タカナシの焼プリンにハマってマス。
ハイ。観音デス☆
その日の午後。 社員達が慌ててアタイを呼びに来た。 「スゴイコトになってるよ。」 Kサンが家に帰ったのは、 オエライサン達が家宅捜査を行う為だった。 Kサンの部屋からは、 タグが付いたままのブランド品が多数見つかったという。
総額300万。 思わず耳を疑いたくなった。 同じ商品が何個もあったという話を聞いて、 臨時収入が入ったと話すKサンを思い出した。 盗んだ商品をドコかで売り捌いていたのかもしれない。 インターネットが普及してる時代だったなら、 オークションででもガッポリ儲けられたコトだろう。
「ソレ全部盗品?」 「だろうね。買ったらタグ外すでしょ。」 「タグは付いてないケド盗品っぽいモノもイッパイあったって。」 「疑いすぎじゃない?何で分かるの、そんなの。」 「Kサンの言い訳がねぇ…。」 「笑えるんだよ、コレがまた。」 Kサンがその場しのぎで吐いた言い訳は、 有り得ねェヨ、とツッコみたくなるようなモノばかりだった。
店長が話をしにアタイのトコへ来た。 「参っちゃったよー。聞いた?」 「エェ。店長も行ったんですよね?」 「観音チャン、Kサンの家に遊びに行ったコトある?」 「いえ。1度もないですけど。」 「そうだよねぇ。アレじゃ誰も呼べないよ。」 「そんなに分かりやすく置いてあったんですか?」 「いや、そうじゃなくて…。」
部屋の中は酷い荒れようで、 まるで強盗でも入った後じゃないかと思うほどだったと、 店長は苦笑しながらも詳しく教えてくれた。 アレは女の部屋じゃないね、と彼は言ったが、 女の部屋が片付いてると必ずしも決まってるワケではなかろう。 男よりも小物が多い分、散らかりやすいと思うんだが。 自慢じゃないが、アタイだって脱いだ服の1枚や2枚転がってる。 サスガに下着までは転がってナイが。(-_-;) 店長の話を聞きながら自分の部屋を思い浮かべ、 家に帰ったら早速掃除をしようと心に決めたアタイだった。
休憩時間はKサンの話題で持ちきりだった。 その日の休憩は店長も一緒で、 店長はKサンの部屋の様子や言い訳を皆に暴露して笑っていた。 中でもしつこく語られたのが、 彼女の部屋にあったタグホイヤーの話。 「コレも店から盗ったの?」 「違います。」 「なんでアナタが男物の時計を持ってるの?」 「貰ったんです。」 「誰に?」 「知らないヒトです。」 「知らないヒトがくれるようなモノじゃないでしょ?」 「朝起きたら枕元に置いてあったんです。」 「ゑ?ソレどういうコト?」
店長の話をまとめると、 2人の間にこんな会話が成立していたと思われる。 時計をくれた太っ腹な人物は、 Kサンが目を覚ました時には消え失せていたという。 一夜の思い出の品ってヤツですか。 …有り得ねェ。( ̄Д ̄;) 誰もがそう思った。口にも出していた。 しかしその話を聞いた直後から、 Kサンは盗みの他に売りもやってたと噂されるようになった。 名前の代わりに『あの売女がさー』と呼ばれているのだ。
数日経ってもKサンの話題は耐えなかった。 止める人間の居ない噂話は、 盗みとは関係ない方向に進み始めた。 …つづく。
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2003年10月31日(金) |
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