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2003年11月17日(月) 「テロの脅迫に屈しない」(首相)のは当然である


「脅迫に屈しない」首相、国際テロ計画報道で

>小泉首相は17日夜、国際テロ組織「アル・カーイダ」系組織が
>日本でのテロを計画していると報じられた問題で、「脅迫に屈してはいけない。
>テロとの戦いは全世界、各国が共通の戦いだ。脅しに屈してはいけない」と述べ、
>イラクへの自衛隊派遣を進める政府方針を変更する考えはないことを強調した。

イラクへの自衛隊派遣に対して、賛成.・反対、それぞれもっともらしい
理屈をつけて論じられているわけだが、とどのつまり最終的な判断の分岐点は、
「日本にとって損か得か」という、それだけだろう。

「損だ」と言える理由は、例えば現に自爆テロが横行しているように
自衛隊が危険な目に合う可能性があるし、
更にアル・カーイダが日本国内で計画しているというテロがもし実行されたら
大変な惨事を招く、などなどの点である。
なるほど、それは確かにその通りである。
でも、じゃあ、イラクへ自衛隊は派遣しません、アメリカの要請には応じません、
ということにしたら、それで何か「得だ」ということになるのか、
少なくとも損にはならないのか、というそちらの面も勘案してみなければならない。

例えば今回、首相が「脅迫に屈しない」と言ったわけだが、
それに批判的な人は、じゃあ、「テロが怖いから自衛隊派遣は止めます」
とでも言えばいいと思っているのだろうか
でもそんなことを言ったら、世界中の笑い者、いや軽蔑され、
誰からも信用も相手にもされなくなることは確実なのである。
しかも、テロリズムを容認する非民主主義国として、
見事「ならず者国家」の仲間入りである。
いや、それだけではない。
一度でもテロに屈すればテロリストに舐められ、結局はニ度三度と
脅迫に屈するようになることは必然である。
よく、「アメリカの言いなりになるな」というが、
その代り実はテロリストの言いなりになりたがっているのである。
更にテロの脅迫に屈することは、単に日本だけの問題ではなく、
テロが有効な手段であることを証明することとして世界全体の不利益にも
なるである。
首相が「テロの脅迫に屈しない」というのは、したがって当然過ぎるほどの話なのだ。

また、テロの問題云々は抜きにしても、イラクへ派遣される自衛隊の危険そのものを
考えれば派遣すべきではないという意見についてはどうか。
先日、偶々テレ朝の「Nステ」を見たら、自衛隊員の妻か何かの夫の身を案じる切々
とした声を放映していたが、情緒論で問題をはぐらかそうというのは実に卑劣な手段だ。
超平和国家の日本なので、自衛隊が危険な目に合うというと飛んでもない話に思えるが、
でも例えば警察官は毎日のよう危険に身を晒して職務を遂行している。
ことによったら、凶悪犯との銃撃戦のような場面だって全くないとは言い切れないわけだが、
そういう時に「命が危ないから」なんて警察官の妻の声でも流して、
テレ朝が警官派遣反対キャンペーンをやったという話は聞いたことがない。
自衛隊員の危険はもっともな問題だが、しかしそのために自衛隊を派遣しない理由に
はならないのである。

「アメリカの言いなり」の自衛隊派遣に反対、などというのも、
国益を度外視した無意味な意見である。
民主党の菅なども、先の選挙中もアメリカとの関係について、
「言いなりならず、お互いに言うべきことも言う」対等な関係、などと称していた。
{言うべきことも言う」というと、さももっともらしく聞えるが、
しかし、アメリカが協力を要請して来たときにそれを断わり、 
逆にくどくどと説教でも聞かせるのが対等な友好関係だと思っているだとしたら、
そもそも何を期待して同盟関係を結んでいるのだろう。
アメリカが苦難しているときに彼らを手助けしようというのは、、
近い将来、こちらとしても北朝鮮問題でアメリカの軍事的パワーが必要だからである。
こっちは手助け致しません、でもこっちの苦しいときだけは助すけてくれ、
なんて虫のいい話は通じない。
アメリカが助けてくれるとは限らないという話もよくきくが、
それは世界中の同盟、条約、国際的信義全て否定するという、
ためにするだけのナンセンスな意見に過ぎない。
そもそも「アメリカの言いなり」反対とか自衛隊派遣反対とかいう手合いは、
北朝鮮問題で甘いし、そして中国や韓国には尻尾を振って
言いなりになることが大好きな「ポチ犬」が多いのはどうしたことだろうか。
そうしたことも踏まえて広く判断した時に、イラク問題で日本が何をなすべきかは、
やはり自ずと明かなのである。


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