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2003年10月25日(土) 中曽根引退問題を高齢者一般と同列視することの愚劣

「中曽根引退問題」に関する朝日新聞の社説
■引退勧告――両雄の退場は惜しいが

> 中曽根氏をめぐる騒動も、しょせんは自民党の内輪のことだ。
>首相演出の世代交代劇がお年寄りの有権者にどう受け止められるか。
>民主党の菅代表は74年の参院選全国区で金権政治批判を掲げて2位当選した
>市川房枝氏が81歳だったことをあげ、政策よりは人事で人目を引こうとする
>小泉流をからかった。

こういう、中曽根問題を高齢者一般にリンクさせた意見って、
何か勘違いしてやしないないだろうか。
中曽根というのは、一般人ではない、
国会議員なのである。
そして国会議員というのは、選挙ごとに選ばれて任じられ、また、
任期が来れば自動的に辞めさせられるのである。
それは中曽根が総理まで務めた大物政治家であろうが、
ただの陣笠議員であろうが、原則は変らない。
従って、本人の意思で辞める辞めないの問題ではない。
あくまで有権者の選択の問題なのである。
そしてその中曽根は、比例選の議員、
つまり、党の名簿で当落が決まる。
だから党が名簿に載せなければ、それまでである。
無論、中曽根はかつて橋本時代に「終身1位」を約束された。
だか「終身国会議員」などと、公職を私物化することが
民主主義社会のあり方として不適切なことは、言うまでもない。
現に、自民党の『党改革に関する答申』(平成11年3月30日)でも、
「本来、国会議員の議席は功労者に論功行賞として与えるものではないので、
例外規定は削除するのが適当である」
「経験豊かな議員には、永年にわたる政治活動で培われた見識を非議員として
政治に生かしていく途を党の中に設けることを検討すべきである」
とされているのである。
従って小泉は今回、ただこの答申に従ったに過ぎない。
それは「終身国会議員」などと言う不正を正したという意味で
褒められこそすれ、誹られることではない。
むしろ橋本がそのような不正を行ったことで、
その責任をとって、中曽根とともに引退すべきであろう。

ちなみに菅の言う市川房枝は、
87歳で再び立候補して、その任期途中で死亡している。
どんなに元気に見えたって、90近い老人が6年もの任期を務まるかどうか
わかりそうなもので、そういう自己判断ができないからボケていると
言われるのである。

また、菅が「政策よりは人事で人目を引こうとする小泉流をからかった」
などというのは、全く笑止千万。
他人をからかうひまがあるならその前に菅は、
散々世襲批判しながら自分は息子を立候補させているという、
政策もお粗末な上に人事もお粗末な己れの醜さを恥じるべきである。


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