さて、衆議院選挙は民主党の敗北と決まったわけだが・・・
え、まだ投票してない?
いや、選挙前から既に結果は明かなのである。
何故なら、今回の選挙で民主党はマニフェストを作成し
「政権交替」を掲げて臨んだ。
従って政権交替ができなければ、民主党は敗北である。
しかし政権交替などできっこないのは
初めからわかり切っている話である。
アントニオ猪木なら、
「戦う前から負けること考えるバカがいるかよっ!」(バシッ)
と殴りつけるところであるが、
しかし政治は、やってみなけりゃどうなるかわからない、
などといういい加減な見通しでことに臨むことはあり得ない。
そうでなければ政治責任などというものも生じないのである。
だいいち、民主党だって今回の選挙で
いきなり政権交替ができるなんて、
誰も考えていなかったはずではないか。
思い起こしてみれば、そもそも昨年の今頃の時期の情勢は、
民主党は政権交替どころか現有議席の維持も危ない
と認識されていたはずだ。
だから鳩山前代表は自由党との合流を画策したのだし、
また、その鳩山では選挙に勝てないというので
代表から引きずり降ろしたのである。
なのに、菅に替って、そして自由党と合併したぐらいで
いきなり政権交替ができるなんて考える方がどうかしている。
もともと民主党、自由党ともに、マイナスを覚悟していたのだから、
合併効果による上積みでその分を埋めて現状維持ができればいい、
ぐらいの認識だったはずなのである。
なのに、いつのまにか、200議席、いや政権交替も夢ではない、
などという誇大妄想の世界に入ってしまった。
これはマスコミが煽ったせいもあるが、
その種を捲いたのは自分たちなのだから自業自得というものである。
いずれにしろ、民主党が「政権選択の選挙」などと
身のほど知らずなたわけたスローガンを掲げてくれたお蔭で、
与党側の思う壷にはまってしまった。
菅は、「マニフェスト選挙」に持ち込んだ自分の手腕に自惚れて
いるようだが、策士の能もないのでは、策に溺れる資格もない。
わざわざ自分たちに高いハードルを設けてしまったことで、
逆に自民党は与党3党で過半数さえ維持できれば
いいことになったのだから、これほど楽なことはない。
さて、
「敗北」した民主党は選挙後、どうなるのか。
公示前から早くも小沢一郎は
「200議席以下なら執行部の責任」
と伏線を張っている。
小沢は最初から「敗北」を念頭に、
鳩山一派と連動して一波瀾起こそうという魂胆だったのである。
いくら勧められても執行部入りしなかったのは、そのためだ。
また、何をトチ狂ったのか赤松広隆選対委員長に至っては、
「220議席も可能」などと素っ頓狂な発言をしていた。
赤松は旧社会党出身で菅寄りだったはずだが、
よく考えてみたら、
この人は社会党時代も右派集団「デモクラッツ」を率いて
小沢シンパだった。
従って菅執行部は選挙後、
党内の右からも左からも攻めたてられることになりそうである。
これに対して菅一派は
「負けていない」
と抵抗するだろうが、
いずれにしろ不協和音は免れまい。
こうして選挙後直ちに民主党の没落が始まるのである。
その菅は、それを知ってか知らずか、
民主・菅代表が毒舌、現職3閣僚をバッサリ
>「小泉さんの閣僚と、こっちの顔触れを比べてみようじゃないか!」
と相変わらず強気で意気軒昂である。
しかし、比べると言ったって、菅を含めても7人しか発表してないではないか。
農水や経産、厚労、防衛はどうしたのか。
それに小沢を外交・行革担当の副総理に起用しているが
これって、外務大臣をやりながら行革をするつもりなのだろうか。
田中ヤッシーの地方主権担当以上に、こちらの方が不可解である。
その田中長野県知事の起用にしても、読売新聞によれば、
>菅氏は当初、現職知事や知事経験者、著名経済人らを「内閣」に起用し、
>10月28日の衆院選公示前に華々しく発表する意向だった。
>しかし、北川正恭・前三重県知事らに断られるなど手間取り、
>人選は公示後にずれ込んでいた。
とのこと。
つまり何のことはない、
手当り次第に声を掛け捲くっては断られ、
結局はヤッシーしか引き受け手がいなかったというだけの話。
>菅氏は記者会見で、「最高のメンバーを発表出来た。
>脱官僚、脱(中央)集権、脱腐敗の政権を作る最強のチームだ」
>と胸を張った
と言うけれど、むしろまるで、松井もイチローも出てない上に
優勝した阪神からも辞退された野球の五輪代表を「ドリームチーム」と
称しているようなお寒いイメージがあるのは気のせいか。