Memorandum
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2003年12月01日(月) 「第2の社会党」どころか、実は社会党以下だった民主党/朝日新聞って、いつから小学生に社説を書かせているの?

与党、自衛隊派遣で状況見極め求める…外交官殺害
>一方、民主党の岡田幹事長は30日、「事態に強い憤りと深い憂慮の念を抱く。
>政府の情勢認識や対応、判断の甘さ、過ちをただし、イラク問題への姿勢を根本
>から見直すよう求めてきた」との談話を発表。派遣反対を改めて表明し、イラク問
>題審議のため、国会の関係委員会での閉会中審査と臨時国会開会を要求した。

> 民主党は、国会周辺でのデモ行進などを通じ、国民的な派遣反対の世論を喚起
>することを検討している。 

「イラク問題への姿勢を根本から見直すよう求めてきた」って、自分のところの
根本姿勢もはっきりしない奴が、何をどう「見直すよう求め」るつもりなのだろう。
「国会周辺でのデモ行進」。
いよいよ抵抗野党・社会党の真似事を始めるつもりか。
これでも「政権交代可能な2大政党制」とは、笑わせる。
しかも、この党が社会党より悪質なのは、自らの当事者能力のなさを誤魔化し
ただ政府の揚げ足を取る目的だけで目先の政策への反対を叫んでいるに過ぎないとい
う点である。

社会党には「自衛隊違憲」「非武装中立」という、甚だ脳天気なシロモノとは言え党
としての明確な論拠があり、それに基いて反対論を展開していた。
だからこの党の反対は、少なくとも「反対のための反対」ではなかったのである。
これに対して民主党には基本的な外交・安全保障理念・政策はなく、従って
対イラク問題での党内の意見も全くバラバラである。

例えば小沢一郎は「国連の旗のもとでなら派遣可」として、国連決議さえあれば
自衛隊派遣に諸手を上げて賛成である。
しかも、「先の国連安保理決議で条件は整った。憲法上は形のうえで問題ない」
とさえ述べている。
ただ、「イラク復興支援特別措置法に基づく派遣には反対」というだけである。
一方、横路のような元社会党は、何がなんでも自衛隊派遣は反対である。
このため菅執行部は、とりあえず最大公約数として党内の一致する「今現在の
自衛隊派遣反対」を唱えているに過ぎない。
つまり民主党の反対とは、ただの「党内事情」によるものであって、政策でも理念で
も何でもなく、いい加減で薄弱な理由に過ぎないのである。

しかも菅は、とんでもない暴言を吐いている。

菅代表「首相の判断間違い」と批判…外交官殺害

>「小泉首相が判断を間違った。治安がよくなる見通しのもとで、自衛隊派遣を事実
>上、米大統領と約束した。『テロに屈しない』という情緒的発言で物事を押し通そ
>うとするやり方は一番危なく、自衛隊派遣は日本でもイラクの人にも支持されない
>行動だ」

言うに事欠いて、「テロに屈しない」という当然の発言のどこが「情緒的」なのか。
民主主義国家の最大野党の党首の発言とは思えない。
今回、殺害された奥克彦参事官は、先に起きたイタリア国家警察部隊襲撃に際して
次のように述べているのだが、この声に菅はどう答えるつもりなのか、
もし同じ事を言えるものなら、言ってみるがいいのである。

>犠牲になった尊い命から私たちが汲み取るべきは、テロとの闘いに屈しないと言う
>強い決意ではないでしょうか。テロは世界のどこでも起こりうるものです。テロリ
>ストの放逐は我々全員の課題なのです
「テロとの闘いとは」(11月13日付「イラク便り」)

菅は「テロに屈しない」というのが情緒的だと言うのならば、
自分たちも「情緒的発言」でただ反対を押し通すのではなく、
「民主党政権ならばこうするのだ」ということを具体的に提示して見せるべき
である。
「危険だから現地には行きません、でも人道・復興支援は積極的にやります」
という民主党には超能力者か魔法使いでもいるのだろうか。

ところで朝日新聞も今朝の「社説」で、例によって支離滅裂な論旨を展開しているの
だが、内容がどうのこうのという以前にまず、その恐ろしくお粗末な文章に呆れたので、
同じく今日のl天声人語」と並べて一部掲げておく。

>しかし、だからといって、たじろぐな、さあ派遣だとなっていいはずはない。
>そもそも派遣の目的は人道支援や復興への協力であって、ゲリラやテロを
>制圧するためではない。そんな短絡した考え方は、泥沼への道につながりかねな
>い。
「社説」

>そして、だからこそ、後方から命ずる政府には、その人たちの安全に最大の配慮を
>し、状況によっては現場にブレーキをかけることも求められる。
「天声人語」

「しかし、だからといって」
「そして、だからこそ」
――揃いも揃って、何を慌てふためいているのか朝日は。

こういう接続詞がやたら連なるような表現は、十分に論旨を展開できなかったとき
に、無意味な強調でその論拠の薄弱さを誤魔化しているのである。
私もこうしてネット日記で文章を書いて、苦し紛れに時々やるので、ド素人でもよく
わかる。
しかし新聞記者といえばプロのもの書きの端くれだと思うのだが、
そのプロが−しかも全国の受験生のお手本に使われていると自慢している
朝日の論説委員やコラムニストが、こういう幼稚な文章で高給を取っているのは
詐欺に近い。
クォリティ・ペーパーを自任する全国紙の記者が小学生の作文並みの文章力とは
実に恥かしい。作文教室にでも行って勉強してきたらどうか。


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