マジンガーもBOX1箱観終わったので、気分をかえて(本当は最終回を観るのが怖い)、 ゲッターロボを観てみる事にしました。 マジンガーシリーズとコンバトラー(長浜)シリーズは一所懸命観ていたのですが、 間のゲッターは覚えてなくて、 どんな話だったか、今ちょっと思い出せません。 とりあえず1話だけ観たのですが、 あの、これ、ゲキガンガー? ゲキガンガー@ナデシコにしか見えないんだが・・・レッツレッツ・ゲキガ・イン。 いやゲキガンガーのほうがパロディだというのはわかっているんですけど、 今みると、ゲキガンガーのほうがオリジナルでゲッターのほうがパロディに見えるという不思議な事態に。 ゲッターは、しばしばその無茶がある合体が笑いのネタにあげられますが、 なんか、もう、 作品そのものがすべてネタって感じがしないか? この話は、マジンガーに始まった複数のメカがドッキングして一つのロボットになるというコンセプトを発展させ、 戦闘機3機が合体変形して、1つのロボットになるという変形モノですが、 その変形無理だろ。 なんで合体すると手と足が生えてくるんだ・・・。 3パターンの合体法によって、3パターンのロボットができあがるとアイディアはすこぶる素晴らしいと思うのですが、 問題の合体シーンがどう観てもギャグにしか見えません。 つーかそりゃ、合体変形じゃなくて、変身だろ。 そして、この話は、私がマジンガーで物足りなく思っていたパイロットが一人だけでなく、 複数性を導入していて、メインパイロットが3人おり、 それぞれが違ったタイプのナイスガイで、その点は嬉しいのですが、 また極端なやつばっかり集めてきたな。 主人公が熱血正義感の優等生、ナンバー2がニヒルでクール、ナンバー3がお笑い担当の太っちょという究極のステレオタイプ。 そのバランスはいいですよ、その方向性はいいのですけど、 選んできたやつが、そろいもそろってまた、全員極端だな。 よくもまあ、ここまで両極端なやつを集めてきたもだ。 でも、おかげでなんで兜甲児が人気があるかわかったよ。 甲児はこの3人が持っているものを、一人で全部持っているんでしょうな。 甲児は1人で、この3人分の要素を持っているのでしょう。 つまり、正義感の強い優等生的ところと、アウトローなところと、おっちょこちょいで3枚目なところと、 みんな一人でもっているというわけですよ。 3人を足すと兜甲児になり、甲児のそれぞれの面を最大限に針が振り切れるまで強調させて3分割すると、 ゲッターの3人になるというわけです。 一人でそれだけそろっていれば、そりゃあ、人気があって当然ですな。 私がマジンガー観ていて、すごく気になったのが、 兜甲児という人が自分の中にあったイメージのと違って、 ただのやんちゃなきかん坊ではなく、 ときどき、大人っぽい道理のわかった発言をしたり、 落ち着いたスマートな態度を取ったり、 びっくりするぐらい2枚目でビシッとしていたりして、 意外で驚いたんだが、それはこういうことだったんだね。 すなわち、ヒーローが一人しかいないから、 やんちゃなきかん坊の役もやらなきゃいけないけど、 まわりの人(さやか、ボス)が熱くなっていれば、軽くうけながして、 クールダウンさせる役もやらなきゃいけないというわけですよ。 小さい子が出てくれば、お兄さんの役もやらなきゃならないし、 きかん坊の子がでてくれば、たしなめる発言もしなきゃいけない、 いつも自分だけがテンションの高い熱血をやっているわけにはいかないのです。 もちろんヒーローなのでビシッときまった格好いい場面もしなければならないし、 ときにはヘマをして、3枚目の役もやらなきゃならない。 2枚目と3枚目の両方をこなさなければならないし、ギャグもシリアスもこなさなければならない。 ボケとつっこみの両方を担当して、ときどきボケてときどき突っ込んでと、 パイロットが一人しかいないから、彼は一人で何役もこなさなきゃならないのです。 (おかげで回によって印象が違う) 毎週の放送見ていても、回によって甲児の印象は異なることが多いです。 乱暴であらっぽい荒れているなぁという回もあれば、 今日は優等生でいい子だなぁというときもある。 戦闘のプロで、今日はいやにシャープで鋭いなぁという回があるかと思えば、 次の週はおちょうしもので失敗したりもする。 さやかさんを颯爽と助ける美丈夫の回もあれば、 おかちめんこと、足蹴りにする回もあったりして、 回によってばらつきが大きい。 まあ、演出・脚本家の連携が取れていないといったら、それまでですが、 おかげで、のっぺりとした一面性だけの持ち主じゃなく、 正義感+アウトロー+お笑いがうまく混じって、 結果的に、完璧すぎる性格ではなく、ちょっと抜けたところのある、しかしながら格好いい 魅力的な人間に仕上がっているのです。 これが裏があったり、腹黒かったりすると、また問題なのですが、 腹芸できるタイプではなく、裏表のないみたまんまの人間なので、 どれをみてて、兜甲児だなぁと思わせてくれるところが、 キャラクターとして、非常に成功しているのではないかと思います。 パイロットが複数いると、個々の差別化をしなければならないので、 いきおい、キャラクターが極端になって、役割分担も自然にできてしまうものです。 ゲッターなんかは、その極端な例じゃないでしょうか。 ま、ゲッターは仲が悪いのがうりなので、あの極端な3人の掛け合いが見せ場になってくるんでしょうけど。 その点、Zは、パイロットが一人しかいないし、登場人物も数えるぐらいしかいないので、 一人でいろんな役こなさなければならず、 そう一辺倒に極端にかっとぶこともなく、素直にまとまっているんじゃないでしょうか。 優等生もすぎれば偽善的になるし、キザもすぎればでとっつきにくいし、ギャグもすぎれば、なさけなくなる。 パーソナリティが、一方行にかたまりすぎると、おうおうにして役割にはまりすぎて融通がきかなくなりがちです。 甲児はそういう役に締め付けみたいなのがなかったおかげで、 のびのびしたキャラクターに仕上がったのではないでしょうか。 あと大きいのは、これ当時の東映のスタイルなのかなんだかわからないけど、 この作品は全体の整合性よりも各話のおもしろさを優先させているのか、 担当する人間によって、甲児&さやかの人格が違っているような気がするんですが、 どうでしょう? いい加減といえばいい加減ですが、自由度が高い分、幅がある人物になったような気がします。 それから石丸さんは、神谷明(役名忘れた)みたいに、 脳天かち割るわるような暑っ苦しい絶叫で必殺技叫んだりしたりしないのも大きいよね。 もっと、甲児はさっぱり叫ぶよね。 あのしつこすぎない、蕎麦食っているみたいな江戸っ子らしい叫び声が私は好きだ。 へん、ざまあみやがれってんだ!この軽い口調がいいナ。(つーか、神谷さん熱いよ・・・) とにかくゲッターみたいに濃くなくて、ひねってなくてあと引かなくって無理がないところが、 観ていて楽というか、安心して観てられるというか、そこがZのいいところですね。 それゆえに、のどかといえばのどかなのですが、でも、このペースになれると、快感だぞ。 毎週富士山をバックに戦って、最後は夕焼けに向かって甲児のお得意のハハハハッという高笑いでしめる、この繰り返しがたまらん。 その編ゲッターはいろいろ極端で、カルト受けしそうではありますよね。 ゲッターってさ、一種のキワモノだよね? (といっていたら、今横から、馬鹿者、キワモノといったら鋼鉄ジーグだろ!というツッコミが入った。) というわけで、操縦者が一人しかいないのは、ものたりなく思っておりましたが、 これはこれでよかったのではないかと思うようになりました。 ゲッターみたいに、グレートの鉄也やグレンの大介さんと3人で一緒に戦うって話だったらいいのになぁと、 よく思ったりもするのですが、 そうすると、きっと、甲児のキャラは、今とは違っていたでしょうね。 3人の相対から、もうちょっと子供っぽい子になっていたのでしょうか。 それはいやだな。一人でよかった。 Zのほうは、もうすぐボスロボットがでてくるので、 そうすれば、甲児のキャラクターも変化してくるでしょうか。 アフロダイAと合わせれば3人になるわけで、 3人集まると、2人にはなかった駆け引きが生まれ、そこにドラマがおこるので、 甲児の印象もこの先また変わってくるかもしれません。 そういえば、子供のころはボスロボット(ボロットだっけ?)を応援していて、甲児はとにかく傲慢で嫌いだった記憶が・・・ 甲児も後半は戦闘のプロとして、暴君となってやな奴なっていくのか?・・・ ボスがギャグ担当してくれるようになるので、甲児は、後半はエラソーな奴になる予感! というわけで、複数メカだったよかったのになぁと思うものの、 一人で単機というのも、それはそれで利点はあって、よいものだなぁ、ということに気がつきました。 一人で単機のアニメなんて今ないので、最初は寂しくてもっと登場人物が欲しいと思うのですが、 観ているうちに、逆に、これぽっちの登場人物でよく90話以上も話作ったなぁと、 スタッフ偉いなぁと感心してしまうようになりました。 魔人パイロット勢ぞろいで、Zとグレートとグレンが並ぶいうシュチュエーションも憧れますが、 一人というのも、けして悪いばかりではないですね。 だってさ、それをやられるとさ、3機が並ぶとさ、 マジンガーZが負ける役をやらされるから、いやだ。 あたし、マジンガーZが負けるところは観るのはいやだ。 そうだよな、ゲキガンガー?
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