ナナとワタシ
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「ねえ、じょりぃちゃんてさ、うちのママのこと『ママ』って呼んでるの?もしかして」
「え」
ナナの長女ちゃんの、鋭い質問。 (「ママ」という呼び名について「?」な方は名前が呼べないをご参照ください) もう中学1年になったことだし、次女ちゃんや末子ちゃんに話すような、 テキトウなごまかし話は通用しませんもちろん。
「うーん。そうだね。 ここでみんなといるときはそうしているね」
「ふうん。 じゃさ、いつもはなんて呼んでるの?ママのこと」
「え! ええと・・・・な、なんだったかな」
「『ナナちゃん』とか?」
「そうだったかな」
「呼んでるっけ? 聞いたことないけど」
ぎく。 カマかけたな。 母親譲りだこんなところ。
「呼んでません。スミマセン」
「なんて呼んでるの?」
「なんとも呼んでないみたい」
「おい、とか おまえ、とか?」
「そんな風には呼ばないけど。 まあ、呼ばないように会話したり」
「不便じゃない?」
「必要なときは『ねえねえ』とか言えば済むしね」
「ふうん。 変わってるね」
「変わってるかもね」
前は旧姓で呼び捨てだったから、今はそれだとちょっとヘンでしょ?だからだよ、と説明したかったのに、 そのあと次女ちゃんが乱入してきて、タイミングを逃し、そのままに。
今は「なんでだろな?」というくらいで、たいしたことを思わないかもしれないけど、 もう少しオトナになって、いろいろなことを知って、自分も恋したりして、今日の会話を思い出したときに、どう思うんだろうな、長女ちゃん。
今日もナナの家で子供たちと遊んできたじょりぃだったのですが。 夜遅くなってから「もう、いいかげんにお風呂入っちゃってよー」とナナが怒り、しぶしぶお風呂へむかうときに長女ちゃん、「じょりぃちゃん、長女がお風呂から出るまで帰らないで待っててくれる?」なんてかわいいことを、まだ言ってくれたりしているのですけどね。
来年の今頃は、どうなっているのでしょう。
もしかしたら、ママにむけるじょりぃの視線に、何か感じるようになってしまったりして。 もともと観察力の鋭い子ですから、可能性としては十分にあります。
気をつけよう。 と、あらためて思いました。 そしてそろそろ、ナナのこともちゃんと名前で呼べるようにならなければ。 自分が「恥ずかしい」とか「不便だ」とか思ってるくらいなら「勝手にやってろ」ということで済みますが、 子供のことが絡んでくると、どうも神経質になってしまいますねやはり。
「子供のこととなると、やけにフツウのまっとうな人間になってしまって、つまんないねキミ」なんて、ナナのこと言えるワタシではないようです。 やれやれ。
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