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2007年07月06日(金) 諸悪の根源、参議院

現代の政治をダメにしている最大の元凶は参議院の存在にある。

日本の政治制度では、与党が衆参両院で過半数を取らなければ政治は安定しない。
しかも参議院は半数改選のため、2回に分けて選挙が行われる。
つまり衆議院選挙に加え参議院選挙2回の、計3回の選挙に連勝しなければならないのである。
だが今時、どの党の誰が政権にあろうとも、国政選挙で3連勝もするのは至難の業である。
高い人気を誇った小泉前政権にしろ、その任期中4回の国政選挙(01参、03衆、04参、05衆)のうち、勝ったと言えるのは最初の参院選と最後の衆院選だけ。
2度目の参院選に至っては民主党を下回って「敗北」である。
そもそも日本の総理大臣ほど絶えず選挙で進退を危うくされている存在はあるまい。
例えば小泉前首相の場合、その5年半の政権の間に4回の国政選挙に加え総裁選でも「信」を問われている。
つまり毎年のように選挙に明け暮れていたわけだ。
これでまともな政治ができるのだろうか。

また、日本で本当の意味での「政権交替」ができにくくなっている最大の要因も、実は参議院の存在にある。
と言うのは、参議院選挙は「政権選択の選挙」ではない。
たとえ参院選「敗北」の引責で自民党総裁が辞任・交替しようとも、次もまた自民党の政権であることには変わりない。
しかし本来なら失政の責任を取らせて政権を替えるのは、衆議院選挙であるべきだ。
ところが有権者は、参院選で与党を敗北させ適当に「お灸」をすえても、衆院選では野党を勝たせようとはしない。
現に1989年、98年、そして前回04年の参院選でいずれも自民党は敗北を喫したにもかかわらず政権は変わらない。
それは直後の衆院選では、自民党が勝利しているからだ。
何故か。
まず、第一に、参院選で有権者の政治的不満は「ガス抜き」されてしまうからである。
第二に、有権者が折角参院選で野党を勝たせても、その後の政治で野党が存在感を発揮できないからである。
というのは、何だかんだ言っても衆議院では与党が多数を占めている限り、混乱はあってもなかなか野党の思い通りにならない。
しかしその有様が有権者には「やっぱり野党はだらしない」と映り、失望を与え、その結果、次の衆議院選挙で再度野党を勝たせるところまでは行かないのである。
しかし、もしこれが参議院など存在せず、国政選挙が4年に1度の衆議院選挙だけだったらどうなるであろうか。
有権者の政治的不満は一気に爆発し、与党は失政の責任を一手に問われ、政権を失うこともあり得るだろう。
このように、参議院の存在は政治の発展にマイナスであれこそすれ、何のプラスにもならない。
今回の参議院選挙でも有権者はこのようなことも念頭に入れた上で選択を図るべきであろう。


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