ナナとワタシ
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ええと、言いたいことが伝わるように、まずはワタシとナナの再開後の交友状態からざっとお話いたします。
ナナと交友を再開して、2ヶ月くらいは、なんとファックスでぽつぽつとやりとりをしておりました。 なんで今時ファックス?という感じですが。 ナナはパソコンを持っていないので、長文のやりとりにはファックスのほうが便利だったからでしょう。 長文と言っても「ダメおやじの奥さんの顔って覚えてる?」とか「七輪みたいなコンロがあるの知ってる?」とか、そういうくだらない内容ばかりでしたが。
ファックスではバカモードでしたが、当時ナナは、まだ母親の死から立ち直れていず、たまーに会うとしくしく泣いているような状態でした。 ナナは父親も母親も、ちょっと特殊な状態で亡くしてしまったので、なんというか、まあ、そんなときは見ていて痛々しいです。 けっこういい家のお嬢さんのナナは、それなりに見栄やプライドも高く、そんな姿をワタシのようなぼんくらに晒すような娘ではないので、彼女の気持ちを思うと胸が潰れるような思いでございました。
ワタシはと言えば、何の苦労もなくぼーっと育った温室っ子です。 そんなワタシに気の利いたことも言えるはずもなく、相づちさえろくに打てずにひたすら話を聞いているだけだったのですが。 しかも、もう、大好きな人と話しているわけですから、ワタシのほうはすごい緊張してまして、汗だくなんですよマジで。冬だというのに。
で、そのうち、怒濤の携帯メール交換の日々となります。 一日に何度も、くだらない内容をやりとりしていました。 10年以上接触のなかった二人ですから、ちびちびとレンガを積み上げていくような作業が必要だったのかもしれませんね。 ほとんど初対面と一緒ですからね。価値観の確認作業のようなものです。 ナナは「じょりぃって、中学の時から全然変わってないね」とびっくりして(成長してないということでしょうか)、ワタシはナナが「ちゃんと、常識的な大人になっていて、親としても一人前にやってる」ということにびっくりする、という変なギャップもありましたし。
で、その後しょっちゅう会うようになり。 デートみたいにちょっと遠出したり、温泉行ったりなんかもしまして。(あ、いつでも「子供優先」モードですよ。念のため) 電話もしょっちゅうかかってくるようになり。 夢みたいです。 というか、夢の中でも、緊張して一度も話ができなかったんですよワタシ。再開前は。 夢以上の現実となってしまっているわけですね。 いいんだろうか。と、ほっぺたつねりっぱなしで、おたふくになりそうです。 って、ホントにそういうときにほっぺつねる人っているんでしょうか。 まだ見たことないんですが。
そうなってくると、メールの回数ががくんと落ちてきました。 おもしろいものですね。 ちょっとさびしくはあるのですけど。
そして最近の話になります。
3月までは相変わらずちょこちょこと会ったりしていたのですが、「4月5月は子供たちが新学期で、家庭訪問やらいろいろ忙しいから、ちょっと時間がとれない。じょりぃ、何か悩みごとあるんでしょ?今のうちに話しておかないと、あたし、話聞いてやれなくなるよ」といった内容のメールが来まして。
かちん。
と来たワタシは、すっかり贅沢に慣らされてしまっているわけですが。 まあ、むこうはワタシに気を使って、気を回してメールをくれたとは思うのですけど。 なんか「何様だおまえ」という気持ちになりまして。(そういうおまえは何様だ。じょりぃ様です)
「悩みは自分で解決しますのでご心配なく。忙しそうだからこちらからは連絡しませんので、そっちもがんばってください」 なんて感じの、小憎らしいメールを返して。
それっきりお互いメールも電話もなし、となったのですが。
2週間くらい音信不通で、ワタシはひとり悶々としておりました。 ただでさえ、こちらからは電話とかしづらいので、ほとんどいたしません。 あちらはお母さんですから。 子供の世話とかパパの世話とか、子供の寝かしつけ(<ワタシも何度も一緒に経験してますが、これって大変なんですね)とかありますから、ひょいっと電話すればいつでも話せる、というわけにはなかなかいかないんですね。 それでもいつもなら「元気なのでしょうか」くらいのメールは送るのですが、今回は「こちらからは連絡しない」と大見得を切ってしまっております。 メールもできません。自縄自縛。
なんて悶々としていたら、電話が。 ナンバーを確認すると、ナナです。 やった。
「もしもし〜?じょりぃちゃ〜ん?次女だよー」
次女ちゃんから電話でした。
「やあやあ。声が聞けて嬉しいよ。 元気なの?」 「元気だよ。 あのさー、犬に触りに行ってもい〜い?」 「いいよー。でも、ママはなんて言ってるの? 次女ちゃん、ひとりで来るの?」 で、しばらく次女ちゃんと話をしたあと、 「ママにかわるね」
で、ママと話したのですが。
ワタシが言いたいのはですね。
いつもこう、しばらく音信が途切れたとか、なんかちょっとお互い誤解があったんじゃないかな、というときなんかに、 子供から電話やメールが来ることが非常に多いんですわ。
あ、ナナからメールだ!と思うと「なんか学校がつまんなかった。今日」とか入ってるんです。 たいてい、性格がナナに瓜二つの次女ちゃんからのことが多いのですが。 電話も同様に。 次女ちゃんや末子ちゃんから「夕飯食べに来れば?」と電話が来ます。
最初は偶然かな、と思っていたんですが、やはり偶然にしては、頻度が高い。 たいてい、10日〜2週間連絡がなかったあとは、子供からコンタクトが来るのです。
いや、でも、そんなセコイことするようなヤツではなさそうなのですけどね。 軽い口論の後(ほっとんどないですけど。ケンカもしたことないし)、子供に電話させるのって、ある意味ズルイではないですか。 そういうズルはしない人ですので、本当に、偶然に偶然が重なっているだけかもしれないんですけど。 ナナが子供に「じょりぃちゃんにちょっと電話してみて」と頼んでいるということは、ちょっと考えられないんですよね。 でも「末子さー、じょりぃちゃんに電話したいんじゃなーい?」と誘導するという姑息な手段は使うかもだ。
スミマセン。ほとんど独り言状態になってますワタシ。
で、また今回2週間以上のブランクが開きました。(「元気なの?」のメールが一度来たりしましたが) まだ家庭訪問終わっていないし、ワタシからは連絡できません。 ワタシも意固地ですが。ご迷惑にはなりたくないですからね。
けっこう、あっさりと書いていますが、実はかーなーりー悶々とします。 待つ身はツライ。 みなさん、経験あると思いますけど。 「じょりぃはあたしから連絡しない限りしてこないから、まあそんなもんか」と思われてしまうかもしれませんし。なんて言ってますが、ナナはそんなことすら思ってくれないかもしれません。
で、「どうしようかな。電話してみようかな。またひとりで子供たちのことで悩んでメソメソしたりしていないだろうか。そういえばアイツ、そろそろ生理前かもしれないし。また情緒不安定になっているかも」なんて考えて、いよいよコンタクト取ろうかななんて思っていた矢先に
末子ちゃんから電話が来ました。 すごいタイミング。
「じょりぃちゃん、今日、うち来るー? 一緒に遊ぼー」 「今日はもう行けないよ。もう夜遅いでしょー?」 「じゃあ、明日来る?」 「明日かあ。 じょりぃちゃんはお仕事だから、夜なら行けるよ。それでもいい?」 「いいよ」
しばらくしてナナとかわりまして。 ちょっとだけ話して「子供たちが寝たら、またかけるから、待ってて」ということで、夜中にふたたびかかって参りました。今度はちゃんとご本人様から。 どうでもいい話をしばーらくした後、今日の末子ちゃんからの「うちに来れば?」の電話は、実はナナのご希望だったりすると嬉しいよなと期待して、その話を振ってみることに。 だいたい、末子ちゃんには「行くよ」と言ってしまったのですから、行かなきゃウソツキになってしまいますし。
「末子ちゃんに・・・・・・って言われて約束しちゃったんだけど、行ってもいいのかな」 「ああ。 あれ、末子、もう忘れてるよきっと。忙しいんでしょ? 来なくていいよ 」
がーーーーん。 来なくていいそうです。そうですか。行きませんよ。
「あ、そう」 「ヒマなの?」 「ヒマなわけないじゃん」 「でしょ。いいよ、無理しなくて」 「・・・・・・」 「あたしも明日は都合が悪いしさ」 「そうですか」 ワタシだって、良くはないですよ。けっ。 「じょりぃ、ゴールデンウィークって、休みあるの?」 「ないよ」 「じゃ、ダメか」 「なに?」 「パパが5日に長女と次女を連れてお買い物に行くんだけどさ、あたしとしては末子をデパートに連れていくなんてまっぴらゴメンなのね。長女と次女にあれ買ってこれ買って言われるのも目に見えてるし」 「うん」 「だから、あたしと末子は別行動を取って、『○○○』(子供用の遊園地みたいなところ)でも行こうかなと思ったんだけど」 「うん」 「じょりぃが休めるなら、一緒にどうかなと思ったんだけど、忙しそうなのでいいです」 「忙しくなくなりました。段取りつけます」 <弱いわー、ワタシ。 「(笑) 末子も一緒だけど。 いいの?」 「うん。一緒だと嬉しいよ」 「じゃ、空けておいてね。5日」 「うん」 「天気がいいと地獄だよ。日陰なくて、超暑くてさー。去年のGW、パパと長女はリタイヤして先に帰ったの」 「え”」
ワタシ、暑いのが何より苦手なんですよみなさん。 ナナにさえ「夏はエアコンのあるところ以外では会いません」と宣言しているほどでございます。
「暑いの〜〜〜〜? 暑いんですか? 暑いのはイヤです」 せっかく久しぶりに会えるというのに、それすら放棄する勢いのじょりぃ。 じょりぃの愛なんてこんなもんか、なんて言わないでください。 誰にでもどうにもならない苦手なものというのはあるんです。 場所、場所変えてくれ、ナナ。
「だよねー。じょりぃには酷かも。ホンット暑いよ」 「さようなら」 「え?」 「ワタシは行けません」 「んー・・・そうだよね。じょりぃ、倒れるかも」 「わかってて、なぜ誘う」 「あたしもじょりぃに倒れられたりしたらみっともなくてイヤだからなあ」 「それが心配なんですか。倒れますよぢゃあ。連れてってください」 「海用のパラソルでも持って行って、ひとりでさしてれば?(笑) すごいまわりの迷惑になりそうだけど。 そうそう、異常に混むんだよね。人混みも確かダメだったよね、じょりぃ」 「人混みでパラソル・・・。あの、ホントにワタシと行きたいんですか?」 「・・・・じゃあさ、電車の旅にしない? ひたすら景色を楽しみながら、ずーーっと電車に乗ってるの。末子も電車に乗りたがってたし」 「いいね! いいよそれ! 電車大好き」 ワタシが電車大好きなの、ナナはよーく知っているくせに、そのことには触れてくれません。イケズ。 「じゃあ、それで決定ね。また前の日にでも電話する」
やりましたよみなさん。 デエトです。電車の旅。
そういえば、「子供と一緒にじょりぃとどこか出掛けたい」電話の時も、子供からかかってくることが多いかも・・・。
やはり子供を利用しているのか、ナナ。 あんたは卑怯もんや。
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