(仮)耽奇館主人の日記
DiaryINDEX|past|will
本日は六月四日、六四だけにムシ。 そろそろ、恋人の紋について書いてみよう。 私、犬神博士の恋人がつとまるくらいだから、とんでもない変人か、奇形児(実際、オッパイが六つあると思い込んでいる人がいる)かと、色々読者たちの想像力を膨らましているので、ここらへんで等身大の姿を。 紋はまず、ちゃんとした女性である。 長崎県在住、大学院卒の英語女教師、メガネのムチムチの巨乳の二十五歳(吉川ひなのやノラ・ジョーンズと同じ世代である)。 ただし、これだけなら、私は恋人にするどころか、女として興味を持たない。 一番惹かれたのは、彼女の中身なのだ。 中身を一言で説明すると、「ムシの女」である。 どこらへんがムシなのかというと。 学生時代、自分の庭の石をひっくり返して、コウガイビルとかプラナリアといった奇怪な生物を探し当てては悦に入っていたという面。 これを表とすると、裏は、ニコニコした人懐っこい笑顔のくせして、その実はビザール、ストレンジ、サイケ、ダークな世界が大好きで、そういう内部世界を抱えているという面。 まさしく、走暗性の這いうねるムシそのものである。 そういうところに、私は惹かれたのだ。 そして、紋も、私の暗黒性に引き寄せられて、私たちにとっては、ごく自然な「つがい」というつきあい方をしている。 そこに、恋愛やセックスそのものを利用して、男女関係を成り立たせようとする計算性は全くない。 はっきり言って。 全く、動物的な、本能的な結びつきなのだ。 それは例え、二人で火星へ移住したとしても、寿命をまっとうするまで仲良く暮せる性質のものだ。 これは何も、奇特な男女関係ではない。 エミリー・ブロンテの「嵐が丘」においても、キャシーは恋人ヒースクリーフについて、「魂は同じなのよ」という意味のことを言っている。 そういう男女関係こそが、どんな形であれ、最もまっとうな恋人どうしといえるのではないだろうか。 まあ、ここまで気張らなくても、要するに、ヘンな人間どうし、馬があったということである。 紋に怒られるだろうが、ひょっとすると、彼女は私以上にヘンなので、私は惚れたのかもしれない。 その証拠に。 学校の職員室で、マンディアルグの「城の中のイギリス人」を読んでいて、隣の若い同僚に読ませて、「エロいけど、エロ本じゃないんですよ」と言って、思いっきり引かれたのだそうである。 私はいくら何でもそこまでやらない。 ・・・・・・ 今度、二人でダイエットをする予定なのだが、ムシにフェチを感じる私たちに実にふさわしく、寄生虫ダイエットである。 マリア・カラスに習って、サナダムシを腹の中に飼うというやつだ。 農大の友人が提供してくれる、天然もののヤマメをナマで食べて、寄生している幼虫を噛まずに飲み込むのだが、紋は女の子らしく躊躇している。 サナダムシの気持ち悪さではなく、家や学校で肛門からこんにちわしてきたら、困るなあと。 それで、二回寄生された経験から、サナダムシと仲良くする方法を教えてあげた。 ・・・・・・ こんな二人だから、サカキも、紅蜘蛛お嬢様も、二口さんも、みんな脱帽して、応援してくれている。 せむしの社長にいたっては、今度ロマネコンティのフルボトルを贈ってくれるとか。 親愛なる読者諸君、当たり前のことですが、私たちを引き合いに出すまでもなく、いいオトコ、いいオンナを見つける秘訣は、絶対的に、性格の一致につきます。 同じ性格でも、正反対の性格でも、とにかく、凹凸がぴったり重なる相手です。 表だけのつきあいでは、決してうまくいきません。 裏もさらけ出しあってこそのつきあいですから。 今日はここまで。
追伸。サナダムシダイエットに興味がある方は、私にメールを下さい。活きのいい幼虫をお分けします。ただし、それなりにダイエットが必要な方に限ります。カツカツでやってるのは、栄養的に、寄生虫は迷惑なだけです。
|