7月からずっと続いてるコトに気付いてマシタ?
ハイ。観音デス☆
………!!( ̄ω ̄;)!! 無言で尚も腕を掴み続けている人物。 ソレはあのAB店長だった。 絶句しているアタイに微笑みかけながら。 「観音チャンじゃな〜い。」 と、今度はアタイの身体に体当たり。 「やっだ〜、まさかこんなトコで会うなんて〜。」 「あはははは、ホントに…。」 よろめきながらアタイは思った。 ホントにヤダ。
「辞めたって聞いてましたが、ココだったんですか。」 「うん、バイヤーが知り合いで誘われたの。」 「そうですか…。」 色々と近況報告を(勝手に)しまくって、 「じゃ、またよろしくね。」 と、AB店長は終始笑顔のまま、その場を立ち去った。 開店の応援に呼ばれたAB店長は、 オープン3日目までこの店にいた。 オマケにウチの店長の奥サンになっていた。
幸先が悪すぎる。 更に、今の職場でAB店長は大変な人気っぷりだった。 美人で優しいABサン。 自分から聞かずとも、色んなヒトが噂しているのが耳に入る。 結婚して性格が変わったのだろうか。 ソレとも男のいる職場にいるとそうなるのだろうか。 早速、薬局時代の友達を集めて報告した。 『アリエナイ…。』 皆の口から出たのはそんな言葉だった。
アタイが会いたかったのは間違ってもAB店長ではナイ。 よりによって店長の嫁とは何ゴトだ。 不倫相手と別れてから、そんなに時間が経ってないような気が…。 まあ、幸せになったんだからイイじゃないか。 この仕事に就いてから運転免許も取ったようだ。 彼女はハッピーライフを手に入れたのだ。 自分の評判を落とすようなバカな真似はしないだろう。 アタイの好きな先輩が彼女をベタ褒めしていた時は、 騙されるな、と言いたくなったものだが。 人間は変わるモノだし、過去に拘るのはやめようじゃないか。
が、店長にはシッカリとアタイのコトを話したらしい。 大変仕事のデキる、後輩からの信頼も厚いイイ子だと。 …何を企んでいるんだ。(怯) 彼女の一言で店長からも気に入られたアタイは、 家に遊びに来いと何度か誘われた。 ご遠慮させてクダサイ。 いつの間にか大の仲良しだったコトになっている。 何でアタイがこんな目に…。
店長が転勤するコトになり、 ようやく開放的な気分になったのだが、 彼女の影はいつまでもアタイに付きまとった。 店長と入れ替わりにウチの店舗のお目付け役として、 会社のお偉いサンが常駐するコトになった。 彼はAB店長を自分の娘のように思っていたようで、 アタイがAB店長と知り合いだったコトを知ると、 ヒマさえあればアタイを呑みに誘うようになった。 そのうち、呑みに行くダケではなく、 家に帰る時の運転手にも指名されるようになった。 破格の交通費付きである。 アタイはオジサンの愛人なんじゃないか? と勘違いしそうだった。
車中で語られたAB店長の結婚秘話。 誰もが狙っていた彼女を、 どうしてゴリラーマンのような店長が落とせたのか。 そんな話を延々とされた覚えがある。 そして言うのだ。 「オマエはABチャンと似てるんだよな。」 非常にショックだった。 でも彼は以前の彼女を知っててそう言ってるワケじゃナイ。 そう自分に言い聞かせて何とか堪えた。 こんなコトもあったが、 アタイはこのオジサンが大好きだった。
金持ちのお客サンが来る時は彼が必ず接客するのだが、 この金持ちサンは自分でレジに来るコトがナイ。 札束を抱えた彼がアタイをサービスカウンターに呼び、 金持ちサンの清算をする。 特別待遇だ。 山とある自分の仕事に追われていたアタイは、 レジに並べよ、とキレそうになったが、 オジサンの頼みじゃ断れナイ。 大人しくレジを打っていると、 合計金額を見た彼は言ったのだ。
「観音、ラッキーだぞ。」 何が?(ー∇ー;) 既にこの状態がアンラッキーなんだが。 お釣りをオジサンに渡そうとすると、 「札だけでイイ。」 そう言った彼は、札ダケ持って金持ちサンの許へ走って行く。 戻って来たオジサンに小銭の釣りを見せると笑いながら。 「オマエにやる。」 そう言ったのだ。 どうやら金持ちサンは札以外のお釣りは受け取らないらしく、 オジサンがアタイにラッキーだと言ったのは、 この時の小銭の釣りが900円以上あったかららしい。 アタイは喜んで小銭を財布にしまった。
この頃、既にローン地獄にハマり掛けていたアタイは遠慮がナイ。 自分の財布にいくら入っているかなどという小さなコト、 金持ちサンは分かってないそうだ。 金持ちって分からん。 「また小遣い稼ぎさせてやるからな。」 この日以来、金持ちサンの会計担当はアタイに決定した。(犯罪) …つづく。
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2003年10月19日(日) |
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