「花」〜カラーインクで線描、油彩透層、テンペラ白 2005年03月31日(木)
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色の乏しい画面に、カラーの顔料インクで色をつける。
固有色をつけるのか、色で形をつくるのか。
色の乏しい画面に色が入る。
固有色を意識した線描は形をつぶしそう…。
黄色で花のつけねとわずかな光、
青系で軽い影、輪郭をつけ、
赤で背景もハッチング。
苦労ばっかりして意味のない線影?
狂おしいほど密度のあがった愛しい画面に?
最後はいつもどおり油彩層とテンペラ白で閉じるつもり。
ここまできて、何故また油彩?
一手間も二手間も多くかかる。
固有色での線描では、形をつぶすから、
透明な油彩層は濃淡のある柔らかい色面を担当し、
意志のある線は形に興味がある、ということで、
手間は増えるがチャレンジしてみる。
一層薄く透層をかけておき、それから花に固有色を濃淡でつける。
一度は線影もつぶれるから、惜しいというか、怖いというか。
最近成功作品がない身には特に。
しかし、つぶさなければ新たに描き足せないだろう。
糸のような線、テンペラ白で浮きだし描写。
高価なラファエロの筆以外に適役はいないのか。
鮮やかな色、紫と赤と金のゴージャスな対比が
描き込んだ息苦しさと相まって、やけにまがまがしく、眩暈がしそう。
わたしが今までに使ってきたものは、
白灰色と黒、褐色。形最優先。
華やかな色は欲しいけど、強すぎて、弱すぎても、
鋭い槍のように、目に刺さり、
淡い霧のように、まとわりついて勝手に意味を加えていく。
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この季節、夜になると目がかすむ。
コンタクトを外して、度の弱いメガネをかける。
離れて見て、冷静に判断することができないのがツライ。
全体のバランスがまずいと、細かくても意味がないだろう?
細かく描くことが目的ではない。
でも、なんか久しぶりにペンと面相使いこなし、
ますます近視眼的になりそうな道具だけれど、
結果はどうあれ「今日は描いたぞ〜〜♪」という満足感が、
死にそうな気持ちを奮い立たせてくれる。
by HPY
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