武ニュースDiary


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2003年05月31日(土) 「恋する惑星」のエピソード・1

千里馬と伯楽にたとえられる、金城武とウォン・カーウァイの出会い――
2人の最初の仕事である「恋する惑星」のエピソードを、
いくつかの記事に見てみます。

ウォン・カーウァイ、金城武に命を与える

最近、香港で初めての広東語アルバムを出した金城武は、
ウォン・カーウァイ監督「恋する惑星」で優れた演技を見せ、
いっそうその人気を高めている。
いたるところで香港のファンが彼の姿を求め、待ち受けているだけでなく、
台湾のファンまでがグループを組んで、彼の応援をしに香港に行っている。
人気に演技の実力が加わって光彩を放ち、彼は一気に香港映画界の話題の人物となった。

「恋する惑星」は金城武のほか、ブリジット・リン、トニー・レオン、
フェイ・ウォンなどが出演しているが、この映画のプレミアが香港で行われたとき、
金城武の演技に、観客は声をあげ、笑い、拍手をするなど、反応はすごかった。
周星馳(チャウ・シンチー)はじめ、映画関係者たちは、
「金城武はすごく生き生きしてきたね!」と口々に言ったものだ。
監督のウォン・カーウァイはなおさらこのハンサムな青年に大満足で、
実に斬新な演技をすると言った。
この誉め言葉に、金城武は感慨深かった。
なぜなら「恋する惑星」ではさんざん大変な思いをしたからだ。
逃走した犯人を追跡し捕まえるシーンだけで、何度NGになったかしれない。
ウォンはしまいに2人に本当に殴り合えと命じた。
「できません」と武は答えた。ウォンはが怒って、なぜだとたずねると、
今まで腕力で解決しなきゃいけない羽目になったことがないし、
それに自分は天秤座で、平和を愛するからだというのが武の答えだった。
それを聞くや、ウォンは、エキストラに武を殴らせた。
思わず武も手を出し、結局、2人ともケガをして、
武は眉のあたりとあごを殴られ血を流した。幸い、ウォン監督は満足してくれたが。

ウォン・カーウァイは、俳優の持つ力を最大限に引き出すことができる、
名監督だと言われている。
金城武はどう感じているのか?
「実は、ぼくは毎日一体何を演じるのか全然知らないんです。
昨日演じたやり方が、次の日になるとダメだから変えるように言われたりします。
だからぼくは言いました。あなたは昨日、こう演じろっていいましたよって。
そしたら監督は言うんですよ、誰が昨日、俺を信じろって言ったんだ?」
金城武は笑いながら話すが、言葉の調子には監督への尊敬がうかがえる。
(以下略)
(民生報 1994.7.13)


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