民主党の政権プランは「単独政権」を前提に作られている。
ところが現実には社民・国民との「連立政権」である。
そのため初っ端から齟齬が生じている。
まず社民・国民は3党の「政策協議機関」の設置を要求してきた。
しかし「政策の政府一元化」を謳っている民主は、閣外にそのような機関を設けたくない。
そこで苦し紛れに考えたのが「党首級が入閣して、閣内で政策協議を行う」と言うものである。
だがこれは社民・国民の思う壺であった。
社民党は衆議院7議席、国民新党は3議席。
合わせても民主党の30分の1以下の勢力だ。
従ってこの数字差通りなら、連立政権の中で埋没してしまうしかない。
そうならないためには、閣内に入って重要ポストに就くことであるが、
民主党の方からそんなポストを持ちかけてくるわけがない。
せえぜえ伴食大臣がいいところだ。
しかし党首入閣となれば別だ。
しかも鳩山の方から「入閣して欲しい」と言わせることに成功したのである。
党首入閣となれば、それ相応の「格」のある大臣ポストでなければならない。
そこで亀井は当然のように「総務大臣」、福島は「厚生労働大臣」または「環境大臣」などの
花形ポストを要求してきた。
一方の民主党にしてみれば、政権政策の根幹にかかわるそれらのポストを他党に任せて、
彼等の勝手にやられてはたまらない。
当然のように難色を示し、現在まだ調整は難航中である。
亀井と福島の要求が通るかどうかわからないが、いずれにしろ目立ちたがり屋のこの二人を
閣内に抱えたことは、今後の政権運営の火種となるであろう。
それにしても酷いのは福島である。
福島曰く、「役所があって、部下がいて、権限を振るえるところでやりたい」。
つまり理屈でもなんでもなく、ただ大臣の権力を振り回しててみたいと言うだけなのだ。
まるで「権力と言うおもちゃ」を欲しがる子供である。
「第二の田中真紀子(外務大臣)」と言ってもいい。
福島のポストがどこになるか知らないが、その下で仕えねばならない役人には今から同情しておく。