(仮)耽奇館主人の日記
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2006年01月11日(水) |
おしること物件下見のこと。 |
今日は鏡開き。 大の甘党である私は、朝っぱらからおしるこ。 お昼はぜんざい。 そして、先ほどのおやつは、二回目のおしるこ。 で。 さっきまで、水元公園近くのと、向島のと、物件の下見をしてきたのだが、どちらも悩ましいほどいい物件だった。 私が将来、永住するための物件なのだが、水元公園は私が生まれて初めて、水と緑に親しんだところだし、それなりに思い入れのある場所なので、ここを窓から眺めて晩年を過ごすのも悪くない。 水元公園のは自由設計の土地だから、新築を建てるわけだが、向島のは中古一戸建てである。 いや、中古というより・・・ 実は、オヤジの生家なのだ。 関東大震災、東京大空襲を生き延びた、かなりの年代ものの木造の長屋で、オヤジはここで産婆さんの助けを借りて生まれ、祖父の周囲の女たちに囲まれて育った。 現在は、親戚が管理しているが、私が買う気なら、タダ同然で譲るという。 四畳半の部屋が一階、二階と合わせて十部屋、そして中二階の三畳の部屋が二部屋。トイレと風呂は共同。 ボロいなんてもんじゃないが、黒光りした板の間やあちこちにシミが浮き出た漆喰の壁を眺めているうちに、なぜか、涙が出てきた。 感傷的になったわけではない。 しかし、私はほんとうに、こういう生活臭あふれる空間が大好きなのだ。 私がまだ二十歳を過ぎたばかりの頃、上野桜木に住んでいた漫画家の丸尾末広さんのアパートに遊びに行ったことがあるが、連れ込み旅館を改造しただけあって、やはり独特の生活臭と、いかがわしさが、いい感じで混ざり合ってて、いい味を出していた。 心はほとんど、新築より、オヤジのオンボロ長屋に傾きかけているのだが、ビフォー・アフターみたいに、ヤバイところが果たしてどこまで修繕、改造出来るかだろう。 改造ついでに、地下室も作りたいし。 そして、この長屋がちゃんといい形で再建したら、私は永井荷風翁の「偏奇館」にならって、「耽奇館」と看板を掲げよう。 さあ、明日からもっと頑張って稼ぐぞ! 今日はここまで。
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