11月26日付朝日新聞のコラム
「早野透のポリティカにっぽん」
>先週、秋田市での集会に日帰りで出掛けて、私は最近の日本政治の話をし
>お会いした人たちからは昨今の町の様子を聞いてきた。
>どこも不景気をかこつ話ばかりである。みんなつらいよねと感じながら空港に戻る
>道すがら、大きな満月がのぼるのを見た。「
何の集会に出かけたものやら知らないが、高給取りの朝日コラムニストが
原稿を書き散す片手間に地方に出かけて庶民の味方面。まるで水戸黄門気取りか。
>それにしても、「このごろのテレビ見ていられませんねえ」という声をあちこちで聞く。
>「北朝鮮の拉致問題」のことである。みんなが口をもごもごさせて言いづらそうに
>している話をまとめれば、こういうことである。
「国民の『声なき声』は私を支持している」――
最近の朝日新聞は、60年安保の岸信介首相の心境だろうか。
北朝鮮の拉致問題で国民の大多数世論から孤立する自らの立場を正当化する事に必死である。
しかし、どうせ「声なき世論」を捏造するならもう少し上手にやった方がいい。
「あちこちで」「みんなが」言ったというが、
>隣近所の在日の人の困った顔を日々見ている
ような日本人が何処にそんなにたくさんいるのか。「語るに落ちる」とは、この事である。
「声なき世論」に支持されている証拠として「巨人戦で毎晩満員の後楽園球場」を挙げた
岸首相の巧みなレトリックに、現代の朝日コラムニストは遥かに劣るようだ。
>そんな居丈高な雰囲気の中で「相手は無法の北朝鮮だから国民一丸となって立ち向
>かえ」といわれるとちょっと待ってくださいと言いたくなるんですよ。
> 以上のような話をなぜ口をもごもごさせるかといえば、そんなこと言えば自分も
>「非国民」のように思われやしないかと恐れるからである。
筑紫哲也も「この国には『大政翼賛会』的な風が吹き荒れている」などと言っていたが、
しかし筑紫や早野が60年や70年安保の時には全く逆の事を言っていたであろう事は確実である。
或いは72年、78年の日中国交回復や日中条約の時でもいい、
反対意見を袋叩きにしたのは親中派翼賛会のこの朝日の連中である。
安保のような反米ナショナリズムならもろ手を挙げて賛成だが、
反朝ナショナリズムは大政翼賛会というのは、彼らの政治的立場を丸出しにした、
ただの卑劣な詭弁に過ぎない。
自分たちの気に入らない世論が多数を占めれば大政翼賛会呼ばわりとは、
本家・翼賛会だった岸首相でもびっくりの素晴らしい民主主義である。
政治的ご都合主義で民主主義を平気で捻じ曲げる、彼等の本質こそ大政翼賛会であろう。
追加:
朝日に連載中の「野党よ─党首に聞く─」(聞き手 早野透) での志位共産党委員長への質問。
「国民一丸となって朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と対決というムードがある。
なんかおかしいと思いませんか」
…(笑)
同調して欲しかったのだろうが、しかし答えではサラリとかわされている。
残念だが、共産党は大人だから無用に世論と喧嘩はしない。早野は聞く相手を間違えた。
代りに、朝日ともども世論から見放された同志である社民党の愚鈍な土井氏が、
さぞお気に召する答えを出してくれるだろう。