

「パパはさ、あたしに内職をやめてほしいみたいなんだよね」とナナ。

「なんで?」

「あたしが時間を気にしながら、きりきり働いている姿を見るのが『らしくなくて、なんだかなー』と思うんだって」

「ああ(笑)。気持ちはわかるよ」

「なんかねー、あたしがだらだらしてると『ママはまったく』とか言うくせに、結局『だめなヤツだなあ。やっぱオレがいないと』って思っていたいんだろうね」

「だめなヤツなんて思っていないと思うけど」

「思ってるよ。頼りなくて、何やらせてもダメーって。バカにされてる」

「パパはさ、ママのことすごく頼りにしているみたいだよ」

「え? まさかー(笑)」


ホントなんです。

パパと話すようになってまだ日の浅い頃、ナナが子供とお風呂に入っちゃったかなにかで、パパとワタシでじっくりとお話したのですけど。
ワタシはもう、ひたすらにこにこと話を聞いているだけだったのですが、それが話しやすかったのか、パパはいろいろとお話してくれまして。
ていうか、パパはいつもひとりでしゃべっているんですが。

「あのね、『なんだかんだ言っても、舵取りはアイツがしてるんだよなー』って言ってたよ」とワタシ。

「うそーー。 だいたいパパ、あたしのこと『アイツ』なんて言わないと思うけど」

「言ったんだもん。最近だって言うよ。アイツって」

「へー。意外。 でもそれにパパは『舵取り』なんて言葉使わないと思うよ」


・・・・ちまちまとうるさいな。


「『舵取り』は言わなかったかもしれないけどさ。でも、最終的にはナナが決定権を持ってるって言ってたよ」

「うそだーーーー」

「ホントだーーーー」


なんでそんなに意外なの?
自覚しているのかと思ってた。
だって、パパ、いつもナナの顔色をうかがっているし。


「パパがねえ・・・・」 まだ半信半疑のナナ。

「『土壇場では、絶対オレよりアイツのほうが強いだろうし』とも言っていたよ」

「え! どういうこと? 全然わかんない!」

「あのね、『結婚するときも強気だったんだよなーナナは』って言ってたよ」

「あたしが? どんな風に?」

「『パパの今の職業では、安心して結婚できない。子供も産まれるんだから、よく考えてみて』って言われたから、そうかーと思って転職したんだって」

「それは・・・・・言ったかも」

「強いねーそれって」

「あたしなんだかイヤなヤツだ(笑)」

「でもパパはねー、『あのときにナナがそう言ってくれたから、今の自分があるんだから、アイツすげーよな』って言っていたよ。ワタシはそれを聞いて、パパもすごいなー、えらいなーと思ったんだ」

「そうだねー。パパえらーい」

「『オレは案外ダメージに弱くてがっくりきちゃうことがあるかもしれないんだけど、そんなときはナナが強さを発揮するだろう』とも言っていたよ」

「パパがじょりぃにそんなことまで話したんだー」


パパは、プライドが高いので、自分の「弱さ」を人に話したりするようなタイプではないのです。
ましてや女性相手に。


「すごくキミのことを認めて、根っこの部分では頼りにしているように感じたよ。すごいじゃん」

「ホントだねー」

「パパがだよ」

「ああ(笑)。 そうだよ。 パパがすごいんだよそれは」

「幸せだね」

「うん。幸せだね。 パパ、そんな風に思ってくれてたんだー」


・・・・・・・・・・。


あーあ。
パパの株、上げちゃった。


まあ、いいか。


幸せな毎日を過ごしておくれ。


そしてその幸せの中に、ちょろっとワタシとの時間も入れといて。
そしてたまにはやさしくするよーに。 


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