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「かおる×シンジ対談」新谷かおると和田慎二の対談 6
2006年02月21日(火)

終わったと見せかけていて、また続いていた。
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―ところで、JUNEですので(笑)ここらで、カヲルくんっていうのはなんだったんでしょうね。

和田 使徒の侵略、あるいは侵食っていうのは、最終的に人間に一番効くのは人間だったっていうところへ持ってきているから。

―英語で言うとエンジェルで、カヲルくんも天使の像の壊れたのに座ってハミングしてる。

新谷 そのへん深読みしようと思えばいくらでも深読みできるんですよ。でもね、こういう言い方したら庵野し怒るかもしれないけれど「使徒ってかっこいいじゃん、これにしよう!」っていうさ(笑)「かっこいいじゃん」っていう(笑)

―あの落書きみたいなやつ(サハクィエル)とか、ちょっとすごいですよね、あのデザイン。

和田 もう使い果されているからね、アニメでは。はにわ原人やられちゃったし、円盤獣やられちゃったし、次何にしようっていう(笑)で、使徒だった。

―「最後のシ者」で渚くんだとか、そこでしゃれがうまく決ている。

和田 全部水系だし。

―辻褄が合っちゃっうところが、うまく行っているときの好循環。偶然もあると思うんですけれども。

新谷 頭の中のどっかに、いくつかのデータがパラパラと置いてあるんだろうけれども、それがフッフッフと符合して、ゴロ合わせをぱっぱっぱと考えていくっていうね。うーんって考えたものもあるだろうし、フッて思いついて、これ行けるじゃんっていうやつもあっただろうし。

―後付で言われてみて、そうだったなっていうのも絶対あるでしょうし。

新谷 そういうのはほんとうにね、なんていうのかな、手前味噌でごめんなんだけど『エリア88』でアスランっていう国を出したらファンが「アスランっていうのはフランス語でライオンっていう意味なんですね」ってなんか符合したことを言って来たわけよ。「バシュタール家のうんぬんかんぬんとあれって、アスランというフランス語での獅子というネーミングをおもいついたんですか」っていうことで。全然考えてなかった(笑)そんなこと全く考えずに。

―ゴロだったんですか。

新谷 というか頭の中に出て来たそれだけなんで。だいたい砂漠にしたということ自体、いい加減だったから。童謡で、“月の砂漠をはるばると”とか、「あ、いいなあ」とかいって(笑)

―そのあとの湾岸戦争だとか、予見していたように。

新谷 予見もなにも(笑)“旅のラクダが行きました”「いいじゃない」とか言って(笑)

―『エヴァンゲリオン』も碇とか加持は“舵”かなとか言っても、サザエさん一家だとおもえば、そんな深読みしてもね(笑)なぜ、サザエで妹がワカメでって考えてもしょうがないみたいな。

新谷 あれは要するに船が好きなんだよ。いわゆる戦艦ものという。

和田 六分儀ケンドウ。

―それを名字にもってくるか(笑)

新谷 あとは、戦艦、空母、だいたい日本の連合艦隊の巡洋艦、駆逐艦、全部名前に持ってきてますよね。だからパラッと名前を見たときに、ああ、全部これ船の名前だなってわかったくらいだから。

和田 全てを統一してくれりゃいいのに。加持くんなんてかわいそうだね。舵って(笑)

―でも舵をとるのは、重要なキーパーソンかもしれないんですよ。

新谷 だからそれは深読みだって(笑)

以下略
〜新世紀エヴァンゲリオン JUNE読本 残酷な天使のように/マガジンマガジンより〜

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最初に訂正というか突っ込み。

×はにわ原人→○ハニワ幻人
×フランス語→○トルコ語
×バシュタール家→○ヴァシュタール家

はにわ原人は正しくはハニワ幻人ですね。(@鋼鉄ジーグ)
たぶん、はにわのことをハニワだけじゃ物足りなくて、つい「ハニワ幻人」といってしまう人は、子供のころ、鋼鉄ジーグ(というアニメが昔あった)を見ていた人でしょう。私もハニワだけじゃ、どーも語呂が悪くて、ハニワ幻人とゲンジンまでつけないと落ち着きません。
また、落書きみたいなやつ(サハクィエル)はコン・バトラーでとっくにやってくれていますね。ミーヤが体当たりで、ガルーダ様をお守りする最期は涙なしでは見れません。
それから、アスラン云々というのは、フランス語ではなくトルコ語。(今調べた)
アスランはトルコ語で獅子という意味だそうです。
またアスランはペルシャ語やモンゴル語ではArslan(アルスラーン、アルスラン)というそうです。アルスラーン戦記のアルスラーンも、一緒なんですね。初めて知りました。

と、などというようなことは今回はどうでもよくて、私が言いたいことは、新谷氏の意見に賛成ということであります。
私も、新谷氏が言っているように、「舵をとるのは、重要なキーパーソン」とか、「天使の像の壊れたのに座って」というのは深読みだと思うし、そいういうところに意味があるという見方はかなり苦手であります。はっきりいってしまうと気持ち悪い。

私はエヴァのどこが嫌かっていったら、「死海文書」とか「アダム」とか「人類補完計画」といった難解な語が呪文のごとく大量に登場し、そこに嬉々として意味を見出そうと食らいついているオタが、大量にいるってことでしょうか。
オタが好きそうなオタ好奇心をあおる言葉がバシバシでてきて、それについて劇中で明確な説明がないものだから、小利口ぶって、そこに意味を見出そうと、語の意味を調べ、小難しい小理屈をこねくり回す。これが気持ち悪い。
過剰なまでに使用される軍事・オカルト・生物・心理学の専門用語。
説明のないわけのわからない難解(ぶった)キーワード。
意図的に説明を省き、視聴者の好奇心を煽りまくる演出。
思わせぶりな謎に謎をつなぐ展開。
なのにそれに何一つ解決を見出せないでいる結末。
そして、それに食らい着くオタク文化人。
はいはいはいはい、サブカルですよーって、広げられる品々とそれに群がるオタ。
この図式が気持ち悪くてどうにも駄目。

この話に出てくる専門用語って、本来の意味と違って、作中でのオリジナルでの意味合いが強いのだと思うけど、そこを一所懸命解読しようとしているあたりが、なんとももう敵の術中に陥っているという気がするんですけどね。
私には、高学歴サブカルというより、あんまり勉強ができないコンプレックスのあるオタクが、難解であることが高尚であるという路線で、高学歴オタクをねらって一儲けしてやろうかと、作ったものにみえるんですが、どうなんでしょう?
そして、そこに加えて、小難しい心理分析をえんえんとし出すから、頭の悪い私には、なんかもうついていけれないという感じでありますよ。
最初のころの学園ロボットアニメのところは好きなんだけどな。

その点、アスランのように、本来そんな意図は用意してなかったのに、後からみたら、偶然しっくり語呂が当ってしまった。あれ?なんか上手くまとまっちゃったじゃん、ラッキーというのは、言葉遊びみたいで、おもしろくっていいですな。
いい加減につけたものが、偶然うまく、まとまるのって、駄洒落というかおやじギャグというか、子供っぽくってこういうのは好き。

わたし あたまわるいんで むずかしいはなしだとわからないや。
おつむがよわいから かんたんでたんじゅんな
おはなしのほうがいいや。
かっこいい ぱいろっとがでてきて てきをやっつける おはなしがすきなの。
それでちょっぴり なぞや えろや めろどらまがあると いいなっておもうの。
ちちとしょうねんのたいりつと 
おとこきょうだいの あいとかっとうがあると 
さらにうれしいな。
いい きょうだいはひっすよ。
あと おたしゅうがつよいと ちょっと ひいちゃうから やめてね。

それから、これはまた別のところで新谷氏が述べていたことなのだけれど、ここもああ、そうだよなぁと賛同したところがありましので、必要な箇所だけの抜き書きになってしまって、前後無視して申し訳ないけれど、ちょっと抜粋してみます。
以下の箇所がそれにあたります。

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―ゲンドウのシナリオのシナリオってどこまでどういうふうに書いてあったんですかね。

和田 親子どんぶりはするわ、ユイがすきなんだかどうなんだかもよくわからない。変な奴。

新谷 深読みしようと思えば非常に深読みできるアニメーションであることは確かなの、ただ深読みしすぎるとこのアニメーションの本筋を見失ってしまう。

和田 ものすごく単純に考えたほうがいい。

新谷 単純に考えてもいいんじゃなかなとも思う。こういう言い方したらあれだけど、所詮アニメじゃん、っていう。「ガンダム」の時にも、アムロの精神状態がどうこうだとか、連邦軍だとかジオン軍だとか、あれもあの当時としてのアニメとしては異常に複雑な人間関係をやったわけなんだけども、その中での心理状態とか、グチグチ分析せずに、ガンダムがカッコ良く戦ってだねぇ、アムロくんが最後にハッピーになればそれである意味いいんじゃないかと。もしその時自分が感動できればそれで良いアニメだし、なんか食い足りなければ、あんんた大人になってこれ以上のアニメ作んなさい、っていう(笑)早い話が『ヤマト』とか『ガンダム』を見て育った世代っていうのが今作ったのが『エヴァンゲリオン』だよなぁ。じゃあ、次に彼らが待っているのが、今これを見てどうこう言うファンの声明文ではなくて、おそらく『エヴァンゲリオン』を見て育った人間たちがあと20年後に作り出してくる、それこそがサードインパクトになるんじゃなかなっていう。

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私も、所詮アニメじゃんっていう考えには賛同。
私も、メカが格好よく戦っていれば、それでいいじゃん、最後ハッピー(あるいはアンハッピー)でまとまればそれでいいじゃん、って思っていたりしている。
富野ガンダムが好きじゃないのも、そういう心理状況とか対人関係を分析したがる分析やサンが大勢いらっしゃるからかなぁ。まあ、一番の理由は見ていて、おもしろいと感じないところですけど。



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