<前回までのあらすじ> ある日、わたくしはエリア88連載掲載誌を購入してみることにした。古本を集めだすときりがないので、とりあえず、1冊だけという約束で、昭和61年(1986)5月23日号を購入してみた。これは最終回間近の回である。サブタイトルは『アスラン燃ゆ』表紙を飾っていたのは風間真であった。 わたくしは興奮ぎみに本を開いた。総天然色フルカラーのカラー絵が私を昭和の時へと誘ってくれた。この回は戦死したグレッグ大尉に、敬礼するところからはじまる。ヒキは光を失い目の見えなくなったサキが父に出会うところだ。実にいいところで終わる。ああ、この後は怒涛の展開が待っているんだなと思う。 読みなれた話も、自分が所有している版と違うと、印象が異なって趣深い。まず大きさが大きい。おかげで迫力ある絵が楽しめる。次にカラーベージがカラーのままだ。彩色画が楽しめる。柱には煽り文句がいっぱいだ。当時の興奮を今に伝えてくれる。見慣れた絵もタイトル文字が乗っかっていると始めてみる絵よう。閉じが私が持っている本と左右逆だったりするのも、新鮮な感覚だ。 そして、私は、このページの途中にある奇妙なものを発見するのだった。 その奇妙なものというのは・・・ その奇妙なものというのは読者アンケートであった。 読者アンケート、それ自体はおかしくないものであるが、質問の内容が少しばかりひっかかる内容であったのである。 そこでは「自殺について」という漫画雑誌が扱うにしては重いものを扱っていたのだ。 そして、このアンケートが挟んであるページ横で、サキが「始まりがわが父・・・で終わりは・・・このわたしだ」と不吉なことをいっているのである。これが、ただの偶然ではないような気がして、わたくしは気になって仕方ないのであった。 --------------------------------------------------------------------------- ■3 自殺についてキミたちの意見を聞かせてください。 A.キミは自殺した人について、どう思いますか。次の中から一番近いものを選んで、番号で答えてください。 1可能性は無限にあるのだから、自殺するなんてバカだ 2家族や周囲の人の悲しみを考えない自分勝手な行為だ 3自殺はいけないことだがそれなりの事情があったに違いない。同情する 4自殺も自分の気持ちを他人に伝える方法の一つだ。 5自殺は人間の権限の一つだ、他人が批判すべきではない 6その人を自殺に追い込んだ周囲の人間の責任だ 7自分には関係のないことだ --------------------------------------------------------------------------- あの、次回、サキ司令、自殺しちゃうんですけど、自殺しちゃうんですけど。あの、この質問一体何?このハガキの横で、もう自害すること口走っているんですけど。このサキ司令の自殺を先取りしたような質問内容はいったいなんなんですか? 賛否わかれるサキ司令の自害ですが、 キミはサキ・ヴァシュタールの自害について、どう思う?
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