ネタ帳

コノハナ【MAILHOME

不滅の力 9
2006年01月11日(水)

うぉぉぉぉ、新しいOP格好いいーッ!

無人発射台から発射されるスクランダーに燃えるでガンス。
瓦礫の中を滑走するマジンガーがカッコいいでガンス。
けなげにおっかけてくるスクランダーが可愛いでガンス。
可変翼のスクランダーが早そうよさげでガンス。
そして風防越しに見える操縦桿を握る甲児が無茶苦茶強そうでしびれるでガ・ン・ス!

さて、オープニングが新しくなったわけですが、
最初の牧歌的な風景とはうってかわって、
見違えるぐらいマジンガーの強さを強調した作りになりました。
この新しいOP、当時の番組の勢いが今に伝わってきますな。
このころ視聴率20%ぐらいだっけ?このあと30%ぐらいまであがるんだっけ?30%っていたらすごいよね。
放送時の破竹の勢いが今に伝わってきて、
PTAが暴力的な機械と好戦的な主人公に抗議しているのが、目に思い浮かぶようです。
マジンガーZが目が覚めるくらい強くなって、これでもか、これでもか、というぐらい敵を倒してZの強さを表面にアピールしてきて、あたしは腰砕けになりましたよ。

甲児ほんと操縦うまくなったよな。
最初は歩くこともままならなかったのに。
ここまでくるのに随分練習していたもんなぁ。
はじめのうちはパイルダーオンも出来なくて、何度も何度も練習していたっけ。
それがいまじゃどんな体位(でいいんだよね?)でもドッキングできるようになったしねぇ。
スクランダークロスもあんなに上達して・・・このメカの進化と成長ぶりが、泣けてきます。
特にこのOPのスクランダークロスの仕方、すごくないかい?ガチンッとすごい音たててドッキングしてるんですけど。腰に衝撃がきそうな合体だけど、大丈夫か?

そして、OPのラストがデビルマンしているの笑いました。
水から上がって空を飛ぶところが、おもいきり、デビルマンのOPの最後とおんなじなんですが。

と、原点回帰ということで、マジンガーZを見ているわけですが、今折り返し地点まできました。
慣れてくると、この話おもしろいですね。
最初は田舎の茶摘のようなのどかなペースが単調だなぁと思ったのですが、
見ているうちにだんだん慣れてきて、
次第に単調が心地よくなり、あるとき単調が快調に転調しました。
単調の中にも適度にイベントがあって、
季節ネタや新キャラ、新兵器が登場したりして、
多すぎないイベントもなんかいい感じです。
多すぎないってところがポイントですね。
時代劇見る年寄りの気持ちってこんなものですか?

というか私、わかったよ、この話の楽しみ方が。
この話のおもしろさはね、小細工を弄しない単純さなんだな。うん。
つまり小賢しいところがないんだよ。

この後、いろんなロボットアニメ登場してくるわけですが、
それらの合体が3機から5機、5機から6機とどんどん機体数が増えていって、
それにともないパイロット数も増えて、
ロボットも進化して武装が派手になり、
バカ兵器が満載のロボットになって、
敵も美形が登場し、この人とこの人が実は兄弟で、敵と見方に別れて戦って、
とドラマ性が高くなって、ボリュームたっぷりなっていく。
そうして複雑になった分、面白みが増してくるわけですが、それと同時に、
話に無理がでてくるわけですよ。無茶が多くなるというか。
子供の目にみても、それは、ちょっと無茶じゃないかというものが増えてくる。
そして、パイロットも悩みのない単純で直情的な性格から、影のある苦悩する主人公という風に複雑な心持の人間になってくる。
で、それは、それで魅力的であるけれど、ふみはずすと、鬱で哲学アニメに傾く危険性をひめている。

マジンガーZはね、パイオニアの強みで、
そういったひねくれたところが全然ないんですよ。
後発の作品が前作との差別性だそうとして、
試行錯誤して小手先をひねって、無茶があるのに対して、
先駆者の貫禄で、ひねくれたところがなくて、素直で裏がない。みたまんま。
この小賢しいところのない、小細工を弄しない単純さがこの話に強みではないかと思うのです。
そして、兜甲児という人はそれを象徴しているんだろうな。

メカもシンプル
主人公もシンプル
人物関係もシンプル
ストーリー構成もシンプル
テーマもシンプル
すべてにおいてシンプルの極み。

これを、単純で幼稚と笑うか、
素直でおもしろいと感じるかは、あなたしだいですが、
私の中には、まだ子供っぽい純真さが残っていたようでね、
最初のうちは忘れていたのだけど、観ているうちに、思い出してきたよ・・・フフ…。

このシンプルなバトルは、体に馴染んでくるとおもしろいです。
合体中は攻撃をしないというロボットアニメ界暗黙の協定が、
この老舗ロボットではまた結ばれておらず、
そのため、合体中こそが最大の攻撃のチャンスと毎回狙われて、
主役機のほうでも、それはわかっているから、
可及的すみやかに合体できるよう日頃から練習積んで、
敵の攻撃をかいくぐって合体するのが見所の一つになっているのですよ。
メカが強すぎず、性能的には敵とどっこいどっこいで、
力押しではなくて、航空力学や流体力学など、
なんとなく科学っぽいな、今なんかそれらしいこと言ったぞ、
というなんちゃって科学をつかって、敵を倒すんだけど、
それが、ゲッター線や超電磁力みたいに、3分に1回は突っ込みを入れずにはいられなくて30分みるとぐったり疲れるといった、強引さがないのがいい。

メカもシンプル極まりないんだけど、
このシンプルさが、逆に、おい、これなら、自分でも操縦できそうだな、って思わせてくれていいです。
とくにこの小型飛行機型のホバーパイルダー、
これがそのままコックピットになるわけですが、
大きさが軽自動車ぐらいで、こんなんで、空飛へるの?っていうぐらい計器版が少ない、
ハンドルはバイクみたいなスタイルだし、
シフトレバーも、パワーショベルとかクレーンとかについていそうなやつだし、
こんだけ単純なら、もしかしたら俺でも運転できる?って感じがする。
だって、クラッチ踏んでいるんだよ?クラッチ。しかも有視界コックピット。
私、格納式?遮蔽式っていうの?モニターでしか、外が見えないエントリープラグスタイルの操縦席って駄目だんだ。
甲児はあんまりモニターみないで目視で操縦しているけど、
機械だけに頼らなくて自分の目で確認するってのはいいよね。
マジンガーZのコックピットは有視界で、操縦者が見えてこの編すごいこのみであります。
乗り込み型ロボットの場合、この操縦してみたいっていうのは、
やはり重要だと思うのですよ。
なんか発想が、メカオンチの女が車選ぶみたいですが。

そして、この悩まない主人公というのが、非常にいいですな。
これが極めてよい。
私昔は、苦悩する能力者系が好みだったんだけど、なんかここにきて急に目覚めたよ。

というのも私はね、かねてから思っていたのですが、
何と戦うか何故戦うかとか、
そういうことは思春期の子には、重要な問題かもしれませんが、
年をとってくると、はっきりいって、そんなことはどうでもいいことになってくるわけですよ。
だって、何故戦うかなんて、そんなこと考えてみたところで、
そういう疑問を大人になってからも続くわけで、
何故あたしは阿呆な子供やダサい夫のために、家事をせなきゃならんのか、とか
俺の一生はこれで終えて本当にこれでええのかとか
その手の苦悩は一生ついてくるわけで、
尽きる日は永遠にこないのですよ。
で、それに悩んだところで、誰かあたしの変わり飯のしたくをしてくれるかわけでもないし、
そういっているうちににまた飯の時間になるし、
迎えに来いと塾からも電話がかかってくるし、
早くこれを書き上げて、でかけにゃならんわけで、
考えている間があるぐらいなら、とっとと仕事にとりかかったほうがいいわけで、頭使って考えるだけ無駄なわけですよ。
考えている間に手を動せっってわけで、
なんかもう考えるだけ、無駄無駄無駄無駄ッ、ムダ!って感じなわけガンスよ。

なので、近頃はうだうだしている、戦闘者を見ると、もう、悩んでいる間に、早く戦えよ、どうせ戦うんだろ?だから、悩んでるだけ時間の無駄ッ!無駄無駄無駄無駄ッ、ムダ!とつっこみを入れたくなるのです。
そういうわけで、このまるで苦悩をしない主人公に、目が覚める思いがして、私は大切なものを思い出したのでガンスよ。
なんかだんだん、年をとってくると、ああ、もう人間は素直が一番、丈夫なのが一番、繊細な子とは扱いに困るから勘弁してくれ、そんな子よりうっかり叩いても死なない子が一番と思うようになってくるわけですよ。(なんか今日は生活の疲れが激しいな)

そういうわけで、この主人公のさっぱりしまくった破天荒な性格が痛快でたまらないのです。
そういえば、昔は漱石も「それから」が一番好きだったけど、最近は「坊ちゃん」が一番好きだもんなぁ。

まあ、本当は、パイロットは複数ほしいよな、
ヒロインも一人じゃなくて、何人かいて、誰かしらお気に入りの子を見つけられるつくりだといいよな、とか、
敵にも美形がほしいな、とか全編を流れるドラマチックなストーリーが欲しいなと思ってしまうのですが、
その編は続編になれば、パイロットも増えるし、
ドラマ性も高まるので、そちらは続編のほうに期待することにしましょう。
(すごい期待している。今、鉄也がどう見えるか非常に楽しみ。)

そして私がこの話の中で一番好きなのはね、
マジンガーZは強い、マジンガーZは負けない、マジンガーZが必ず勝つと、出てくる人、みんながかたく信じているところです。
この話に出てくる人は、みんな絶対にマジンガーZが負けないと信じている。
甲児が、今回ばかりは駄目かもしれない、といえば、
ボスが、マジンガーZが負けるわけないだろ、と答える。
シローが、壊されちゃったと泣けば、
弓先生が、調合金Zで出来ている、やられたりはせん、と答える。
わたし、こういうところがすごい好き。
世の中に絶対で確実なものなどなにもないのに、マジンガーZが負けないと根拠もないことをみんなは頑なに信じるわけですよ、
それはあさはかでおろかで幼稚なことですが、

けれど、いいじゃないですか、信じていたいじゃないですか、マジンガーZは強いと。

そして、マジンガーZは強いと誰よりも強く信じていた甲児は、すべての戦いに勝利を収めるわけです。
たった、一度、最終回だけをのぞいて。



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