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2007年09月16日(日) 「意地」の麻生太郎に「次」のチャンスはあるのか

自民党の総裁選挙といえば、事実上次の総理大臣を決める最大の政治ショーと言ってよい。
ところがここ数年、さっぱりその見せ物としての価値が下落している。
前々回(03年)の小泉、前回(06年)の安倍に続き、今回また事前に福田圧勝の流れがほぼ決まってしまっているからだ。
残るは負ける麻生が果たして何票取れるかに興味があるだけ。
「角福戦争」とか「大福戦争」の昔が夢のようである。

その麻生太郎は今回が三回目の総裁選出馬になる。
過去、三回以上総裁選に挑戦した政治家は3人いる。
藤山愛一郎(1960年、64年、66年)、三木武夫(1968年、70年、72年)、小泉純一郎(1995年、98年、01年)。
このうち三木は後の74年に「椎名裁定」で総裁になり、そして小泉は三度目の出馬で当選を果たした。
唯一、「絹のハンカチ」と言われた財界出身の藤山だけが、「政治道楽」に金をつぎ込むだけつぎ込んで総理の夢を果たせずに終ってしまった。
しかし藤山はともかく、三木にしろ小泉にしろ、負けを覚悟で総裁選に挑戦し続けたことで却って名をあげ、後に総裁になる芽を残したと言える。
一方、前尾繁三郎などは、大派閥宏池会(現古賀派、谷垣派)を率いていながら勝ち目がない戦に腰が引けてしまい、出馬を断念。
その結果、失脚に追いやられてしまっている。
今回、その前尾と同じ運命を辿りそうなのは津島派の額賀福四郎。
前回にひき続きまたしても出馬を見合わせ「福田支持」の大勢に乗っかってしまったことで、今後もう有力な総裁候補としての道はないだろう。
三木や小泉がそうであったように、やはり政治家にとって勝ち負けを度外視してでも「旗」を揚げ続けることは、重要なファクターなのだ。
そういう意味では、意地と面子であえて負け戦に挑む麻生には、まだ「次」のチャンスもあると言えるだろう。
もっとも、その時まだ自民党が政権の座にあれば、の話だが(河野洋平同様野党総裁ということも考えられるが)


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