ナナとワタシ
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2003年07月08日(火) 温泉宿の夜03・夏-後編

温泉宿の夜03・夏の後編でございます。
「もう、ヘタレな夜が明けちまったから興味ねえよ」と思ってらっしゃいますか。
早まってはいけません。
よく考えてみてください。
ヘタレなじょりぃの場合、昼も夜も関係ありません。
いつでも展開はつまらないのです。
「ああ、そうだった」と、膝を叩いたそこのアナタがニクイ。
というわけで、続きも書いてみたりして。

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朝食の後、ナナは「も1回だけ入ってくる」とお風呂へ。
ワタシはもうめんどくさいのでお留守番。
仕事して待っていたら、それほど時間がかからず戻ってまいりました。

わあい。

肩がストラップのキャミソールだ。
胸元あきあきー。
肩丸出しー。
首丸見えー。
萌えー。

そのまま、体を冷ましているナナ。

ええと、胸元にどうしても目がいってしまうのですけど。
なんかこう、谷間っていうんですか。ちょっと見えますし。
胸が大きくなったように思うんですが、ちょっと太ったからなのかな。

ちら。

やっぱ大きくなってる。

ちらちら。

スナオなじょりぃは、もじもじと先生に質問。

「あー、 胸、大きくなった?」
「は?」
「ええと、胸が大きくなったように見えます」
「ああ。ははは」
「はははははははは」 なにもおかしくないんですが。
「これ、ブラのせいだよ」
「え」
「上げ底があって、固いブラしてるの。だから、ブラの中、スカスカ」
「え」 す、すかすか?
「だまされたね」
「だまされた」
「大きく見えた?」
「う、 まあ、 いつもより」もごもご
「あたし、ホントに胸がなくなっちゃったんだよ」
「なんかさ、昔はけっこう大きくなかった?」
「大きくはなかったよもともと。でもね、形だけはすごーーーく良かったの。今はダメ。悲しい」

ワタシも悲しい。
すごーーーーーく形が良かった頃に見てみたかった。
ていうか、今も見られないんですけど。
なくなっちゃった胸でもいいから(以下自粛

いやしかし。
この日の服装は、胸が大きく開いたカットソーに薄手のカーディガン。
どーーーしても、胸元に目がいってしまいます。
あんまりないんです。 ええと、胸元の盛り上がりが見えるようなことって。
上げ底ブラのおかげですね。 ありがとう、上げ底。
と、無機質にまで礼を言ってみるじょりぃ。 だって感激。
そしてもう二度とないかもしれないじゃないですか。
気がつくと胸を見ているじょりぃ。

いいやぁもう気付かれたって見たいもんは見たいんだようと。

思いつつ。 
ちら。         ちら。          ちら。
という、小心者っぽい、かえっていやらしい見方をついしてしまうんですけど。

なんかちょっと腰にきます。
なにがどう、とかあまり深く考えなくてけっこうなんですが。
欲求が不満しているんでしょうか。たかがこれくらいのことで。
落ち着け、じょりぃ。
あ、かがまないで。見ちゃうから。
と、いちいちひとりで勝手に大騒ぎ。


チェックアウトして、近くの湖まで行って、お茶して。
温泉街に戻って、ちょっと散歩して。
歩き疲れてふたりで並んで竹のベンチに座って、ぼーーーーっと。
いつもより、接近して座れているじょりぃ。
くっついてはいませんけど、「間にもうひとり入れる」といういつものパターンとは違います。
大人になったのねじょりぃ。ウレシイ。

ナナがぼーっとしている間に、また「ちら」をするワタシ。

ややっ。

ええと、たぶんえっちなみなさんならわかると思うんですが(失礼)
隣に座って相手の胸をのぞいた場合、あまり胸の大きな人でない場合、ブラと胸の間に隙間ができて、生乳(なまにゅうじゃないですよ)が見えてしまいそうなときってないですか。

今、それです。

見えそう。     見えない。   ええと、もうちょっとかがめ。
まだだな。    じれったいな。     んーと、 もうちょっと、こう、  違う違う。

なんて考えながら胸見てまして
ふと顔を上げたら、ナナが見てましたワタシのこと。


ええと


フリーズっ


してるわけにもいかないので

にっこり。 してみたら


ナナ、無言で目をそらし、服を整えました。

かっこわるーーーーーーーーーーーーワタシ。

そのことについては、ふたりとも何も言わず。

なんか言ってくれいっそ。
「何見てんの?」とか、カジュアルに訊いてほしかった。
なんで無言? イタイ。イタすぎます。しゅん。しょぼん。
腰にきちゃうしってこれはあんまり気にしないでくださっていいんですが。


そして、帰路へ。


行きにさんざん「パパの取るルートと違う」と言われ続けたじょりぃ。
そんならおまえが道案内しやがれ。

「だってこっちの道しか知らないんだもん」
「○○寺の方通って行く道があるんだよ」
「ああ。あるね」
なんて話していたんですが。

帰りは「そっちから帰ってみない?」ということで、ルート変更。

「ああ、この道、通ったことあったよ。なるほど、こっちのが近いかもね」
「そお? この道さ、ラブホが非常に多いんだよね」
「へえ」  またラブホの話題か。好きだねキミ。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「ごほん、で、このへんだと、どのラブホがいいの?」
「あたしが来てた当時と変わってるだろうしな」

やっぱり来てたのね。こっちの方にも。

「当時の名前でいいから教えて」
「思い出せないよ。でもけっこう、かわいいとこあったよ」
へーえ」 あ、声が低くなってしまった。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」

はっ。 ひらめきじょりぃ。

「ああ」
「なに?」
「そういうことか」
「なによ」
「それでパパはこっちのルートを使ってたわけね」
「なに、それでって」
「ラブホがあるから」
「そういうわけじゃないでしょ」
「そうかな」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」<おもしろくないじょりぃ
「でもさ、誘いやすいかもだよね」
「というと?」
「山道だしさ、わざとぐいんぐいん運転して、女の子を酔わせちゃうの。で、『キモチ悪い』とか女の子が言ったところで『休んでく?』なーんて言って、連れ込む、と」
「ええええええ」
「まあそりゃ、女の立場で言えばええええええだろうけどさ。じょりぃが男だとしたらそういうことしないんですか?」
「だって、キモチ悪くさせちゃったら悪いよ」
「そうか」
「それに、キモチ悪いのにエッチ迫るの? かわいそうだよ」
「なるほど。そうだね」
「それに、ワタシ、自意識が強いから、『じょりぃ君たら、きっと下心があるのね!』って思われるのヤだもん、ホントは女の子のためにはホテルで休んだ方がいいとしても、きっと言えないな」
「ああ(笑)」
「ホントに心配で『休む?』って、やっとの思いで言って、『このスケベ野郎!』とか思われたら、すごくショック。なので自分を優先させてしまうかも」
「やさしいのかと一瞬思ったのに、イヤなヤツだな(笑)」
「うん。だから、なんとも思ってない、ただの女友達だったらいっそ気楽に『休む?』って聞けちゃうな。で、何もしないで、ホントに休ませて帰ってくる」  かわいい子なら展開が変わるかもしれませんが。
「なるほどね」
「パパにその手を使われたとか」
「(笑)違うよ。そもそも、パパには下心なんてないよ」

ないはずないだろおまえ。

「ないはずないでしょ。ワタシだってあるよ、下心」

誰に、とは言ってませんが。

「あるんだ?じょりぃ(笑)。 でもないよ、パパには」
「ないことないよ」
「だってないもん。パパの場合は、そんな、あの道にはラブホがあるからあっち通ろうなんていう下心はないと思うよ。もっと直接的というか、その場その場の気分で動くと思う。ラブホがあるから入ろうか、ということはあるけど、計画的にやったりはしないよ」
「ふううううん」
「なによ」
「別にぃ。 でもその割には」
「なに?」
「いやなんでもない」
「なに? ヤな感じー」
「ヤな人間ですので仕方ないんです」


無言。


「じゃあさ、女の子と入ったことある?ラブホ」 ナナ、爆弾的質問。
「え」
「ええと。たとえば友達同士とかでさ、飲み会とか」

何が訊きたいのかわかりませんが、自らなんとなく逃げ道を用意してくれたような。
別にそんなに気を遣わなくてもいいんですけど。

「ないけど」
「ないのか」
「高3のとき○○(ふたりの共通の友達)に、『ラブホでパーティするとおもしろいよ、今度じょりぃも行こうね』って誘ってもらったことあったけど、結局それもできないまま、卒業しちゃった」
「○○なら、そういうことやりそうだよね(笑)」
「うん。絶対楽しかったろうな。 そっちは?あるの?」
「なーい」 (後日追記:後にホントは入ったことあったことが判明。通りすがりにただ宿を取っただけのようですが)
「ふうん」
「でも、ラブホでパーティって、楽しそう」
「今度やろうか」
「いいよ(笑)。別に」

ラブホでパーティですってよ。
ふたりでするんでしょうか。なんだかマヌケっぽいですが。
そしてそのときもワタシはパーティ(?)だけして帰ってくるんでしょうか。
きっとそうなんでしょうね。<あきらめの境地

それにしても「パパには下心なんてない」発言には、じょりぃ、皮肉な笑いを浮かべてしまうですよ。へっ。
本気で言ってるのかな。
なんだかすごーーーーーく意地悪なことを言ってみたい、へこませてやりたいような気分であります。

できないんですけどね。


下界に帰ってきて、「疲れてるだろうから、少し家で休んでいってよ」ということで、ナナの家に寄らせてもらうことに。
パパと子供たちはまだパパの実家です。

「少し寝たら?」とナナ。
「うん」
「おふとん敷く?」
「いい。いらない。ありがとう」
「じゃ、ひざまくらしてあげようか?」
「え!」
「(笑)」

ひざまくらって、あのひざまくら?
北枕じゃないですよね。

いつもならここで「いいよぅ」と断ってしまうじょりぃですが、この2日間、ヘタレ続きだったのは自覚しています。
ここはひとつ、スナオになってみようじゃないかじょりぃ。と、一瞬のうちにいろいろ考えまして

「じゃ、して」
「   やっぱヤだ。 やーめた」
「なにぃ?」

なんてことでしょう。
せっかく・・・・・・・・・・・・・・いや、もういいです。

「あ〜あ。 あたしのひざまくらって、最っ高にキモチいいんだけどなあ」
「あの、する気がないなら、そうやって自慢するのやめてください」


「あ〜あ」ってオマエは悪魔か。
自分で誘っておいて、自分で断って。「あ〜あ」はないと思うんですが。
「最っ高にキモチいい」とか、なんなんですかいったい。

とはいえ、「いいよ」と言われても、やっぱりできなかった気がします。
なんだかおマヌケな気がしてしまうんですが。ひざまくら。
好きな方は好きみたいですけどね。 ワタシはなんだか気恥ずかしくていけません。


このあと、パパから電話が入り「長女がなんだかグズッてるから、ママ、迎えに来てくれないかな」ということで、温泉宿の夜03・夏はお開き。

もう、いちいちカッコ悪いですね、ワタシ。
ワタシとナナは、永遠にこのままという気がしてきました。
せつないような。ホッとするような。
いつまで続くのかなあ。



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