武ニュースDiary
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2004年04月12日(月) |
「二千年の恋」を見て |
数年前、「武之恋」という素敵な名前の 大陸のファンサイトがありました。 今はもう見つかりませんが、そこに、「二千年の恋」を見た 感想が書かれていました。 映画と違って海外の人のドラマの感想は、あまり見ることができませんが、 このドラマを好きという人、このドラマで武のファンになったという人は 案外見かけます。 あまり見られないということで、ご紹介してみます。
「二千年の恋」を見て
日本のドラマ「二千年の恋」は、私はきっと楽しめると思う。 ヒロイン・真代理得(中山美穂)はシステム・エンジニアで、 もちろんインターネットに通じているが、 そこに冷え冷えとしたものしか―― 人と人との距離の大きさしか感じることができないでいる(大いに同感)。
そして金城武(名前はまだ明らかにされない)は某国のスパイである。 従来の愛情深いイメージをくつがえし、情報を得るためにヒロインを欺く (もちろん、最後にはやはり、かなわぬ悲恋へと陥るのだが)。
その他では、個性俳優・東幹久もこれまでとは違った役どころで、 姉妹の仲を引き裂く敵役を演じる。 「リング」の貞子役が決まった仲間由紀恵も、ひどく堕落した姿で登場する。
いずれにせよ、これは私が大好きな世紀末堕落劇だ。 その他の出演者は、連続ドラマの経験のない者が多く名を連ねており、 これもこの作品の大きな特色と言えよう。 また、フジテレビのアジア征服戦を助けて、あのS.E.N.S.が音楽方面を固める。 きっと、「神様」よりももっと涙を誘う音楽が聞けるだろう。 見た後、感想を少し書いてみよう。
このドラマは構想が非常に大きく、まるで映画を見ているようだと言ってもいい。 ただし、それが惜しいところでもある。 というのは、日本ドラマの特質である「こまやかさ」とのバランスが、 明らかに少々悪くなっているからだ。 主役と脇役のつりあいもやや悪く、重点がどこにあるか、 わかりにくくしている(女性工作員や警察官の主役男女に対する感情など)。 それでも私は、これは佳作たりえていると思う。
このドラマは絶えず「愛」という文字の中でもがいている。 「愛」を云々するのは決して特別なことではない。人間は心があるのだから。 それに、日本ドラマが描くのは普通の人間の生活なのではないか? 兄弟愛のから父子の愛、家族愛、国家への忠誠、同胞への思い、 そして男女の愛まで。 最後に来るのが民衆への大きな愛だ。 以下、私が見終えた「二千年の恋」の感想である。
信頼と裏切り……裏切りは私が大変関心を持っているテーマである (私は悲観的人間だから)……は、人間の世界が「性悪」であることを 象徴的に反映している。 裏切りは「だますこと」より、もっとやすやすと人を傷つける。 裏切られた人は、必ず苦しむ。 もしユーリのように、弟と父親の命を犠牲にしたあげく、 自分の命を差し出しながら、なお裏切りにあったとしたら、 その悲しみは言葉では表せないだろう。 ユーリが自らの手で父親を死に至らしめたシーンで、 私は思わず涙をこぼしてしまった。 (19本の日本ドラマを観てきて初めての経験だ)。
そして今日、彼の不幸をまのあたりにした。 もっと愕然とするものだったことは言うまでもない。 ついに、ユーリは他の多くの日本ドラマの主人公達のように、 ヒロインの心をのぞく、一切の頼るものを失う。 唯一つの信頼は得るものの、やはり、その時は来る。 「日本ドラマの法則」に従い、第6回か7回で物語は大きく転回するのだ。
変態の野島伸司が創り出した作中人物 (ただし、野島は私が一番評価する脚本家である)の 受けた試練だって、ユーリのそれには及ばない。 1つの「愛」を得るたび、彼は別の1つの「愛」、 もしくは命を差し出さねばならなかった。 そして最終回に至るまで、自分の未来を確信できなかった。 このこともまた非常に心を痛ませる。
ヒロインはといえば、最後に真実の愛を探しあてるものの、 それに浸ることも、愛を注ぐこともほんのわずかしかできなかった。 彼女はそれでも、すべては自業自得と受け止めていた。 降参だ! 脚本家は人に涙をしぼらせようとしている! ラストはあんまりだ。主人公は2人とも死んでしまった。 でも、私はそれでも見つけた、パンドラの箱に残った最後のものを……
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