甲児くんが、すごい育ちのいいインテリ坊ちゃんで驚いた。 甲児くんって、こんなに、お金持ちで育ちのよい頭のいいお坊ちゃんだったのか。 記憶違いもはなはだしいなぁ。 兜甲児っといったら、べらんめえ調の江戸っ子弁をしゃべる血の気の多い熱血馬鹿で、粗野で乱暴で向こう見ずで考えなしで、勇気と体力と自分正義だけはありあまっているんだけど、冷静さに欠け、ようするに短絡的で独断専行、さらに孤児で下町風情で、けんかっぱやくて、バイクで暴走行為を繰り返すスケベな不良メージだったんだけど(言いすぎ)、おいおいおいおい全然違うじゃないですか。 どっかのサンライズの殴ることしか脳のない某アルター使いのカズマとは似ても似つかないよ。なんで類型と思ったんだろ?というより、兜甲児に対するこの印象はどっからやってきたんだろう。 「平和なんてものは、人々が少しづつ犠牲を払って作り上げるものなんだ。 君は肉親の負傷で心がぐら付いているんだよ。」 こんな冷静で道理のわかった大人な発言の出来る人と、気に食わないことは気分何でも殴ってすませる人じゃ全然別人種じゃん。 そもそも生まれも育ちも思考も全然違っているじないか。カズマと甲児くんって一緒なのは年ぐらいじゃんか。 どうも自分の中で勝手に兜甲児=スーパーロボットの代表的パイロット=絶叫低脳バカ(言いすぎ)のイメージを確立してしまったらしい。 でも、いま見るとそれはぜんぶ思い込みあってで、全て誤りことがわかったよ。 甲児くんは馬鹿でもなければ、乱暴者でもない。もちろんビンボーでもない。 彼は大金持ちですよ。 彼は高名な博士の家に生まれ、莫大な遺産を相続した大金持ちで、賢くって、育ちがよくって、運動神経も抜群で、礼儀正しい、人間が非常によく出来た好青年ですよ。 永井原作なんで、もうちょっとキチガイ入っている狂人かと思ったけど、そんなこともなく、反応のすこぶる常識的で健康的、非常にまっとうな少年でした。 いや、もう言うことないくらいのいいやつじゃないですか。 なんでこう熱血馬鹿の代表みたいにされていたんだろ。 のちに世をにぎわす内向的で複雑なヒーロー達のせいで、兜甲児は事実以上に熱血バカ扱いされているじゃないですかね? これはリアルロボットを賞賛するために、スーパーロボットを単純で荒唐無稽ものと評し、そのパイロットまで、事実以上に馬鹿扱いしている気がするぞ。 昔の漫画の主人公=孤児=貧乏で粗野でハングリーで熱血って、決めて掛かるのは、イメージ先行のなにものでもなく、単純なのは、そんな短絡的直情的な思考を持つ我々のほうじゃないか。 まず、甲児くんの家は大金持ちである。それも破格の大金持ちである。 どのぐらいの金持ちかというと、そんじょそこらの小金持ちとはわけがが違う。祖父が世界的に有名な科学者で、特許を大量に取得しており、その特許料で、巨大ロボットが趣味で建造できるぐらいの桁違いの金持ちなのだ。巨大ロボットを自費建造できちゃうんですよ? そんなもんが作れるぐらいなので、当然甲児くんの乗るバイクなどは兜家にとって経済的に痛くも痒くもない。 好きなだけ甲児くんはほしいバイクを買ってもらえる。 おうちにはお手伝いさんもいて、別荘も持っている。両親はすでに他界している、が金に困っているところは全くない。それどころか、1話でおじいちゃんが死亡してしまうので、兜甲児はこの莫大な財産の相続人となるわけだ。その遺産の中にはもちろんマジンガーZも含まれる。巨大ロボットをはじめとする莫大な遺産を受け継いだ若き相続人、兜甲児とはそういう男である。おい格好いいじゃないか。ドクターヘルが攻めてこなくてもここで一つのドラマになるぞ。 さらに、ここのところリアルタイムで見ていたので知っていたくせに、幼すぎてそれの意味するところがわからなかったのだけど、甲児くんの家は、祖父は世界的に名をはせたな天才科学者である。また今は亡き父も優秀な科学者である。つまり兜家は祖父、父2代にわたって、科学者という天才の家系なのだ。その才を彼が継いでいないわけはない、もちろん彼も賢い。田舎の庶民的な高校に通い、ろくに学校にいっている様子はなかったくせに、最終回後はいきなりアメリカに留学してしまう。この時代のアメリカ留学ってすごくないか。 そして3作目のグレンダイザーになると、甲児くんは航空宇宙局NASAでUFOの研究者として成功し、自作の円盤にのって帰国するぐらいの科学者になっている。 凄え・・・NASAだってよ。野口さんといい勝負だ。いや自分で作って自分で操縦する分、野口さんを超えたかもしれない。開発とテストパイロットを両方こなせるなんて優秀すぎだ。(野口さんはもともと石川島でロケットのジェットエンジンの開発をしていた) まあ、考えてみればそれはもっともなことで、パイロットなんだもん、ただ頭が筋肉なだけの筋肉バカじゃ、つとまらないよね。身体機能が上に、賢くもなっくっちゃ駄目なんだし。当然といえば当然なんだけど、子供のころは気がつかなかったよ。 実はインテリ坊ちゃんだった甲児にんに萌え。 さらーに、ここが一番驚いたことなんだけど、 甲児くんって、育ちがいいッ! 金持ちで頭がいいだけじゃなくて、なんと育ちもいい。 非常に驚いたのだけど、彼はびっくりするぐらい礼儀正しい。 昔はなんて礼儀知らずな野郎と思っていたのだけど、これが、とんでもない間違い。古代くんは今みても呆れるぐらい無礼な人でしたが、(まあそのやんちゃなところがいいのだけれど)甲児くんは折り目正しい好青年だ。 祖父亡き後お世話になっている弓博士には常に敬語で話しているし、研究所を訪れるお客さんや他の博士にもいつも敬語や丁寧語で話している。 ホバーパイルダーが壊れれば「博士たちに修理していただきたいのです」なんて言葉がスラスラでてきくるし、ケンカをふっかけに家に押しかけてきたボスには、(ケンカよりも)お茶にでもしないかと自宅のティータイムにさそうなんて、スマートな一コマもある。うーん、凄い好みかも。 目上の人に対する口の聞き方も知らない無知で無礼な他の少年漫画の主人公とは一味も二味も違う。某人気囲碁漫画の主人公や、某人気バスケット漫画の主人公はこれを是非見習っていただきたい。 さらに博士のお嬢さんのさやかさんには、「さやかさん」とさんづけ。 女性を呼び捨てにして、おまえよばわりしたり、自分のもの扱いして、所有物のように接することもなし。 おまけに性格もひねたところが全然ない。 まっすぐて、自分の得意なことをのびのびやって育って感じがする。 両親を早くになくしているのだけど、その点で他人をやっかんだりするところもないし、経済的にも才能的にも恵まれているせいか、人をねたんだりうらやんだりするところもない。こうるさい教育係みたいなのもないので、口五月蝿いこといわれたりすることもなく、よい意味で放任、うまく自主性をはぐくんだ感じで、本人の持つよいところが素直に伸びたように成長したっぽい。 せこせこしたり他人をうらやむところが全くなくて、全体的に才能に恵まれた金持ちの余裕みたいなものが感じられるぞ。 それでいて、金持ちのガキらしくわがままで傲慢かというと、そんなこともない。弟の面倒見もいいし、亡き祖父のことも敬愛しているし、目上の人にも礼儀正しい。 弟のほうでもお兄ちゃんが大好きで尊敬しているし、ボスも甲児くんのことは信頼している様子。 江戸っ子弁を話しているので、もともとは東京の人だと思うんだけど、富士山麓の高校に転校することになっても、漱石の坊ちゃんのように江戸っ子であることをひけらかして、田舎者と馬鹿にすることもなく、なんかこう万事において余裕があるぞ。 つまりは、ガツガツしてセコセコした貧乏臭いところがなんにもないのだ。 戦いも明日食べるものがなくてひっ迫してっていうんじゃなくて、なんとなく、趣味でやっているっぽい感じだし。 いい男だな、兜甲児。 子供頃は、ニヒルなナンバー2に憧れていたけど、最近は主人公のよさもわかるようになってきたなぁ。あたしも大人になった。 ジャッキー石丸の歯切れのいい演技もいいし、ちんちんが大きそうなところもいいし、なんかもういいやつしかいいようがないな。さっきから褒めてばっかりいるが、だって、そのぐらいいいやつなんだよ。あたしは気にいった! さやかさんも、甲児くんが好きで好きでパイルダーオンされたがってしょうがないのに、素直になれなくてケンカばっかりしていて、お前ら楽しそうでいいな。でも声が松島トモ子なのはふれるな。同じ研究所に住んでいるんだから、はやくおっぱいミサイルで打ち落とせ。永井原作なので、もっとエロスとバイオレンスで露骨にスケベ(死語)かと思ったが、意外や意外、主人公が育ちのいい少年で、マジンガー乗ることで、欲情発散しちゃっているんで、さやかさんのほうから、ホバークラフトになってやらんと、甲児くん、マジンガーにとられますよ。というか早くしないと、この後グレンダイザーで出てくる大介さんに、甲児くんパイルダーオンされちゃいますよ?たしか声は富山敬だったハズ!つーか、早く大介さん出て来いッ。 マジンガークラスのビックネームになると、懐かしの○○と特集がよくあるので、刷り込みによって記憶が操作されて、見ていないのに見たような気になったり、後から得た知識で記憶が再構築されて、リアルで見ていたころの感想が上書きされたり、他のロボットとごっちゃになったりして、記憶が見たときのままには保存されていないんだよね。 有名どこの弊害で、情報操作っていうのか、後から得た知識や他所から得た情報に邪魔されて、当時の記憶そのまんまには残っていないものなのだ。 兜甲児=熱血馬鹿という図式はいつ、自分の中でできあがったのか、わからないけど、今回1話から通しで見た(まだ途中なんせ70話以上もある)感想はこれ。 兜甲児という人は、 強くなりたい、大きくなりたい、遠くに飛ばしたいという男の子願望を託したしたような人だと思いました。 まだまだ続くよ、マジンゴー!
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