分厚い本を読んでたら手がオカシクなりマシタ。
ハイ。観音デス☆
ある日。 開店前に副店長が品出ししているアタイに声を掛けてきた。 「観音チャン、ゴメンね。昨日ココにあったパン食べちゃった。」 「ハ?」 「腹減ってたんだよ〜。期限切れてたからいいよね?」 廃棄処理をしなければ商品が消えたコトになってしまうじゃないか。 「構いませんが、何食べたかは教えて下さいよ。」 副店長は食べたパンの袋をご丁寧に取っておいてくれた。 準備のイイヒトだ。
そしてまたある日。 発注作業をしているアタイに店長が声を掛けてきた。 「観音チャン、コレ食っていい?」 「ハ?」 店長がアタイの目の前に差し出したのは、 袋の破れた徳用チョコレートだった。 確かにバイヤーは一緒だが…。 「ソレ、ウチの部門じゃナイですよ。」 「同じようなモンじゃーん。」 そんなアバウトさ加減でよく店長が務まるな。 担当部門の友達を呼びに行ったアタイが戻る間に、 彼は既にチョコを食べ始めていた。
「…店長。」( ̄Д ̄;) 何でこのヒトは、たったコレっぽっちの時間も待てないんだ。 「まあまあ、観音チャン達も食いなよ。」 「ゑ〜?そうですか〜?」 アタイ達は遠慮がなかった。 廃棄処理されたモノは返品するかゴミ箱行き。 食べたり頂いたりしてはイケナイモノだと、 ウチのバイヤーが常々、口を酸っぱくして言っていた。 が、気付けば。 お調子者の店長に誘われるまま、 そのチョコは廃棄処理を済ませた後も、 作業台の引き出しにオヤツとして潜んでいた。
そんなコトが何度あっただろうか。 この店長がまた目ざといヒトで、 自分好みの破損品ばかり見つけてくるのだ。 自分で袋を破いてるんじゃナイかと疑いたくなるホド。 そしてとうとう事件が起きた。 バイヤーに廃棄の商品を食しているコトがバレたのだ。 他の部門のヒトが食ってるトコを見たのかもしれない。 ソレ以外にバレるハズもナイが。 でもって自分トコのバイヤーにでも報告したのだろう。 というコトで話はまとまったのだが。 問題はあの店長と副店長である。
「マズイ、ソレはマズイよ。観音チャン。」 つーかオマエも食ってただろうよ…。(-_-;) 「俺が食ったのはナイショにしといてね!」 そう言って副店長は去って行った。 すると今度は。 店長がいつものようにアタイ達のトコへやって来て言ったのだ。 「バイヤーには俺の方からちゃんと話すって言っといたから。 もう2度とこんなコトはナイようにね。」 まるで自分は何も知りませんでしたという口調で。 アタイ達は素直に『ハイ』と答えた。 数日後やって来たバイヤーにも謝った。 そして思ったのだ。 オメーらは何のお咎めもナシかよ。 ヤツらはアタイ達に全責任を押し付けたのだ。
おかげさまで問題を起こしたアタイ達は、 店内で目立つ立場になってしまった。 もうアイツらにエサはやらん…。 その後、性懲りもなくオヤツをせがみに来た店長達を、 アタイ達は冷たい目で見つめた。 「ヤダなぁ、そんな顔しちゃって。ゴメンね。」 「立場があるんだからしょうがないじゃん。 だからコレ、食ってイイ?」 "だから"って何?何に掛かってるの!?( ̄ω ̄;)!! どうもこういうタイプは憎めない。 そして秘密の廃棄処分は続いた。(懲りろよ)
更に部門内では新たな秘密の廃棄処分が行われていた。 パートサンはオバチャンが多い。 まだ食べられるモノを捨てるには抵抗があるだろう。 一旦帰るフリをして事務所から出て行ったオバチャン達が、 廃棄品を持って裏口から帰る場面に遭遇してしまったのだ。 お互いに固まってしまった。 が。 捨てるには忍びないしゴミも減るんだから別にイイじゃないか。 誰に見られるか分からないので、 店内では絶対に口にしないコト。(食ってたのかよ) コレが新たに決まったルールだった。 …つづく。
|
2003年10月21日(火) |
|