ナナとワタシ
ナナとワタシ
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2003年07月07日(月) 温泉宿の夜03・夏-前編

みなさまの「今回もコケろー」という励ましと「今度こそは少しは前へ進まんかい」という苛立ちと「どうでもええねん」という放置プレイ的愛を大切に抱え、行ってまいりました、温泉小旅行。

ええと、何から話せばいいのやら。

掲示板でもお知らせしたとおり、当日の朝9時過ぎまで「何時に出掛けるか」が決まっていなかったワタシたちでしたが。
「暑くなりそうだから、じょりぃは動きたくないんでしょ。12時半頃ウチに来て」というナナの決断により、半日をムダにして出発。

ナナはこの日は久しぶりに、なんだか年相応な装いでですね。
カットソーの上に薄手のカーディガン(暑くないのか)、下は紺とグレーの混ざったようなシンプルなスカート。
ワタシはといえば、黒いTシャツにベージュのペインターパンツ。ヘタレ小僧ルックでございます。3●なのに。
ナナのことを「おかあさん」と呼びたくなるような。
呼ばれたらぶっとばされそうな。
そんな素敵な取り合わせでございました。


道中の話題で、印象深かったのがこの話なんですが。

「ねえ、じょりぃってさ、ラブホテルって行ったことある?・・・よね」
「え」

まだ日の高いうちから過激な質問でございますね。
まあ、たいした話題ではありませんが、ほら、じょりぃ、純情だから。

「ラブホ、行ったことある?」
「う、うん」
「けっこう行った?」
「いいえ」
「あたしは、けっこうよくご利用したのね」
「そう」 にこにこにこにこ顔で笑って心で けっ&ちょっとわくわく
「でね、パパとふたりで、せっかくこんなに色々行ってるんだから、ラブホの情報誌作って友達に情報を売ろう!とか話してたことあるんだー」
「・・・・・・」 あなたとゆうひとはほんとにもう
「もったいないじゃん。知識が」
「・・・・で、どこが良かったの?」
「ただじゃあ教えられないでしょ(笑)」
「え!」
「まあ、今となっては古すぎる情報だし」
「  当時の古い情報でいいから、どこが良かったのか教えろ」 急に命令形じょりぃ
「ヤだ」
「そこまで言ったのなら、教えたまえよ。できるだけ詳しく
「絶対教えない」

なら話すな。 バカモノ。


どこにも回らず寄らず、宿に直行。
なんというか、ええと、ショボい宿でした。
きょんに「こんな宿だった」と説明したら「親戚のじい様の家かよ」と言われ、
なっちゃんに説明したら「それ、廃墟?」と言われました。

「まあ、これはこれで、この状況を楽しもうじゃないか」とワタシ。
「そうだね。楽しむしかないしね」とナナ。
「もう、次に何が出てくるか、何が起きるか、ドキドキするね。ファンタジーだ」
「こんなドキドキ、いらないんですけど」
「・・・・・ごはん、ちゃんと出てくるかな」
「シャレにならないよ、それ」

なんて具合にですね。
楽しいですね。
いいんですよ、愛があれば。
ワタシの側にしかありませんが、細かいことは気にしない気にしない。

「でもさー、キミがこういうことで怒ったり悲しんだりする人でなくて良かったよ」
「しょうがないしね。安いトコ見つけようと言ったのはあたしだし」
「ワタシはそれなりに楽しいけどね。でも安いトコは、やはり安い理由があるのだね。勉強になったよ」
「あたしもー」
「ねえ、今年これが最後って、さびしくない?」
「あたしもそれを考えてたんだー」
「今年、もう1回行こ。 秋は?」 便乗じょりぃ。災いは福に転じなければいけませんからね。
「(笑) うん。いいよ」
「パパを説得できる?」
「わからないけど。やってみる」
「北海道とかでさ、おいしいもの食べたいな」
「あたしも北海道行きたい! 食べ物ならやっぱ北海道がいい」
「京都も行きたいんでしょ?」
「うん。 じょりぃは、琵琶湖行きたいって言ってたじゃん」
「うん。でも『あたしはキョーミない』って言われた」
「あたしに?」
「うん。行ってくればって言われた」
「(笑) あたしも行ってもいいよ」<何様だ
「鎌倉もだったね」
「ハワイも行きたい」
「全部行こう」 にっこり

『じょりぃ独り相撲・愛のチカラワザ』で、無理矢理福に転じさせました。いぇーい。


で、お風呂は別々に、ええと入りまして。
スミマセンねえ応援していてくださったみなさま。
やっぱり明るいところでハダカ見られるのも見るのも恥ずかしいです。
洗いっこなんかする方の顔が見てみたいもんです。ぢいぃ。<視線の音

お風呂から帰って来たナナ、
「じょりぃ、リップ持ってる?」
「リップって、リップ?」
「そう、グロスとかじゃなくて、薬用の」
「持ってるけど」
「貸してくれる?」

え。

間接キスだ。
と、また小学生のようなことで心の中で小躍りするじょりぃ3●歳。

が、しかし。

「はい」
と、ティッシュでリップを拭いてから渡す礼儀正しいじょりぃ。

「ありがと」
と、やはり礼儀正しくティッシュで拭いてから返すナナ。

すごく、お互いがキライな感じがして、不潔と思ってる感じがして、ナイスですね。
なにがナイスだよこのやろうって誰に言ってるかといえば自分です。


食事は相変わらずしきりまくられておりまして。
「これおいしいよ」
「ん。もぐもぐもぐ」
「これ、食べてごらんよ」
「ん。にゅむにゅむにゅむ」
「まずいでしょ」
「うん」

まずいものは勧めないでください。
スナオに食べてるんですから。

食事のときワタシがちょびっとグチを。
「△△(共通の友人)から、連日グチの電話がかかってきて、ちょっとうんざり」
「そっか。アナタ、ホントによくグチやら相談やら、いろんな人にぶつけられちゃうね」
「みんな、ワタシの『いい人のふり』に気付かないんだよ。それに腹が立つ」
「ふりなんだ」
「うん」
「しなきゃいいんじゃん。そんなふり。おまえの話なんか聞きたくねえよって言えば」
「いい人のふりしてるくらいだから、そんなこと言えない」
「ふうん」
「そもそも、人と話するのめんどくさい」
「みたいだね。でもきっと誰もそうは思わないでしょうね」
「ワタシが本当に話したい人は冷たいしな」
「そんな人いるの? 誰?」
「なんか最近、内職が忙しいとか子供がどうのとか言ってるんだよね」
「・・・・・あたし?」
「(こっくり)」
「そんなこと言ったってじょりぃ、あたしにはなんにも話さないじゃん」
「話さないかな」
「あたしとなにを話したいわけ?」
「なにって」
「日常の、ささやかなことを話したいわけ? きょんさんが夏なのにムダにお湯を使いすぎて困るとか?(笑)」
「わはははははは」

なにげに「キミとだけ話したいのですが」と伝えてみたつもりのじょりぃだったのですが。
伝わっていない方に10000ペソ。


で、またお風呂に行きまして。
帰ってきてからまたビール飲んで(いったいどれくらい飲んだろうワタシ)、テレビ見ながらちょっと話して。

「おふとん、どっち側がいい?」とワタシ。
「どっちでもいいけど」
「コワイとか途中で言うくらいなら、今決めて」
「うーーーーん・・・・・・・・・・・・じゃ、奥」

奥というと、ナナが左、ワタシが右でございます。

単純になんでそう決めたのかなと知りたくなり、質問するワタシ。
「どうしてそっち?」
「え?」
「なんで奥がいいの」
「なんでって・・・・なーに?なんでそんなこと訊くの?」

なんだかナナ、動揺しているのはなぜですか。
ワタシ、変なこと訊いてしまったのでしょうか。

「いや別に・・・。なんか、考えぬいて決めたみたいだったから。理由があるのかなと思って」
「ないよ別にぃ。決めろって言ったから、無理矢理決めただけ。どっちだっていいよ。奥がいいの?」
「いいや」
「じゃなんで訊くのよそんなこと」
「なんでそんなに追究するのそんなこと」

ふたりとも、何を疑いあっているのでしょうか。
ふとんの並び順て、何か意味があるんですか。
ワタシ、知らないんですけど。
手前に寝た人に呪いがかかるとか、変な伝説があるのでしょうかと疑いたくもなります。


で、11時半頃。

もぞもぞと勝手にひとりでふとんに入っちゃうナナ。

「え! もう寝ちゃうの?」
「えへへ。だって、することないんだもん」
「さびしいんですが」
「あたしが寝れば、仕事できるよ」
「仕事したくないし」
「じゃ、じょりぃも寝れば」
「眠くないし」
「じゃ仕事すれば」
「じゃ寝る」

いったん、ワタシもふとんに入ったんですが。
寝られないですよこんな時間に。

「暑い」そう、暑いんですよ。
「あたしへーき」
「ねえ、寝ちゃうの」
「(笑) じゃあ、じょりぃが持ってきたDVD見よ」
「ムーラン・ルージュしかないよ」
「見たくないけどそれでいいよ」

パソコンで、ちまちまとDVDを見るワタシたち。

わお。

モニタって小さいんですね。
くっつかないと、画面見えないんです。
いいものを持ってきましたワタシ。

ふとんに寝ころびながら、
いつにない接近度です。
なんだかすごーーーく「きっかけ」っぽいんですが。
状況はね。
相手にその気があるかどうかはまったく別問題なんですが。

途中、やはりちょっと仕事が気になって、ふとんを抜け出し15分ほどお仕事。
ふとんに戻ると、ナナの腰から下が、ワタシのふとんを占拠。
なんか、横向いてモニタを見られる姿勢を取ったらしく。

ええと、どうしたものかな。
すごく嬉しいんだけど。
体が触れないと、ワタシの居場所がないし。モニタ見えないし。
いいのかな触れちゃって。
もしかして誘われているんでしょうかワタシ、とも思ったのですが、ふとんを占拠したくらいで誘われてると思われるナナも迷惑かもしれません。
悩んだ末にワタシが発した言葉は

「陣地、はみ出してるよ」

あ。 またやっちゃった。
しかも「陣地」って。 コドモじゃないんですから。

「ケチ」

と言って、ナナはもぞもぞと自分のふとんへ。
も、戻らなくてもいいのに。違うんだよ。そういう意味じゃなかったんだけど。
と思ったところでどうにもならず。

で、また接近状態でムーラン・ルージュ鑑賞。
ナナの髪が間近にありまして。 いい匂い。 
こういうのってくらくらきちゃったりするんですが。
もうなんていうかですね、手を伸ばせば届く距離というか、伸ばさなくてもたまに手と手が触れちゃって「あ、ごめん」なんて言ってる感じの距離でですね、自制するのってつらいですね。相手にその気がないってつらいですね。

というわけで、映画の内容に話を振ってみるじょりぃ。
黙っていると、どんどん自分に都合のいい風に妄想が膨らんでいってしまいそうだったもので。

「クリスチャンみたいなのに、まわりの状況も考えず好き好き好きとしつこくされたらどう? うざいよね」
「んーーーーーーどうだろ。 そりゃうざいかもしれないけど、ていうか完璧うざっと思うだろうけど、でもかわいいんじゃないの?あんなに好かれれば。自分が好意を持っていない子に好かれたら地獄だろうけどね」
「なるほど。 へえ、いやじゃないんだ」

意外。
イヤじゃないそうですよみなさん。
じょりぃももうちょっと、自分の感情優先に突っ走ってしまってもいいんでしょうか。
「好きと伝えたら、相手を苦しめることになるんじゃないか」なんて自意識過剰なこと考えてないで、「好き好き好き好き好き」とストレートに攻撃すればいいのでしょうかね。
かわいいと思ってもらえるのでしょうか。
ちょっと、検討事項でございます。 遠慮しすぎているフシもありますからね、今って。

で、そのうちDVDも終わりまして。
さんざん「これ見て泣いたの?」とかバカにしていたくせに、最後はしっかり泣いてましたけどナナ。
へ。 ざまあみろ。 泣き虫泣き虫。 へへへへへー。 て、ワタシも何もそこまでという感じですが。

じゃあもう寝ようねということになり、そこで、ナナの例のごビョーキが。

「寒い」と、相変わらずひとりで寒がっているナナ。そう。これがビョーキ。
ワタシ、暑いくらいなのに。
「寒いの?」
「風邪ひいたのかな」
「ふとん出そうか?」
「いい。ふとんはイヤ」
「ふうん。  ごほん。   一緒に寝てやろーか」

じょりぃとしては大胆発言であります。
さりげなくやろうとしてわざとらしくなってないかしらワタシ。
ていうか、冷たい感じでしたたぶん。抑揚ゼロ。

「(笑) じゃ、一緒に寝る?」
「ええと、どうなのかな。それであったかくなるのかな」
「ふとんとらなければ」
「とらないと思うけど」
「巻き巻きして寝ちゃうタイプなんじゃないの?」
「あ、そうだ。そのとおりです」
「そういう人はふとん持って行っちゃうんだよ。パパがそうだもん」

パパがそうだもん、で、素直なキモチがどっかにすっ飛んで行ってしまったワタシ。
そしてこの発言。

「あのさー、よく思うんだけどさー、人と一緒によく寝られるよねみんな」



ああ! もう! バカバカバカバカバカバカじょりぃのバカ!
どうしてワタシったら、いつもこーゆーの。
もう、このときは、かなり自分にガッカリでございます。

「そうかな。寝られるよ。あたしなんて、毎日人と寝てるよ」
「あっそ」  け。いいですね。パパと仲良くて。
「子供寝かすから、毎晩末子と寝てるようなもんだ」

そういう意味か。

しかし既に話題は「子供の寝相」とかそっちの方向に移っていき、「一緒に寝る?」は銀河の彼方へすっ飛んでいってしまいました。 
ああ・・・。 ミステイク。 時間よ戻れ。


そのあとも、なにかおしゃべりしたり、ビール飲んだり、飲んだから歯を磨き直したりしているうちに、あっと言う間に3時頃に。

そして「寝」の態勢に。
ワタシはナナの方向いて、もちろん、ナナ寄りの位置に。
ナナも、寒いのがイヤなのか、私の方に寄って寝ています。
ぽん、と投げ出された手が、ワタシの目の前に。

手、触っちゃっていいのかな。
大きい手だなあ。
寒いなら、手はふとんの中に入れておけばいいのに。
わざと出してるのかなあ。
てことは、触ってもいいのかなあ。
どうしようかな。どうしよう。

なんてやってるうちに、鳥が鳴き始めまして。
てことは、4時頃になったのか。 もう寝なきゃ。

うとうとしたら、ナナが寝言。
聞き取れなかったけど、かなり大きい声で。
また眠れず。

朝方うとうとしていたときに、イヤな夢を見まして。
ナナにキスしようとして、嫌がられて嫌われた夢と、
同じ状況で、きょんにも嫌われる夢。

最悪です。

そして、アラームの音で目が覚めまして。

寝起きの悪いワタシに、ナナが「お風呂どうする? 眠い? 眠れた?」と、やはり寝ぼけ声で話しかけます。
「んんーー・・・・・・ヤな夢見たー」
「・・・・ゆめぇ?・・・」
「キミに嫌われたー・・・・夢の中で」
「ふうん・・・・」
「きょんにも嫌われたんだ」
「・・・・夢の中でまで、いろいろとたいへんだね・・・」

ふたりでふとんでごろごろなむなむ。 まどろみタイム。

ワタシ、不思議に思ったのですが。

朝の方が、思わず抱きしめちゃったりしそうになりました。
「おはよーううううううん」むぎゅっ みたいな感じに。
ねぼけてて判断力がなくなっているからでしょうかね。
向こうもなにかが緩んでいるらしく、ワタシが寝ている手に、自分の手が重なっていても気にせずにそのままいます。
ワタシはもう、ホントにいつもの調子でですね、むぐむぐ甘えながら胸元あたりに顔を埋めて寝ぼけてしまいそうな自分を「どうどう」とするのに大変でした。って、いつももそんなことしませんよやだなあ。
夜よりも朝の方が、なつっこいんですね。
て、ワタシたちだけなんでしょうかそういうのって。
夜はなんだか緊張しちゃいましてね。 下心があるせいですよねきっと。

というわけで、朝、いろいろしちゃいました。

というのはもちろん真っ赤なウソでございます。スミマセン。
でも、誰も本気にしなかったと思いますが。 


そんな感じで、温泉宿の夜03・夏の一夜は終わってしまいました。
ほうら、やっぱりヘタレだった。じょりぃのばーかばーかと思っているそこのアナタ。

ぐうの音もでません。

そして、翌日へと続きます。


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