(仮)耽奇館主人の日記
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2006年01月14日(土) |
パイロットたちのこと。 |
ヤバイ、「ハイウェイ・マン」を観終わったら、メチャクチャ興奮した! 風邪ひいてんのに、夜中の高速をかっ飛ばしてえ。 ていうか、オレもああいうのを撮りてえと、じたばた。 しかし。 オレが大好きな、元祖サイバーパンクのシチュエーションで、今の時点で、最高だと思う作品は他にある。 扶桑社ミステリーの、「罠」という海外短編集だ。 クーンツとか、マキャモンとか。 その中に収録されている、ジョー・R・ランズデイル&ダン・ラウリーの「パイロットたち」という短編が、私にとって、ほんとうにじたばたするほど興奮する作品である。 これは、パイロットとしての未来をコンボイとの衝突で断ち切られた四人組が、サンダーバードを改造した「ブラックバード」に乗り込み、夜のハイウェイを疾走して、コンボイを次々と「撃墜」するという内容だ。 「ハイウェイ・マン」と同じく、失った手足の代わりに、車のパーツを組み込んで、車と一体化した四人組のパイロットたちと対決するのは、ベトナム帰りのヘリパイロットだったコンボイトラッカー。 この息詰まるカーチェイスを、この短編は活字なのに、鮮やかに映像として想像させてくれる。 最高。 初めて読んだのは、92年だったと記憶しているが、その時走った湾岸道路では、ほんとうに「ブラックバード」のつもりで、トレーラーを執拗に追跡したりしていた。 その時流していた曲は、イーグルスの「呪われた夜」。 最高に興奮した夜だった。
パイロットはにやっと笑った。その気持ちはわかる。彼は死のにおいを嗅いだ。燃えるガソリンと焦げるゴムと飛び散るクソのにおい。
生死をかけたチェイスの果てには、ある種の恍惚がある。 これは車やバイクを運転したことがあるものなら、誰でも分かることだ。 追うものも、追われるものも興奮するのだ。 それは原始的な感情に基づくものだろう、獲物を狩るものと、狩られる獲物の生き残りをかけた闘い。 思い出し・・・ 反芻しながら・・・ ニヤッと笑って、もう一度風邪薬を飲んで寝ることにする。 今度こそおやすみ。 今日はここまで。
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